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【完結】流星を放つ鷹【鷹の眼の射手】  作者: まっしゅ@
第四章 運命の日

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第四十八射目

 あとがきに補足説明があります。

 完全に日が昇った頃に坑道の出口に辿り着いた。

 村の方からは竈なのか炉なのか分からないが煙突から煙が上がり始めている。

 これなら道なりに資材置き場へ向かえばヌーボさんと会えるだろうけど、すれ違ったりしないよね?

 道中に岩石造人ロックゴーレムが数体いたのでついでに狩りながらのんびり進んで、無事資材置き場に到着。

 近場にいる人に声を掛ける。


「すみません、ヌーボさんは何処にいらっしゃいますか?」

「主任なら今日の採掘隊へ指示出ししてるはずだから、村側の入口近くにある広場に居ると思うよ」

「分かりました、行ってみます。ありがとうございましたー」

「おぅ。……ってあれ?あいつ今採掘場の方から歩いてきたよな?何でだ?」


 言われた通りに広場に行くと結構な人数が集まっていて、その一番前に分かりやすいスキンヘッドが視えた。

 今日の予定を説明しているらしいので、それが終わるまで鞄からのパンと水を取り出して朝食代わりに食べておく。

 そういえば昨日夕飯食べてなかったなぁ……。


「あ、終わったみたいだ。ヌーボさーん!」

「あぁ?こんな所でどうしたぁ?坑道で迷子になって帰ってきたのかぁ?」

「いえ、ある程度討伐終わったので帰ってきました」

「あぁ!?何だってぇ?有り得ねぇ」

「じゃあ証拠を出しますね。まず岩石造人ロックゴーレムを……」


 論より証拠。と指輪から一体、二体と次々に岩石造人ロックゴーレムを出していく。

 形が残ったそのままで出しているので、周りから「造人ゴーレムが襲いに来たのか!?」「に、逃げるぞ!」等混乱が広まっている。


「待て待てぇ。疑って悪かったぁ。だからここで出すのはやめてくれぇ」

「……分かりした。じゃあ信じてもらえます?」

「おぅ……。何処から出したか分からねぇし、何でそのままの形なのかも分からねぇけど討伐したのは分かったぜぇ……」


 改めて、討伐した種類と数を報告した上で、依頼書の内容と実際に居た魔獣の齟齬についても言及する。

 そう言えばなんで、小鬼ゴブリン造人ゴーレム、あとは半液体生物(スライム)って何で魔獣なんだろう?

 何かの体の一部が変化してあの形になるわけ無いし、小鬼ゴブリンは少なからず知性が有りそうなのに。

 単純に魔物の基準の強さに値しないから魔獣扱いなのかな?

 最初の説明では言われなかったから討伐証明と合わせて聞いてみよう。

 と、話と関係無い事は置いておいて、


「さて。何で依頼書に書かれてない小鬼ゴブリン、しかも大規模集落があったんですか?あの規模と集落のあった場所を考えれば知らない訳がありません。まして、主任の貴方となれば余計に」

「い、いやぁ。俺はそんな事知らねぇなぁ。部下からの報告も受けてねぇしぃ……」

「……本当に知らなかったんですね?」

「あぁ。そうだぁ」

「では()()()()には報告しなかった方々と、事実確認を怠った貴方の非を報告させていただきます。多分それ相応の罰金が課せられると思いますが悪しからず」

「リンちゃんにだけは言わないでくれよぉ。金は依頼書の額よりも多く支払うから頼むよぉ」

「そんな事してバレたら僕まで罰せられてしまうのでお断りします。幸いお金に困ってはいないので。では、このまま帰りますね」

「ま、待ってくれぇ。一日だけでもこの村に泊まっていってくれねぇかなぁ。申し訳無い事したお詫びだぁ」

「……じゃあお言葉に甘えて一泊してから帰ります」

「じゃあおすすめの宿を紹介するぜぇ。別の奴に案内させるから待っててくれぇ」


 そう言って僕が言葉を返す前に何処かに走っていった。

 そのままその場所で少しの間待っていると、ヌーボさんの代わりに案内する。と奴隷の証である首輪を付けた一人の少年が声を掛けてきた。


「兄ちゃんがヌーボ様が言ってた冒険者かい?おいらはポン。おいらが宿まで案内するよ」

「ありがとう。ポン、君は何歳なの?」

「おいらは十一歳だよ。七歳の時にヌーボ様に買われてここで働いてるんだ」

「そっか……。じゃあ案内をお願いするね」

「うん!」


 日雇いの炭鉱夫達や商人が行き来する関係上、宿屋は沢山ある。

 勿論トルネネ違って宿の質はお察しだけども。


「ここだよ。じゃあおいらは戻るね」

「あ、あと一つ良いかな?」

「何だい?おいらが分かる事なら答えるよ」

「この村にモイ商会かそれの組合の店はあるかな?」

「それなら村の入口の小綺麗な店がそうだよ」

「そう、ありがとう。はい、これ案内してくれたお駄賃だよ。ヌーボさんには内緒ね」


 案内してくれたポンに銀貨を一枚握らせる。


「こんなには貰えないよっ!?」

「気にしないで。気持ちだから」

「う、うん!ありがとう!じゃあまたねっ!」


 大きく手を振って元気に走り去っていくポンを見送って宿の中に入る。

 受付では最低限の会話で料金を支払って一旦部屋に向かい、一度部屋に入ってから一度時間をおいて、宿を出てモイ商会の支店に行く。

 懐中時計を見せたら凄く驚かれたが、すぐに対応してくれたので要件を伝えて宿に戻る。

 マロさんがまだアリアに居れば話は早いけど、居なくても迅速に動いてくれると思う。

 マロさんから貰った懐中時計様々だ。


「さて、夜まで一眠りしようかな」


 夕食も頼んでないので、明日の朝までこの部屋を訪れる人はいない。




 そう、()()()()()朝までのんびり出来る筈だ。

【補足説明】

・ユウリが使う名称について

 ユウリは魔獣を呼ぶ時や考える時に漢字表記で全部思い浮かべる事が多いですが、一般的には書面で魔獣等を表す際に使われる表現となります。

ユウリはそれを幼い頃、貴族としての教養として読み書きをしっかりと習い、実際に会うよりも先に本の知識で挿絵や字で覚えた為です。

 通常、読み書きが出来ない者や普通の冒険者は半液体生物はスライム、造人はゴーレムと呼ぶ事の方が多く、ユウリは稀な人物です。

 また、直接的に教えてくれたウィリアムや曽祖父も同じく読み書きが出来るので、そのまま違和感無く育ったのも原因です。

 それらの関係上、他の人達の会話ではスライム、ゴーレム等で表記する場合があります。


※この国に漢字、平仮名という概念は存在しませんが、説明の為にそう記しています。

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