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【完結】流星を放つ鷹【鷹の眼の射手】  作者: まっしゅ@
第四章 運命の日

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第五十一射目

 今回はあとがきに補足説明があります。

 トッドでの一連の事件はクランベイン様の到着で直ぐに収束した。

 昨日のやり取りの後に改めて別の団員の方に事件の顛末を詳しく説明、その後の事は全て任せてリックさんと一緒に村を出た。

 道中は特に何事も無く、のんびりと四日間かけて、四日目の昼過ぎにはアリア到着した。

 リックさんはそのまま屋敷への報告に、僕はギルドへ依頼成功を伝える為に別れる事になった。

 予定より時間がかかってしまったから、ギルドにも旦那様にも申し訳無い事をしちゃったなぁ。

 少しの罪悪感を感じながらギルドの受付へ向かうと、いつも通りリンさんが対応してくれた。


「お疲れ様でした。依頼達成の報告は既に聞いていますので、念の為ギルドカードの確認だけしますね」

「聞いてるって誰にですか?」

「モイ商会からの使いの方と騎士団の方が教えてくれましたよ。何でも第三騎士団の作戦に参加していたと……」

「あぁ、成る程。それでその報告が先に届いた訳ですね」

「そうです。流石期待の新人のユウリ君ですね!」

「あはは……。じゃあこれギルドカードです」

「はい、ありがとうございます。確認いたし……えぇっ!?」

「ん?」

「な、ななな、何この討伐数……。ユウリ君、ちょっとお待ち下さい」

「あ、はい」


 リンさんが裏に駆け込んでいってしまった。

 話を聞いてると言われたからつい知ってると思ってたけど、事件の話だけで、討伐数云々は伝わってなかったのかな。

 あ、帰ってきた。


「ユウリ君。私に付いてきて下さい」

「え?はい。分かりました」


 リンさんの有無を言わさない口調に従わざるを得ない。

 二階の一番奥、ここって大体そのギルドの支部長の部屋な筈だけど……。


「支部長、連れてきました。入ります」

「ありがとう、リン。初めまして。冒険者ギルドアリア支部支部長のカリンだ。よろしく」

「初めまして、鉄級冒険者のユウリです」

「ユウリ殿はそこに掛けてくれ。リンはこちらに」

「「はい」」


 ここの支部長さんって女性だったんだ。と、普段は会う事が無く、全く知らなかったせいで少し驚いた。


「因みに支部長は私の叔母にあたります」

「え?そうなんですか?」

「そうだ。アリア支部に所属している者は皆知っている。君は知らなかったのか?」

「僕は支部長さんが女性なのも今知りましたよ」

「中々の世間知らずだ。まぁ、良い。本題に入ろう。ギルドカードの討伐履歴、これに嘘偽りは無いかな?」

「はい、ありません。討伐証明部位もあります」

「そうか……。後で提出してもらおう。今ここで子鬼ゴブリンの耳をそんなに出されたら床が汚れて敵わないからな」


 確かにそれもそうだ。

 まして造人なんてこの部屋には入らないだろうし。


「それと、ここに書いてある魔法銀造人ミスリルゴーレムも本当か?」

「はい、六体討伐しました。それも同じく素材として持っています」

「持っている?何処にだ?」

「あ。えっと、魔法鞄に入ってます」

「何?そんな容量が入る魔道具なんて国宝級だが……」

「僕を育ててくれた爺ちゃんが元々名の知れた錬金術系統の職種持ちだったので、当たり前に使っていたのですが・・・」

「・・・そうか。そういう事にしておこう」

「ユウリ君のお祖父様は凄いんですねぇ」


 支部長さんに勘繰られてはいるけど、半分は本当の事だから仕方ない。

 知らないって事は流石に無いけどさ。


「それは置いておいて、実際にこの数の魔獣を討伐出来る実力に加え、モイ商会の会長殿、ディーセス辺境伯と不沈艦の面々、それに第三騎士団長のお墨付きを貰っている」

「え?そんなのあったんですか?」

「あぁ。それを踏まえた上で直接話した限り礼儀作法や人間性も問題ない。異例の事ではあるがユウリ殿、君は飛び級になるが黄金級に推薦しようと思う」

「はい?」


 鉄級からいきなり黄金級にってやり過ぎじゃないの?

 礼儀作法には元々の身分があるから問題ないとは思うけど、それにしても有り得ない話だ。


「ただ、いきなり鉄級から黄金級への昇級ともなれば流石に私の独断だけでは決定出来ない。だから一度王都のシンフォニア王国ギルド本部に足を運んでほしいんだが……」

「そうですね……。僕は今ディーセス家の指南役【鷹の目】の身分をいただいてるので、旦那様達の許可があれば可能だとは思うのですが……」

「そうか……。では、暫定的に銀級としよう。リン、ギルドカードの昇級処理を頼む」 

「はい、分かりました」


 リンさんは僕のギルドカードを受け取って、部屋から出ていった。

 出ていったのを見計らって、支部長さんから魔力が発せられた。

 何かの魔法を使ったんだろうか?


「今、この部屋の音は外部に一切漏れないようにした」

「中級風魔法《沈黙の間(サイレントルーム)》ですか」

「そうだ。君の事を聞きたい。アリアの支部長としてもだが、個人的に興味が湧いた。勿論、言いたくない事は言わなくても良い」


 真剣な表情でこちらを見られると、隠し事をしようと思えない、そんな気がした。

 ただ……、


「先程もお話した通り、僕はディーセス家、その中でもフランお嬢様に忠誠を誓ってます。どうしてもと言うなら、直接旦那様……辺境伯閣下もしくはフランお嬢様にお聞き下さい」

「ふっ……。ここまでしても言わないとは、その忠誠心見事だ。私の秘書をしないか?」

「今の話聞いていました?」


 この人我が道を行くタイプだ。


「気に入った人材は勧誘しないとな。もしかするとがある」

「あるかもしれませんが、僕は無いですからね」

「お待たしましたー。ってお取り込み中でした?」

「いえ。最高のタイミングですよ、リンさん」

「はぇっ?」


 何の事だろう?と首をコテンと傾げて変な声を出すリンさん。

 何でこの人が結婚していないのか不思議だ。

 そう言えば、支部長さんももしかして……。


「「ユウリ殿(君)?なんか失礼な事考えてないか(ないですか)?」」




 血の繋がりを実感させられる、勘の良さ。

 リンさんに加えてカリンさんにもこの手の話題は禁句みたいだ。

 ギルドカードを受け取った僕はそそくさと部屋を後にした。

【補足説明】

・結局ユウリが聞く事が出来なかった討伐証明と魔獣の判別について

 ギルドカードに討伐の記録は記載されるが、二重で確認する為に加えて、ギルドカードを紛失した場合の確認する方法として討伐証明の提出を義務付けられている。

 また、ギルドカードがまだない時代の確認方法が現在も残っている部分もある為、一部ではもう証明は要らないとの声も上がっている。

 魔獣の判別は姿形以外にもその個体の強さや魔力量、個体数や危険度にも左右されており、人型=魔物にすると個体数が増えすぎる為の措置となっている。


 ユウリは上記の事を聞こうとしていたが、聞けずにさっさと帰ってしまった為、その微かな疑問は忘れる事になった。


 とういう事になりました。

 内容的に差し込むのは蛇足かとおもいまして……。

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