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超現実拡張妄想変換装置(仮)改弐  作者: 西ノ圭吾
第1章 この世界
3/5

ヤンの店

なんか最初は世界説明等ばっかになりますね。(汗)

まぁいずれ主人公は強くなる予定で話は進むはずですので、宜しければ気長にお付き合いいただければ幸いです。

ヤンさんの店に着いた。

そういえばこの世界の文字は?

と思って街中で看板を探すと案の定というか日本語ではなかった。


だがなんとなくだがアルファベットを崩した筆記体に近いものに見えたので、もしかしたら文字も案外勉強すればいけるかもしれない。


既知の文字の可能性もありゲーム内であるという可能性も幾分期待が持てた。


カランっコロッ


ドアに付いていた鈴のような物が音を出しドアが開いていく。


「ん?飲み屋はまだだ…って、なんだ、ジェスか…」


奥から出てきたのはかなりガタイのいい人物だった。


年齢は40代といったあたりだろうか?

だが今まで俺が見てきた現代人の40代とは身体を纏っている覇気のようなものがまるで違う

ように見える。(覇気なんて見えないけどね)


白髪混じりの銀髪短髪、武人のような鋭い顔に深い彫り、でガタイともよく合っていた。


「ヤンさん、今日森で拾った子が記憶喪失とか見たいでね。とりあえず連れてきたんだ。」


「あぁん?なんだそりゃ」


と言いながら俺を見るヤンさん。

値踏みでもされてるようで、緊張する。

ここでの評価が生死を分けるかもしれないのだ

そうもなる。


「記憶喪失?坊主そうなのか?

変わった服着てるな」


「あぁそのそうですね、この世界の記憶に関しては全くないです。服は学生服と言って…」


うーんどう話せばいいか分からない。


「ん?この世界?学生服?坊主はどこぞの学園の生徒ってことか?しかし、学園なんてこの世に数えるほどしかねぇぞ。一番近いのは、王都のだがそこの服とは違うな。貴族にも…見えねぇ。いや帝都の服と少し……しかも距離が…」


そのままヤンさんは考え込んでるようだ。

しかし、この世界にも学校というのはあるみたいだ。

だが数は少ないようで、恐らくだが貴族専用とか魔法学園みたいな一部の人用とかなのだろう。


学生というのを出すのは早すぎたか。

いやもういっそのこと異世界から来たとでも言った方がいいのかもしれない。

魔法がある世界だ、異世界から来る奴もいるかもしれない。


「坊主、名前はなんていう?」


「久遠寺 開と言います」


「…!」


ん?なんか驚かれたか?ジェスも変な名前だなと言っていたけどなんかまずかったのか?


「クオンジ…どう書くんだ?ん?文字は書けるか?」


ん?文字か漢字でいいのかな?

さっきの看板みたいな文字は書けないし、日本語しか無理だしな。


「はい、そのでも…ここら辺で使われているような文字とは違うと思います。」


「ほぅ…面白いことを言う。とりあえず書く物をもってきてやる」


そう言ってヤンさんは奥に行った。


「へーなんかあんな驚いたりするヤンさん初めて見たかも。君もしかしてなんか凄いの?」


「えっいやー。むしろこっちも全然わからなくて」


「あぁ記憶ないもんねーそうかー、まぁ長くなりそうだしそっちの席にでも座ったら?。ここまで来るにも大分疲れてるでしょ?後で飲み物も持ってくるよ。」


「有難うございます…!」


本当に疲れていた。

本来ならもう寝たいくらいだ。


でも、話はこれからだし、なんとかこの世界で生きていく術を見つけないと駄目だ。

ヤンさんになんとか色々聞かないといけないし、上手く進めば住み込みで…。


ジェスさんに比べると(失礼だが…)ヤンさんは多くのことを知ってそうだ。


ヤンさんが戻ってきた。

代わりにジェスさんが飲み物をとってくると言って中に入っていった。


一気にヤンさんと二人になり、緊張が走る。

ジェスさんのあの飄々とした感じの安心感が半端なかったことを知った。


「ここに書いてくれるか?」


渡されたのはちょっと荒い感じの紙と鉛筆のようなものだった。


ここは羽ペンとかかと思ったけど鉛筆とかあるんだな

この中途半端な近代感がゲームなんだけどなー。


いや魔法でなんとかというのもあるのかな

とか考えながらも漢字で久遠寺開と書いた。


最初の久遠と書いてるあたりでもうヤンさんが目を見開いているのがわかった。


そんな特殊なものなのか、やってしまったかと考えたがもう遅いし、他に選択肢が思い浮かばない。


「これは…いや…んー遺跡文字か?。これが書ける?いやそもそも名前に?」


遺跡文字?なんだそれ。

ダンジョン見たいなものか?それとも現実世界みたいに普通の過去の遺跡ってことかな?


「坊主一体お前は何者なんだ?記憶喪失って割にはしっかり喋れるし魔人ってことは…まぁなさそうだな。」


魔人!?そんなのまでいるか流石ファンタジー


さて、もうとりあえず異世界から来たというのがいいのかな?

でも、日本語はこの世界にもあるみたいだし、いっそ本当のこと言うか?

信用してもらえるかは微妙だけど


そして俺はヤンさんにもう半ばヤケでここに来た経緯を話してみた。

日本という国で高校生をしていたこと。

叔父にゲームのテストプレイヤーを頼まれて事故?に遭い気づけばここにいたこと。

さらにはステータスが見えること等について等も


およそゲームのNPCであれば反応に困るようなことばかりだったと思うがヤンさんの反応は


「嘘は言っているように見えんが、お前の話はほぼわからない。一部良く聞こえない感じの単語もあったし。」


うーん。

そう…だよなー。

聞こえないってのは引っかかるけど。


「すいません。そうですよね。」


「だが記憶喪失というのではないのだな、日本か…知らない名前だな。恐らくこの世界にはないはずだ。」


「そう…ですか。もしかしたら僕は異世界から転移したのかもしれませんね」


「ふむ…異世界ね。確かに俺も見たことはないがそういう人間がいるというのは聞いたことがある。そういえばステータスが見えると言ったな。それが自分の力で出来るというのは驚きだが、この世界でも見る方法はある。」


ヤンさんが言うには通常ステータスというのは自分ですぐ全部見れるようなものではなく、冒険者ギルドに登録して魔法による測定を行い、おおよその値を数値化したものがギルドにて見れるものらしい。

LV位なら魔法やスキルにより見えるらしいが。


それは魔法やスキルにより魔物等を鑑定しLVやランク等を見るもしくは推定値を出すことが出来る程度で細かいものは見れないのが普通らしい


「ちなみに僕の種族はステータスを見ると創世人というものみたいなのですが?普通どうなんですか?」


「……!?」


またやったか。

いや確かに大層な名前だもんな


「種族が?創世…人?本気で言ってるのか?いや名前、そうかありえる…のか?」


ひとしきりヤンさんは色々思考して


「ふぅ…お前それは誰にも言わない方がいい。後名前もその文字はやめとけ。

まず、クオンジというのは広く世界で信仰されている宗教の最高神クオンジーという神の名前に似すぎている。そこの奴らからしたらよく思わないだろう。カイだけにしといた方が…いいだろう」


なんか大層なことになってきた。

頭が痛い。

クオンジー?神?万が一この世界が柾が創ったゲームならば、ちょっと恥ずかしいくらいの厨二病だ。

そして異世界というのは若干否定されたかもパラレルという可能性もあるが。

名字は名乗らないにこしたことはないだろう。


しかし漢字もダメなのか。

先程の遺跡文字というのがネックなのか?


「この文字はダメなんですか?」


「…その文字は、恐らく世界に無数にある遺跡にある古代文字だと考えられる。と言っても読める人間が果たしているのかわからない。俺も昔、…冒険者だった時代に見たことがあったからなんとなく…な」


やっぱヤンさんも元冒険者なんだな。


「だからそんな遺跡文字が読めるもしくは分かる人間なんていたらやっかいごとに巻き込まれるのがオチだ。というか研究という名目で攫われるかもしれん。」


「えっそれは怖いです。僕は非力なんでなんも出来ないし」


日本じゃそこまで非力じゃないが、モンスター溢れるこの世界じゃ普通の高校生には無理ゲーですよー


「いや、お前がもし本当にさっき言った人種が正しいのなら、お前は神に等しき存在だぞ?多分」


「はぁ!?」


それからヤンさんは急に小声になり


「創世人とは、その名のとおりこの世界を作った人間たちだ。今ある魔法もスキルも魔物など含め全ての創造神と言える神話の時代の人間だよ。まぁあったこともなければもはや神話の御伽噺の世界だが。」


「はぁ?」


そんな力も何も感じないし何もできませんけど?


「神話が本当なら、お前に出来ないことはないと言ったところか。まぁ見る限り何か出来るとは思えんのも不思議だが。とりあえずその話は話半分としておこう。俺にもそんな存在がいるとは思えん。」


それにとヤンさんがいいかけたが、ジェスさんが飲み物を持って来る音が聞こえたのか


「ともかくだ。お前の人種の話は終わりだ。名前もカイだけにしとけ」


「でもジェスさんには名前言っちゃいましたけど?」


「あいつはいい。深く考えない性格だし、記憶もそこまでいいわけじゃない。良いやつだがな。俺から軽く口止めしとくよ」


軽く笑いながら話すところを見ると、付き合いは浅くないのだろう


しかし、完全信用してしまったが最初に話したのがヤンさんで良かった。

他の誰かなら利用されたりしたかもしれない。

そんな力があるとはとても思えないけど。


「何飲めるかよくわからんしミルク持ってきた。まだ幼いだろうしこれでいいかな?」


ジェスさんには俺は何歳に見えてるんだろう。

確かに日本人は外国人から見れば幼く見えるというが


「あっミルクで良いです。後僕一応17歳です…」


「「えっ!」」


二人がハモる。

ヤンさんあんたもか。


「そうか…13、4かと思ってたよ」


中学生か!


「はは、そんな幼く見えますか」


まぁ高校生という意味も分からないだろうし、仕方ないか


「それでヤンさん、この子はどうなの?記憶喪失治りそう?」


あぁ記憶喪失設定は続けた方がいいかもなー

ヤンさんもそう考えたのか


「あぁ〜そうだな、ジェスまぁそう焦るな。記憶喪失とまではいかないが記憶が混同してるフシはある。徐々にこの世界の事を思い出していけばいいさ。しばらくは常識でも教えてやってくれ。」


とこちらを見ながらフォローしてくれた。

有難い。


「えぇ常識?俺も自信がないけど?」


「お前なぁ…俺も店がない時には教えてやれるが。…そうだクラインに頼めよ。幼馴染だろ?」


「あぁ確かに、クラインなら色々詳しいし頼もうかな。」


ん?新しい人物が出てきたな


「クライン…さんとは?」


「あぁ俺の同郷で幼馴染のハーフエルフだ。魔法使いだし知識も豊富だよ。近くで古書屋やってるんだ。まぁ趣味の店で流行ってないけど(笑)後は俺の冒険者としての仲間でもある」


ジェスさんの冒険者仲間かそれなら信頼できそうだ。

そしてエルフの魔法使いか。

凄そうだ。


あっハーフエルフか、ゲームとか小説だとハーフエルフはどちらの種族からも疎まれたりしてるけどこの世界はどうなんだろ。

クラインさんに直接は聞けないだろうし、ここは先に聞いてみとくか。


「あのー僕も常識がないので変な質問をするんですがこの世界の人種もしくは亜人種ってどんな関係性なんですか?」


これはジェスさんは無関心な感じなのでヤンさんに聞いてみた


「ふむ、とりあえず亜人種という言葉は知ってるんだな。」

それから、説明を聞くと

人間以外にも様々な種族がいる、獣人、エルフ、ドワーフ、ホビット、コボルトetc


その中で所謂人間とコミュケーションが取れる、意思疎通が可能な種族を亜人種というみたいだ。


さらには人間と敵対するのは魔人などを筆頭に魔族と呼ばれたり、また意思疎通ができないレベルなら魔獣と呼ばれたりするという自分の中でのゲーム知識と変わらないようだ。


亜人種の中にももちろん人間を敵視している種もあるが部族単位であったりで全体ではないようだ。


概ねドワーフ、エルフなど主要亜人種は仲が良いものが多い。

ただ少数だがハイエルフ等は人間を下に見るものが多く独自の国から出ないことが多いそうだ。


他にもドワーフが技巧に優れる、エルフは魔術に長けるなども自分の知識と変わらない。


案外本当にゲーム内かと思う位、知識が使える。

ハーフエルフについてはハイエルフ等からは嫌われるようだが、エルフからはそうでもないみたいだ。


後は魔族がいるなら天使はどうかというと、厳密にはいないとのことだった。


天使はどちらかというと生死生命体というか召喚獣的な存在みたいで、神殿騎士などが一時的に力を借りるような存在みたいだ。

神様も同じように信仰の対象として名前があるが、現実世界にいるかどうかは神のみぞ知るレベルとのこと


ジェスさんもあまり知らなかったみたいで

へー

みたいな顔してた。


これはヤンさんが詳しいすぎるのかもしれない。


さらに魔族については実際におり、魔王もいるとのことで、人間の国の中で一番魔族が支配する領域に近い人族がいる帝国が主に戦っているらしい。


ただ、魔王側が本気じゃないのか小競り合いがある程度で均衡は保たれているとのことだ。


とりあえず、大まかな世界情勢等についてはわかってきた。

ただ、まだゲームである可能性を否定したくない(帰れないし)。


ログアウトか何か手段はわからないが、当面は帰る手段を探すためにこの世界で生活をする必要がある。


「ヤンさん、勝手な頼みであることは重々わかるのですが、ここで住み込みで働かせていただくわけにはいきませんか?」


「ん・・・まぁ事情を色々聞く限り、他ではきついだろしな、そりゃお前さえ良ければいいぞ。昔ジェスが使ってた部屋もあるし、片づけてそこを使えばいい。ただきっちり働いてはもらうぞ。明日からな。今日はとりあえず部屋の片づけでもしとけ」


「ありがとうございます!」

「ヤンさんならそう言ってくれると思ったよー。よかったなー頑張ろうな俺も時々手伝ってるから。結構忙しいぞ。なんでか流行ってるからこの店」


本当話のわかる人で良かったというか運がよかった。

ジェスさんヤンさんありがとう。


その日は、ヤンさんに部屋を案内され、片づけをしてとりあえず寝るスペースを作り。夕方まで休ませてもらった。

本当に疲れた一日だった。



_________________________________________


そのまま寝てしまったようだ。

外を見ると真っ暗で何も見えない。

電気の無い世界とはここまで位ものなのかというのを始めて知った。


トイレに行きたくなり部屋を出ると1階の方から話声が聞こえた。

どうやらヤンさんとジェスさんみたいだ。



「ヤンさんあの子の事本当助かったよ。俺じゃどうしていいのかわからなくてね」


「はーお前も変わったのを連れて来たもんだ。しかしセラの森の…にいたとはな。お前も相変わらず…」


ところどころ聞こえないが俺を発見したことに関する話みたいだ。


「俺はまだ…を諦めてないよ…」

「ジェス…まぁいい。しばらくは…」


込み入った話みたいだ。

これ以上聞かない方がいいな、共同トイレに行き用を済ませるとまた部屋で倒れるように眠った。








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