3食目・前
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前回の解決レシピ:宝くじ一等当せんから異世界へ!? チートな魔法屋台と相棒の地竜を手に入れ、最高の隠居(?)スローライフがスタート!
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深い森を抜け、視界が開けた先に現れたのは、石造りの立派な砦だった。
街道の要所に構えられたその場所は、旅人や商人が行き交う賑やかな拠点のはずだが、今の空気はどこか重苦しい。
「ベア、今日はあそこの門前で店を出すぞ。客筋は……堅物そうだな」
地竜のベアが「フン」と鼻を鳴らし、砦の広場近くにどっしりと腰を下ろす。
俺は手慣れた動作でキッチンカーのサイドパネルを跳ね上げた。
仕込みは、森の中で手に入れたばかりの「野生のタマネギ」だ。
皮を剥き、繊維に沿って丁寧にスライスする。
それをバターでじっくり、飴色になるまで炒めていく。
焦がさないよう、弱火で根気強く。
コンサル時代、プロジェクトの「種まき」に時間をかけたのを思い出す。
何事も基礎が肝心だ。
甘く香ばしい香りが広場に漂い始めた頃、カチャカチャと重々しい鎧の音が近づいてきた。
「……おい、店主。ここは公共の広場だ。怪しげな商売はやめてもらおうか」
現れたのは、銀の甲冑に身を包んだ若き騎士だった。
背筋は真っ直ぐだが、目の下には深いクマがあり、肩には目に見えるほどの「力み」が入っている。
「怪しいものじゃない。ただの移動屋台だ。騎士様、お一ついかがかな? 今日のメニューは『心を解くオニオングラタンスープ』だ」
「フン、食欲などない。私は……職務に集中せねば慢のだ」
彼はそう言って立ち去ろうとしたが――腹の虫は正直だった。
ぐう、と高い音が響き、騎士の顔が真っ赤に染まる。
「……分析完了だ。あんた、三日はまともに寝てないし、食べてないな。今のあんたの判断力は、酔っ払いと同レベルだ。そんな状態で守れるものも守れなくなるぞ」
「貴様に何がわかる! 近隣の村で盗賊の被害が出ているというのに、私は一向に足取りを掴めず……部下たちにも合わせる顔がないのだ!」
「なるほど。問題は『盗賊の捕捉失敗』と『リーダーとしての威厳喪失』か。……よし、座れ。これは命令ではなく、プロのアドバイスだ」
俺は熱々のオニオンスープに、厚切りにした自家製パンとたっぷりのチーズをのせ、オーブンへ放り込んだ。
表面がこんがりと焼け、チーズがグツグツと踊り出す。
「さあ、食べろ。火傷するなよ」
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