第2章
日が完全に沈みあたりが暗くなった頃、あるマンションの1室に明かりがついた。
しかし、扉を開けた彼を迎えてくれる人はいなかった。
いや、無言が彼を迎えてくれたのかもしれない、そう彼は1人でこの部屋に住んでいる。昔は1人ではなかった、時間と環境が彼の人生を狂わせたのかもしれない。
電気をつけて部屋の中に入りながら、時間を確認した。
時計は7時を回っていた、彼は部屋の隅に置かれている冷蔵庫の扉に手をか、そのまま開けた。中身を確認しようと中を覗き込んだら、イチゴオレが入っていた。
確か2~3日前に学校帰りに、コンビニに寄った時に買ったのを思い出していた。
その時学校での事が頭をよぎった。
その瞬間になぜか食欲がなくなってしまった。
彼は冷蔵庫の中に手を入れて、そのジュースの隣にある、ミネラルウォーターのペットボトルに手を伸ばすと、キャップを外すとそのまま飲み始めた。
半分ほどを飲み干すと、自分でも気づいていないうちにのどが渇いていた事を自覚した。
そのまま水を近くに置いてあった机の上に置くと、彼はため息をつき着替えないまま、ソファーに横になった。
今日は色々な事がありすぎた、あの変なジュース、あの彼女に似た先生との出会い
そして、昔の夢を見た事。
今まであった日常が音を立てて崩れていった、心の中で何度も何度も、ちきしょう、なんでだ、何があったんだ。
と自分自身に問いかけていた、そんな事を考えているとまた別の感情が、心の中から湧いてきた。そう悲しみがこみ上げてきた、その悲しみを忘れるために電気を消し目を閉じた。
しかし、忘れる事はできず、悲しみと暗闇に包まれていった。
周りが完全に闇に包まれた時に、彼は目を覚ました。
自分でも気が付かないうちに寝てしまっていた、そのまま体を起こそうと体を傾けたとき、彼の体に痛みが走った。
もしかしたら、ソファーで寝てしまったせいで体を少し痛めたのかもしれなかった。その痛みに軽く顔をしかめたが、一回背伸びをしてそのまま痛みを無視しながら、ソファーから立ち上がり近くのベランダに歩き出した。
ベランダにはカーテンがしてあり、そのカーテンを開けそのまま窓のカギを外して。そのままベランダの窓を開けた、窓は少し開くとその隙間から冷たい風が吹き込んできた。その風のせいか部屋の中はすぐに冷え込んできて、彼の吐く息が白くなったきた。彼はそれでも窓を完全に開けた、そして外を見た。
外は暗く、世界そのものが闇に包まれてるかのようだった。彼はそのまま視線を上げて、空を見上げた。そこには月があった、それは暗闇の中で唯一世界を照らす光のように見えた。そしてその月は満月だった、そうあれは、今日の満月の日だった彼は再び思い出していた。




