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変わり行く


 連れられて来たのは王宮の庭園の一角。たくさんの薔薇が咲き誇っている。二人きりは嬉しいが、ここで何をしようと言うのだろう。

 すると、ヴィルベルト様はその場に跪いた。

「ヴィルベルト様!?」

 慌てて立ち上がらせようとするが、その手を取られる。熱の込められた視線に大人しくなるしかない。

「そういえば、ちゃんと言っていなかったので。貴女にはちゃんと言葉にしないと伝わりませんから」

「何を……」

ヴィルベルト様はひとつ呼吸をして意を決したように口を開いた。

「私の、奥さんになってください」

 あまりの驚きに息を呑む。言葉を返さなければと思うのに、胸が詰まって言葉が出てこない。その間もヴィルベルト様はじっと待っていてくださる。

「こ、こんな、私で良ければ」

 言葉をつかえながらなんとか言い切る。恥ずかしすぎて涙が出そうだ。

 ヴィルベルト様はそんな私を見て立ち上り、抱き締めた。私も背中に手を回し、力を込める。

 ああ、なんと幸せなのだろう。想いが通じて婚約までできるなんて。変わりたいと思う前と、なんて違いなのだろうか。半年ほど前に想いを馳せる。努力して良かった。想いを告げて良かった。私、すごく、頑張った。すごく幸せだ。

 この人となら、私はどんな困難も越えて行ける。アマリリスは愛しい体温に新たな決意を固める。

 これからも私は変わる。一緒に変わり行く。愛しい愛しい、ヴィルベルト様と共に。



一応最終話です。続くかもしれないので完結設定はしておりません。続き書ければいいなあ。

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