境界線
『えー俺も好きー////』
「優もー超好き////」
いつの間にやら、部屋は私と部屋主の二人きりになってた。
そりゃだって、何がきっかけか忘れちゃうほどに変な会話してたから。
あぁ、でも原因は私かもしれない。
暇だったし、所詮チャットだと思っていつもの調子でふざけて告白しまくってた。(おい
ネットって、電話じゃない。
文字だけで、顔だってもちろん見えてないから自由になんでも話せる。
だから安心できるし、なんていうか、本音で話せちゃう気がする。
普段じゃ言えないことも、何のためらいもなく。
『優と会えてまじ良かったわー///ちゅっちゅ』
「優もだよ///チャット来てよかった~ちゅ//」
後から見直したら絶対恥ずかしいだろう会話を続ける私達。
けどそんな時間もあっという間。
せっかくいいとこだったのに・・
『奈々ーご飯できるよー!』
リビングからお母さんの呼ぶ声がした。
あぁあ・・パソコン落とさなきゃかー。
ということで、部屋を出ることを言った。
『えまじで? あ、ちょい待ちー』
あーお母さん来ちゃうー・・
早く落とさなきゃという気持ちと、まだ話してたい気持ちが交差してた。
「なにー?」
『携帯、持ってる?』
携帯・・?
これってもしかして。
「持ってるよー」
『まじかっ。 教えてーっ』
連絡先を聞かれた。
普通はこういうの、教えちゃダメ。
だから普通は考える。
いや、考える前に断る。
それが普通。
でも私はおかしい。
「いいよーっ」
そう答えて急いでアドレスと番号を打った。
ヨッキュウフマンダカラ?
ダカラソンナニカンタンニオシエチャッタノ?
いや違う。
本当に惹かれてた。
純粋に。
好きになっちゃってた。
けどまたいつものネット恋愛だと、そういう気持ちをも抱えてた。
またどうせすぐに終わっちゃうんだと。
音信不通になって、自然消滅しちゃうんだと。
でもただただ、今の自分の生活から抜け出したいという気持ちが他の感情に勝ってた。
本名も、顔も、声も、まだ知らないことばかりの部屋主さんのこと。
私の生活の一部に存在てほしい。
そう強く思ってしまってた。




