第1章
「うっ」あまりの味に吹き出しそうになったが、慌てて口に手を当て飲み込んだ。
なんとか耐えたこの味は殺人的だった、その一口で完全に飲む気が失せてしまった、屋上を見渡して比較的きれいな場所で横になり缶を隣に置いた。
「ふぅ」大きい溜息をついた、今日はなんだか疲れた一日だったな、そんなことを思いながらそっと目を閉じた。
暑い、そう夏の日差しが目に刺さるようだった、「ねぇ、起きてるかな」優しい声が聞こえた「誰だよ」「誰だよって、ひどいよね」少しすねたような声が聞こえた。「ごめん、すねないでこの通り」彼は急いで目を開けて、起き上がり体の前で手を合わせて謝っていた。
しかし、彼の顔は笑っていた、これ以上の幸せがないかのように、笑っていた。
「もう許してあげるから、顔をあげて」その言葉を待っていたかのように、彼はゆっくりと顔をあげた。
「やっぱり、優しいね」「おだてても何もないよ」照れ笑いをしながら答えた。
「ねぇ、明日って暇」「うぅん、どうかな」少し意地悪をするように悩む真似をした「だめだったかな」彼女は不安そうな声で聴き返した。
彼女の不安そうな顔を見たら、正直罪悪感がわいてきた彼はすぐ返事を返した。
「暇だよ」「よかった、明日今日と同じ時間に同じ場所で」彼女は本当にうれしそうに話してくれていた、そんな彼女を見るのが彼の楽しみだった。
彼は永遠に変わらないと信じていた。
「大丈夫かな」そんな彼女の声が聞こえた「うん」はっきりしない意識の中で答えていた「そう良かった」彼女の優しい声が響いた。
「そっちこそ大丈夫」しかし返事はなく彼の声だけが響いた、そして彼女の名前を叫んでいた。




