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【完結】流星を放つ鷹【鷹の眼の射手】  作者: まっしゅ@
第四章 運命の日

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第四十七射目

 基本的に造人(ゴーレム)は岩に擬態している事が多く、鉱石と間違って採掘や造人と気付かず誤って攻撃した時、物音や声等の何かの拍子で目覚めさせられた場合、自分に危害を加える可能性があるか、もしくは危険と判断した者を執拗に攻撃する習性がある。

 ただ、元々は攻撃的ではなく、関わらなければ無害に等しいので、人里から離れていれば放置されている事も多いかむしろ他の魔獣達を討伐してくれる為、味方扱いする者もいるくらいだ。

 そんな造人だが、採掘現場や岩場に現れた場合は話が変わってくる。

 鉱石を求めて採掘している時に気付かずツルハシで叩いてしまったり、休憩しようと座った岩に擬態していたりすると突如襲われてそのまま命を落とす場合も少なくない。


「って爺ちゃん家にあった本に書いてあったけど、探そうと思って簡単に見つかるもんなのかな?」


 加護を使っても、動かないから音はしないし匂いも元々はない。

 魔力感知出来れば魔力が微弱だが宿っているので分かる筈だが、僕の眼ではそこまで魔力をはっきり視るのは難しい。

 そこら中の岩を叩いて回ろうかと考えていたら、先程とは違う音が聞こえてきた。


小鬼ゴブリンじゃない、もっと重い音だ。もしかして……」


 音のする方へ洞窟を抜けていくと、思った通り造人(ゴーレム)がいた。が……。


「どう見ても岩石造人でも鉄造人でも無いよね、あいつ」


 ここは採掘場。

 更に言えばシンフォニア王国近辺でも数少ない【魔法銀(ミスリル)】の採掘場だ。

 そして眼の前にいるのは【魔法銀造人(ミスリルゴーレム)】だ。

 大きさは大体僕の三倍程で重さなんて考えたくもない。

 それが五体程いて、魔法銀(ミスリル)の鉱床を探して食べている。

 そりゃ、造人(ゴーレム)自体が食べた鉱物で姿が変わるから魔法銀(ミスリル)があればそうなるよね。


「とにかくあれも狩るしかない」


 小鬼(ゴブリン)言い、魔法銀造人(ミスリルゴーレム)と言い、予定外の敵だらけの依頼だ。

 溜息が出るのを我慢せずに、短弓じゃ威力が足りないかもしれないので古代樹の長弓と矢を出す。

 小鬼(ゴブリン)の時は勿体なくて使わなかったけど、今は使うべきだろう。

 見つからないように壁に隠れて視ているけど、お世辞にも動きが早いとは言えず、的が大きいので外すことはまず無いかな。


「問題は核が何処にあるか分からないんだよなぁ」


 人間や動物の心臓と違い、造人(ゴーレム)の核は個体によって場所がバラバラなので見た目で見抜く事が出来ない。


「そうなると実際に一度、()()()かな」


 五感超強化の触覚を用いて造人ゴーレムに触り、その動きから何処に核があるかを判別するのが一番無難だろう。


「よし、《五感強化・臨戦グラディエイト》。そして、《多重眼マルチアイズ》」


 五体の魔法銀造人を隙無く把握する為に《臨戦グラディエイト》と《多重眼マルチアイズ》を使う。

 これ、やり過ぎると頭痛くなるから嫌いなんだけどなぁ。


「じゃあ、行きます……かっ!」


 初速から最高速で目標に近付く。

 装備のおかげか攻撃と判断それていないのか、全員触れてもまだ一体も気付かない。

 全ての核の位置は把握した。

 後は射抜けるかどうかだけ。


「古代樹を貫けるんだ。いける!……筈」


 魔法銀ミスリルなんて初めてだから分からないんだよねぇ。

 それでも淀みなく何時もの動作で集中力を高め、弓を引く。

 出来れば気付かれる前に片付けたい。

 まずは同時に三本の矢を放ち、射抜くのを確認する前に更にもう二本を残る二体へ。


「あれ?倒れない?ちゃんと核に当たった筈なのに……」


 倒れていない、けど動きもしない。

 不思議な状態の魔法銀造人ミスリルゴーレムを警戒しながら近付く。

 勿論、何が起きても良いように加護は発動したまま。

 完全に足元迄来ても一切動かないので、そのまま脚に触れる。


「もしかして、核射抜かれたから立ったまま死んでる?」 


 (ゴーレム)が元々生きてるかの倫理的な話は置いておいて、一瞬で核を貫いた結果、造人ゴーレムは動きを完全停止させたまま動かなくなるのが分かった。

 こんな状態になるとは知らなかったなぁ、良い勉強になったかも。


「仕留める時の穴以外は傷が一切無いからこのまま全部持ち帰っちゃおう」


 魔法銀造人ミスリルゴーレム五体分の魔法銀ミスリルを指輪に収めて、来た道を振り返って床に手を添える。


「触覚以外の加護全解除。全てを手に集中させれば…………いた」


 魔法銀造人ミスリルゴーレムに触れたおかげで、造人ゴーレムの魔力の波長が何となく分かった。

 そうなれば後は簡単、洞窟内にある同じ様な波長を床から感じ取ってそこへ向かい、本体に触れ、核を貫いて討伐しそのまま指輪に収納。それをただ繰り返す。

 夜に食事する為なのか、一部は動いている造人ゴーレムもいたのでそれも余すこと無く狩り尽くした。

 鉄造人アイアンゴーレム程度なら古代樹も長弓も使わず、短弓で充分なのが分かったし、動作も大体視えてきたので最低限の加護のみで片付ける事が出来た。


 懐中時計を見るともうそろそろ日が昇るみたいだ。

 今日狩った合計を数えてみると、

 各小鬼ゴブリンが三百二十四体、岩石造人ロックゴーレムが二十七体、鉄造人アイアンゴーレム十九体、ついでに見付けた【銅造人(ブロンズゴーレム)】と【銀造人(シルバーゴーレム)】が一体ずつ、そして魔法銀造人ミスリルゴーレムをもう一体見付けて六体。

 まずまずの成果じゃないかな?

 小鬼ゴブリンが余計だったけど。




 依頼達成の報告と依頼書との齟齬を問い詰める為に村に戻る。

 その途中にふと思い出した。

 討伐数ってギルドカードに記録されるんだよね?じゃあ何でわざわざ討伐証明部位が必要なんだろう?

 今度リンさんに聞いてみよ。

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