表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】流星を放つ鷹【鷹の眼の射手】  作者: まっしゅ@
第四章 運命の日

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

55/200

第五二射目

 今年も後一週間で終わってしまう、冬の九十日。

 ギルドで暫定的に銀級に上がった僕は旦那様との約束【最年少銀階級到達】を達成して、残るは最速の黄金級到達になった。

 実質達成してると考えても良いんだけど、一度王都の冒険者ギルドに向かわなければならないので保留となっている。

 一応年始の挨拶でディーセス家が国王に挨拶に行く際同行する予定だが、何か試験がある場合は長期滞在になってしまうので難しいかもしれないのでその時に考えようトいう事になった。

 その結果、一時的に依頼を受けに行く必要がなくなったので、新型回復薬の製造とフラン様や不沈艦の面々の指導と特に何事も無い日々に明け暮れていた。


 まず、新型回復薬ポーションはほぼ完成と言っても良い。

 クルトが生成してくれる魔力が多く籠もった純粋な水と薬草を混ぜ合わせてクレアの火魔法使って熱する事で、通常よりも超高濃度の魔力が混ざった回復薬を造る。

 それに僕直伝の砂糖を溶かして更に水分が無くなるギリギリまで煮詰め、それを直径一リルの小さな塊に成形して固まるまで乾燥させる。

 乾燥させる為に錬金工房の周りに幾つかある石造りの倉庫を一つを片付けてそこに並べ、またもやクルトとクレアに水分を抜いてもらう。

 そうすれば完成。

 なんか二人におんぶに抱っこな気がするけど、そこは素直に甘えさせてもらっている。

 その新型回復薬を【回復錠(タブレットポーション)】と名付けた。

 今までの回復薬ポーションの様にガラス瓶に入れる必要が無くなり、小さいので魔法鞄が無くてもかなりの数を持ち歩けるので、特に長期遠征での負担は段違いだ。

 更に、口に放り込んで噛み砕けば直ぐに効果が出るので、従来のと比べて戦闘中の隙を最小限に抑える事が可能となった。

 かと言って、今までの物が必要無い訳では無く、傷口に直接掛けたり意識の無い者の口に入れる際は従来の品に軍配が上がる。

 また、砂糖を使う関係と製造の労力や人手に関してはかなり選ぶので、各種古式回復薬アンティークポーションと比べたら値段が上がる。

 とはいえ、元々一般的に販売されていた回復薬ポーションよりは安いのだが。

 商品の盗作防止の為に旦那様の許可を得てマロさんに契約をしてもらい、半場の際にはモイ商会の独占としてもらっている。まだその予定は無いけど。

 ともかくここ一ヶ月、クルトとクレアには手伝いでずっと働いてもらったので、今日から年末年始までは休みを取ってもらい、働いた対価分のお金も渡している。

 勿論、クレアから「奴隷に賃金なんて有り得ません!」と言われたけど、そこは命令として手渡した。職権乱用最高。

 回復錠タブレットポーション完成、褒美として旦那様から錬金工房とその周りの部屋、乾燥部屋含む各倉庫全般、合計すると地下四階の総面積の半分が与えられた。

 正直そんなに広さがあっても使わない部屋ばかりなんだけど・・・。

 僕のもう一つの部屋と姉弟の部屋をそれぞれ地下にも用意出来たので、便利になったのは間違いない。


 次にフラン様の指導なんだけど、そこは少々行き詰まっている。

 フラン様の加護と職種はまだ教えてもらえていないので、どう教えれば良いか分からないの現状だ。

 僕が旦那様の課題に合格したら教えてくれるらしいので、それまでは基礎をひたすら繰り返す事になっている。

 しかし、基礎を繰り返していたつもりだったんだけど、衝撃の事実が発覚した。

 僕が最初に爺ちゃんから教えられてやっていた、体内の魔力を敏感に察知して充分に練った後、必要な部分に必要な量だけ流し込む。

 なんとこのやり方は《練魔術(インクリース)》と言って、少ない魔力でも魔力濃度を細かく調節して最適化する事で、身体能力を著しく上昇させられる秘術に等しい古代魔術の一つらしい。

 爺ちゃん、十歳の子どもに何を教えているんだ。

 僕の場合五感超強化の触覚強化で、感度を上げる事で割と簡単に習得出来たけど、普通はそう簡単には覚えられないみたい。

 それもそうだ。

 魔法と違って魔術は適正がある加護や職種を持っていなくても習得可能な分、習得するのにほ文字通り一生を掛けてようやく一つか二つが精一杯な代物、この点に関しては僕が異常なのを認めよう。

 それ以外は認めない、絶対。

 よく考えたら、僕よりも見た感じ明らかに身体能力が高そうな人達に負けない力や速さが出る時点でそりゃおかしいよね。

 話は逸れたけど、フラン様にはほぼ毎日、僕がいない時には自主練をしてもらい、いずれは《練魔術インクリース》を習得してもらおうと思っている。

 実際に使える人が教えたら短い期間で出来るかもしれないし、出来なくても細かい魔力操作を覚える事で、様々な事に応用が出来るし。

 因みにクレアとクルトにも練習をしてもらっているけど、やっぱり苦戦中みたいだ。

 《練魔術インクリース》の件は僕とフラン様・クレアクルト姉弟・旦那様・ガルシア団長・ベリックさんだけで、他の人達には内緒だ。

 あまり広まるのも良くないし、特に不沈艦の方々には習得出来ないかもしれない魔術よりももっと実践的な訓練を優先してほしいらしい。


 その不沈艦の人達は二つの訓練をそれぞれで行っている。

 ざっくりと言えば、前衛後衛で分けた。

 前衛として前に出る方々には改めて身体の使い方を覚えてもらい、最小限の力で最大限の威力を出せるように。

 後衛として後方から攻撃する方々には相手の何処をどの角度から狙えば効率良く戦えるかを。

 そして共通して、僕みたいな人間が何処から狙ってくるのか、どの位の威力なのか、反撃する場合はどうするか等、僕ならではの方法を教えている。

 勿論、それを自分にどう落とし込むかはそれぞれなので強制はしないけど、団長との戦いを見ていてくれたおかげか素直に聞いてくれるので助かっている。


 そんな日常を過ごしながら、今年も終わりを告げる。



 

 この一年は激動の日々だった。

 来年どんな年になるんだろう。と心の中で笑いながら。

【訂正(2023/10/31)】

設定で春・秋は五十日、夏・冬は百日としていたのに、誤って年明けまで残り一週間を冬の四十日と表記してしまったので、訂正いたします。


冬の四十日→冬の九十日


ご迷惑をお掛けして申し訳ありません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ