いざ給え(2)
柚子たちはそれぞれ動きやすい格好に着替えて道場へと向かった。椿はジャージの上に胸当てをつけて、梓弓を大切そうに抱えている。柚子が持っているのはもちろん門の札だ。勝元と沙也香と翼は何も持っていなかったが、涼介の恰好に柚子は度肝を抜かれた。涼介は腰の右と左にホルダーのついたベルトをつけ、太腿の辺りにはズボンの上からベルトを装着していたのだ。どちらの装備品にも黒く光る何かが収納されている。それが何なのか柚子にはよく分からなかったが、すべて武器のように見えた。どれも先端が鋭利だったのだ。
「今から、あなたたちに何ができるのかをそれぞれ見せてもらいます。家系によって代々受け継がれている技を習得している人や、既に自身で編み出した戦い方がある人もいるでしょう。ない人も今は気にしなくて大丈夫です」
あきらが言った。桐真と和泉が倉庫から用具入れのようなものを持ってきて、その横に待機している。群治郎は何をするでもなくあきらの横に立っていた。
「……とはいえ、よく分からない人もいるでしょうから例を見せます。まずは私から」
あきらはそう言うと、桐真と和泉に目で合図を送った。二人は用具入れからプラスチックでできた黄色い大きな人形のようなものを取り出した。人形には大きな札が貼りつけられている。札に書かれた文字は達筆すぎて読めなかった。
「私が使うのは……伝わるように言うと、『気』と呼ばれるやつです」
あきらはそう言うと、神経を統一させるように両手を合わせ、細く長い息を吐いた。それから、いきなり凄まじいスピードで人形に向かって右の拳を突き出す。あきらは人形に触れないところで拳を止めたが、衝撃波のようなもので人形は倒れた。かと思いきや、人形は倒れた時と同じくらいの勢いで起き上がってきた。どうやら、起き上がり小法師のようになっているらしい。
あきらはそのまま左拳も突き出した。そして、間髪を入れずにもう一度右の拳で今度はアッパー攻撃。それから素早く体を捻らせて、後ろ蹴りを繰り出した。彼女の実力は確かなようで、攻撃はどれも直接当たっていなかったにも関わらず、人形はあきらの技を受けるたびに激しく倒れていた。
「おおーっ!」
高校生たちから自然と拍手が巻き起こる。どう見ても普通の中年女性の動きではない。
「まあ、こんなものね」
あきらはそう言って、目にかかった前髪を払った。
「天才空手少女も負けてらんねーな」
翼がニヤッと笑って耳打ちしてくる。
「忘れて」
柚子は無表情でそれだけ返した。
「この力は代々虎城家に伝わるものです。壊したら弁償しなければならないので今回は直接当ててはいませんが、妖怪と戦う時は当てに行きます」
平然とそう言ってのけるあきらは、とても凛々しく頼もしい。
「まあこいつ、素の力も強いけどね」
群治郎はニヤニヤと笑いながら付け足した。
「明らかに喧嘩慣れしてるんだよな。昔はヤンチャしてたらし……」
「ゴホン」
あきらがわざとらしく大きな咳をしたので、群治郎は押し黙った。
「ほら、次はあんたよ」
「はいはい」
柚子は思わず身構えた。彼が何を持っているかを既に知っているからだ。群治郎はホルスターに収納している銃を手に取ると、両手で構えて道場の一番遠い壁に設置された的に向かって弾を撃ちこんだ。的の中央に、二発の弾がめりこむ。
「ウワッ」
「え? 銃?」
「怖!」
「ていうかあれ、弓道の的だよね……」
高校生たちがどよめく中、群治郎は苦笑しながら銃を見せるように片手で持ち、向きを変えて反対側も見えるようにした。
「厳密に言うと、本物の銃じゃないよ。悪用できないように改造してある。団長の呪術で妖怪にダメージを与えられるようにした弾、みたいなものを使ってて、それしか入れられないようになってるんだ。弾によって効果が違ったりする」
群治郎はそう言いながら銃を腰に戻したが、高校生たちに本物との違いはまるで分からなかった。
「俺は一番馴染みのある武器がこれだったからねー」
群治郎は何でもないことのようにそう言ったが、高校生たちは怪訝な顔をして首を傾げた。現代の日本で、拳銃に馴染みのある人など滅多にいないだろう。
「それじゃ、二人も頼むわよ」
あきらが言う。桐真と和泉は「はい」と答えた。すると、和泉が用具入れから巻き藁と木でできた台を取り出し、台の上に巻き藁をそっと置いた。
「私は刀工なんだけど、一応自分でも刀は扱えるの」
桐真はそう言うと、腰に差していた刀を鞘から抜き取った。巻き藁の前で刀を両手で構え、深呼吸をしてから、素早く刀を二回振る。巻き藁は綺麗に斬れて三つに分かれた。
「おおー、すごいっ!」
「ふふ……練習すれば意外と行けるわよ」
高校生たちの歓声にそう返しつつも、桐真は嬉しそうだ。
「こんな感じかしらね。それじゃ、交代よ」
桐真がそう言って和泉の肩に優しく触れる。
「うん」
和泉は微かに頬を赤らめて頷いた。
今度は桐真が準備に回る。桐真は脇に寄せていた起き上がり小法師式の特訓人形を和泉の前に持っていった。
「私は普段は医療係として活動しています。戦う時に使うのは、五行結印術って技です。さっきも出てきた勝袁さんっていうお坊さんが開発した、妖怪に効く技のことです」
和泉はそう言うと両手の指を素早く組み替え始めた。そして、術を唱える。
「戊壱顕現急急如律令」
その様子を注意深く眺めていた柚子は、思わず目を見開いた。和泉の指の動きが、どこかで見たことがあるようなものに変わったからだ。
「――螺旋土砂」
起き上がり小法師の周りに砂埃のようなものが舞い始めた。土と砂を巻きこんだ大きな竜巻が特訓人形を包む。勝元の使う術の一つ、螺旋火炎と似た攻撃のようだ。
「壬壱顕現急急如律令《じんいちけんげんきょうきょうにょりつりょう》」
和泉は続けて別の印を結び始めた。これもまた、途中から同じ動きをしている。法則が読めてきた。火や土、水によって最初に結ぶ印はそれぞれ決まっているが、その後に続く印は技の種類だけあるのだろう。そして、火や土などの要素が違っても、技の効果が似ているものは恐らく印も似ているのだ。
「――螺旋水流」
次に現れたのは激しくうねる水の渦だった。起き上がり小法師が螺旋水流に当たるたびに四方八方に倒れては起き上がる姿は、見ていてちょっぴり笑いを誘った。
「もう一つ……」
和泉が声を絞り出す。
「壬弐顕現急急如律令……」
和泉は先程より少し疲れているように見えた。技を何度も使い続けていると体力も消耗してしまうのだろうか。勝元が何度も連続で火の印を結んでいたところを見ているので、柚子は少し驚いた。勝元はそういった力には優れているのかもしれない。
「――白波!」
和泉が一風変わった印を結ぶと、そこから大量の水が溢れ出てきた。水はやがて高い波となり、勢いよく特訓人形を押し倒してその先に流れるように消えていった。大迫力の攻撃に、一同は呆然としていた。
「ま……まあ、こんなもんやね」
和泉が照れ笑いしながら言った。
「五行結印術は素質がないと使えんっちゃけど、逆に言えば素質があれば誰でもできます。一生陰陽師に縁のない人に実は素質があった、ってこともあるとよ。五行って名前の通り、種類は大きく分けると五つあります。木行、火行、土行、金行、水行の五つ。得意なものも人によって変わってきます。あとで試したい人は試してみてね」
「さて」
和泉が説明を終えるや否や、あきらが腕まくりをして言った。
「では、皆さんもこんな感じで何ができるのかを見せてください。今から、事前に答えてもらったアンケートシートを参考に一人ずつできることを見せてもらいます。ではまず勝元、あなたから行きます」
手に名簿を持ったあきらが言う。
「はーい」
勝元は間延びしたやる気のなさそうな声で答えた。
「俺はお察しの通り五行結印術を使うんでそのサンドバッグそのままでいいです」
勝元は起き上がり小法師式特訓人形を指差してそう言うと、既に柚子が何度も見ている印を結び始めた。まず一つ目は螺旋火炎だ。特訓人形は先程から殴られたり砂埃や荒波に揉まれたりしている上に今は炎に包まれているが、まだ壊れそうにない。呪術的処理を施すだけでここまで丈夫になれるのかと、柚子は感心した。
「丁壱顕現急急如律令——火ノ壁」
勝元は続けて術を唱えた。この技にも、何度もお世話になっている。
「こんなもんですねー」
勝元は手をパッと離した。それに合わせて火ノ壁も消える。
「他の術はどうですか?」
あきらが問う。勝元は一瞬固まった。
「……火行だけです」
「……分かりました。では次は……椿、始めてください」
「はい」
椿はしっかりと返事をすると、弽を右手にはめた。肩にかけたホルダーに入れた三本の矢のうちの一本を番えて弓を構えようとする椿を見て、柚子は思わず声をかけていた。
「それ、この間つけてなかったよね?」
柚子が胸当てを指差して言った。
「あの時は余裕がなかったから。一応、胸に当たらなくなるまで練習したのよ。可能な限りつけているけど」
椿の返答を聞いたあきらは期待をこめた瞳で椿を見ている。
椿は集中すると、的に向かってしっかりと矢を放った。的のほぼ中央に矢が刺さる。椿は矢をもう一本番えながらゆっくりと移動して隣の的に向かって放った。こちらもジャストヒットだ。最後のもう一本の矢も弓に番える。椿は、同じように三つ目の的に向かって真っ直ぐに弦を弾いた。
「お見事!」
桐真が声を上げた。三本とも的の中央に当たったのだ。椿はホッとしたように息を漏らして、微笑んでいた。
「素晴らしい。では次」
そう言ってあきらは名簿に目を通している間に、椿は矢を取りに的の方へと向かっていった。
「柚子の番です」
「はい」
柚子は緊張気味に返事をした。
「私は剣を使うので……さっきの藁を貰ってもいいですか?」
「いいけど、肝心の剣はどこ?」
桐真が用具箱から巻き藁を取り出しながら、怪訝な顔をして言った。柚子はポケットから門の札を取り出し、中から飛び出した柄を持って剣を引っ張り出す。桐真は唖然としていた。
「楽に持ち運ぶ方法はないかって団長に聞いてみたら、教えてくれたんです」
「柚子、もしかしなくても団長に気に入られてるよね?」
「そ……そっかなあ」
沙也香の言葉に、柚子は曖昧に答えた。
「なんだそのかっけー剣」
翼が目を丸くして言う。
「おじいちゃんが持ってた」
柚子は太郎に剣を貰ってから考えておいていた嘘をついた。太郎から既に話を聞いているのか、あきらと群治郎は特に何も言わなかった。
「行きます」
柚子は桐真がセットしてくれた巻き藁をじっと見つめた。そして、呼吸を整える。やりすぎないようにしないと。柚子は自分に言い聞かせた。あくまで自然に……でもそこそこ素早く……。
柚子は先程の桐真の動きを思い出しながら剣を二振りした。少し不格好ではあったものの、巻き藁はしっかりと斬れていた。
「いいんじゃない? 私は刀専門だから剣は詳しくは分からないけど、筋いいと思うわよ」
「ありがとうございます!」
桐真の言葉に、柚子は安心して元気に礼を言った。とりあえず、不自然に上手くできすぎているということはなかったようだ。
「剣に関しては団長が詳しいかもしれないわね。先代の団長の七之助さん……つまりお父様が剣を扱うのが得意だったって聞いたことがあるわ」
「そうなんだ。聞いてみます」
柚子はそう言った。正体を知っている太郎ならいくらでも頼りにできる。柚子はホッとした。
「それでは、最後に都涼介。涼介、あなたは……」
名簿を見て涼介の名前を呼んだあきらは、顔を上げてじっと涼介を見つめた。柚子は密かに胸を躍らせた。涼介が一体何をするのか、さっきからずっと気になっていたのだ。
「……忍者の末裔で間違いないですか?」
「はい」
涼介がコクリと頷いたのを見て、柚子たちは思わず大声を上げてしまった。
「え! 忍者? かっこいい!」
「すごい! ほんとにいるんだ!」
「分身の術とかできんのかよ?」
翼の質問に、涼介は首を横に振った。
「いやできない。そういうのは漫画に出てくる忍者がやることだよ。俺は二種類の武器を使えるってくらい……あと、多少は薬学を学んでます」
「いいやん!」
和泉が嬉しそうに声を上げた。
「二種類の武器って、そのいろいろつけてるやつだよね」
群治郎が涼介が体の至るところに装備しているものを指差して言った。やはり、武器で間違いなかったようだ。
「はい。使い勝手がいいのは苦無ですかね」
涼介はそう言って、腰の両側のホルダーに入れていた武器を取り出して両手に持った。刃の部分が菱形のような形になっている、全面真っ黒の短剣のような武器だ。
「それでこれは手裏剣」
涼介は左足の太腿を指した。ベルトに三個挟まれている、十字型の小さく鋭利な刀剣が鈍く光る。
「俺が今使えるのは、この二つです」
「では、使ってみせてください。何がいいかしら」
あきらがそう言って用具箱を覗きこんだ。涼介は少し考えてから、「巻き藁で」と答えた。
群治郎が巻き藁を台の上に乗せて固定する。どうやら彼も、高校生たちと同様に涼介の持っている武器にときめきを感じているようだ。
涼介は小さく息を吐くと、左脚の手裏剣を右手に持って順に一枚ずつ投げた。三枚のうち二枚が巻き藁に刺さる。それから涼介は大柄な体つきからは想像できないほど素早く巻き藁に近付き、苦無を両手に持って、巻き藁の中央辺りに突き刺して両側に斬り開く。
「おおーっ!」
「かっこいー」
勝元が感嘆の声を上げた。
「……手裏剣は、練習が足りなかったですね」
涼介は苦無をホルダーに戻して、手裏剣を回収しながら冷静に言った。
「現時点にしては上出来です」
あきらは満足げに言った。
「人前で披露したことで、自身の弱点を見直せた人もいるのではないかと思います。では、次に行きます」
あきらはそう言って、沙也香と翼に向き直った。
「まず沙也香。あなたは陰陽師に関することは完全に未経験とのことですが……どうしますか? 参考までに言っておくと、陰陽団に一番多いのは五行結印術の使い手。どれほど扱えるかは素質によりますが、数種類の術なら出せるという人はかなり多いです。二番目に多いのは、刀の使い手。団に経験者が多く、確実に訓練を受けられるのでそれなりに人気です」
あきらは淀みなく言った。
「じゃあ五行結印術を試してみていいですか? 何度か見たことがあるので、ちょっとやってみたくて」
沙也香は余裕の面持ちで言った。あきらが頷く。
「失敗しても落ち込まないように。これは努力ではどうにもならず、完全に素質のみによって決まります」
「分かりました」
「五つのうち、どれがやってみたいとかあるかいな?」
和泉が尋ねた。
「……水でいいですか?」
沙也香が答えると、和泉は水の印の結び方と術を沙也香に教え始めた。その間に桐真が特訓人形を準備している。
「行きます……」
沙也香はそう言うと、右足を強く踏みこんだ。目を閉じて大きく深呼吸してから、指を素早く動かす。
「壬壱顕現急急如律令」
沙也香の自信に満ちた声を聞いて、柚子は成功を確信した。
「――螺旋水流!」
途端に激しい水が溢れ出し、渦を巻いて特訓人形を包みこんだ。一同からどよめきの声が上がった。あきらや群治郎たちも驚いている。
沙也香は、螺旋水流が消える前に次の印を結び始めた。
「壬弐顕現急急如律令——白波」
沙也香の声に合わせて高い波が押し寄せ、起き上がり小法師を倒した。白波が消えると、沙也香は額に滲んだ汗を拭って達成感に溢れた表情を浮かべた。
「いけた!」
「沙也香すごいじゃん!」
柚子はまるで自分のことのように嬉しくなって歓喜の声を上げた。
「ありがと! 見てるうちにコツを掴めたのかも」
沙也香はそう言うと、勝元に向かってニッコリと微笑んだ。
「ありがとう、光宗くん」
「……どういたしまして」
勝元は頬を引きつらせて、微妙な笑顔を浮かべている。
「他にチャレンジしてみたい人はおるかな」
和泉が高校生たちを見回した。柚子は何も言わなかった。事前に太郎に注意されていたのだ。「妖怪の妖力や人間の霊力、それから例えば神様の使う神通力などに明確な違いはないんだ。君ならいきなり大技を成功させてもおかしくないから、バレたくなければやらない方がいい」と。
誰も名乗りを上げなかった。みんな、既に持っている自分の技の精度をもっと上げることが先決だと判断したのだろう。
「もしかしたらみんなもできるかもしれんから、よかったら後でやってみてね」
和泉はそう言って微笑んだ。
「翼は?」
あきらが問う。
「俺は刀がいい!」
「来たわね!」
翼が威勢よく言うと、桐真が嬉しそうに声を上げた。
「これ、使っていいわよ」
桐真はそう言うと、先程自分が使ったものとは異なる刀を翼に手渡した。和泉が巻き藁を準備する。
「刀っていうのは、縦の力には強いけど横の力にはとても弱いの」
桐真は自分の刀を捻りながら翼に見せた。
「刀を振る時は、刃の向きと同じ方向に力をこめること。そうじゃないとすぐに折れちゃうのよ。とりあえずやってみて」
翼が見様見真似で桐真と同じように刀を構える。それを見た桐真は更に笑顔になった。
翼が素早く斜めに刀を振る。巻き藁は綺麗に真っ二つに割れた。
「おお! どうだ?」
翼が声を上げた。
「センスあるわ」
桐真はそう言って右手の親指を突き立てた。椿も嬉しそうに微笑んでいる。
「よっしゃ。体動かしてえから、やっぱり術よりこっちだな」
翼はそう言うと、刀を鞘に戻して桐真に返した。
「今年の新人のために打ってた刀があるから、あとであげる。使う人がいて嬉しいわ」
桐真は翼から刀を受け取りながらそう言って微笑んだ。
「今年の陰陽師は優秀ね」
あきらは小さく呟いた。聞き逃さなかった群治郎がニヤッと笑う。
「教育係も、思ったよりは大変じゃなさそうだな?」
「……問題はそこじゃないでしょ」
群治郎の言葉に、あきらは重々しく答えた。そして、気を取り直して手をパンと叩いた。
「それでは、協力して片付けた後、昼食を取ってから座学を行います。座学は陰陽団に正式に入団してからもしばらくの間は受けてもらいますが、まずこの研修旅行で陰陽師として最低限必要な知識を学んでもらいます。最終日にはテストをします」
「テストってそれか……」
勝元が面倒臭そうな声で言った。あきらはにべもなく続ける。
「一時間後に教室に集合です。では、また後で」




