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【完結】流星を放つ鷹【鷹の眼の射手】  作者: まっしゅ@
第四章 運命の日

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第四十一射目

 マロさん自らの案内で何事も無く僕らは奴隷商会に着いた。

 まぁ、この移動距離で何かがあれば世も末だけど。


「ここだ、入るぞ」

「いらっしゃいま……会長っ!?本日はどのような要件で!?」

「友人を連れてきた。僕は良いからこの二人を丁重にもてなせ」

「は、はいっ!」

「よろしくお願いします」

「こ、こちらこそ!ワタクシモイ商会奴隷商、アリア支部の支部長をタントウしてオリマス、るるる、ルーデンスと申します」


 支部長さん、混乱し過ぎで言葉がおかしくなっちゃってる。

 やっぱりマロさんって凄い人なんだな。


「ルルルルーデンスさんって変わったお名前ですね」


 フラン様?何故そんな疑いもせずに受け入れられるのですか?


「フランお嬢様、此奴はこの支部を任せているルーデンスです。ルルルルーデンスではないですよ」

「じゃあ緊張しているんですね、大丈夫。私怖くないですよ」


 違う、そうじゃない……。


「…………マロさん、話がまた進まないので一旦お引き取りをお願いしても?」

「何を言う?僕が邪魔だとでも言いたいのか?」

「ルーデンスさんが緊張してどうしようもないじゃないですか。マロさんはモイ商会の会長。国で言えば王様なんですから、他の従業員からしたら雲の上の人なんですよ?」

「ぬぬぬ……。しょうがない。僕は執務室に戻ろう。終わったらまた寄ってくれよ?」

「絶対伺いますよ。ね?フラン」

「はい、勿論です。お世話になった方を無下に扱う事はしません」

「……今正に無下に扱われているのには目を瞑ろう。では、ルーデンス。よろしく頼むぞ」

「は、はは、はいっ!かしこまりました!誠心誠意、全身全霊を尽くして要望を叶えてみせます」

「よし、その意気だ。ではまたな、ユウリ、フランお嬢様」


 颯爽と帰ったけど、ルーデンスさんに凄まじい重圧だけ掛けていったな。

 とりあえず、立ち話も何だし。って僕が言うことじゃないけどルーデンスさんを促して応接室に通してもらった。


「先程は失礼いたしました。改めて、アリア支部支部長ルーデンスです。本日は当商会をお選びいただいて誠にありがとうございます」


 マロさんがいなければしっかりしてる人の印象を受けるな、この人。

 マロさんがいなければ!だけど。


「はじめまして、私はディーセス辺境伯家次女、フラン=ディーセスと申します」

「僕はディーセス辺境伯家で【鷹の目】の称号をいただいております、ユウリです」

「ご丁寧にありがとうございます。早速、本題ですが本日は奴隷の購入でよろしいでしょうか?」

「それも目的の一つなのですが、僕元々他国の出身なので、まずこの国の奴隷の制度を詳しく教えていただく事は可能ですか?」

「勿論でございます。まず最初に……」


 ルーデンスさんはこの国の奴隷制度を詳しく教えてくれた。

 以前クウネルの件でマロさんにと、今朝ベリックさんに少し聞いたのだが、この国の奴隷の扱いは他国と比べてかなり厳しいらしい。

 厳しいと言っても、奴隷への扱いでは無く、奴隷の主人への扱いだ。

 まず奴隷を買うものは事前に

 ・身分の証明が出来、身分がはっきりとしている者

 ・奴隷に対してしっかりと衣食住を提供出来るか

 等の厳しい条件があるらしい。

 また、契約条件と実際の扱いの齟齬が無いかの検査も抜き打ちで行われ、違反していた場合には奴隷の所有権剥奪及び罰金、場合によっては刑罰が課せられる。

 つまりは奴隷の身分でも人としての扱いを受けているかどうか、契約違反していないかをしっかりと精査するみたいだ。

 聞いてはいたが、改めて説明してもらい僕は安心した。


 そして、奴隷の種類にも違いがある。

 一般的には


 ・自分や家族の借金を返す事が出来ず、自分の身を担保にしてなる【借金奴隷】。


 ・犯罪を犯し、極刑は免れたものの奴隷として強制労働や戦争等に駆り出される【犯罪奴隷】。


 の二種類の奴隷に加えて、シンフォニア王国では、


 ・戦争時の捕虜で引取が無い場合や何かしらの理由がありわざと奴隷になる道を選ぶ【特殊奴隷】。


 がいる。 

 また、金銭目的の為に無理矢理奴隷にされた販売も購入も禁止されている【違法奴隷】も少なからず存在している。

 シンフォニア王国では違法奴隷を取り扱った商人及び商会には罰金、もしくは自分が奴隷落ちさせられる法律が存在する。


「以上が、簡単ではありますがこの国の奴隷制度の説明となります。他国からいらした方々はこの国の奴隷制度は合わない方もいらっしゃるので、契約お断りする場合もありますが……ユウリ様は問題ないと思われます」

「理由を聞いても?」

「モイ会長が信用されているのもありますが、一番は私自身の勘です。数多くの奴隷がお客様に引き取られていくのを見送りました。その経験からというのもありますかね」

「色んな人に信用していただけるのは嬉しいですけど、なんか怖いですね。なんか変な物買わされそうです」

「ユウリ様の人柄はそれだけ素敵ってことですよ」

「そうだよ、ユウリ」

「ありがとう、二人共」


 この信用は裏切らないようにしなきゃ。


「それでは購入はともかく、実際にご覧いただくのがよろしいでしょう。希望はございますか?」


 とうとうこの時が来た。

 実際に奴隷と対面する時だ。



 加護を使わずとも自分が緊張するのが分かった。

 シンフォニア王国では奴隷の購入と現代の養子縁組はほぼ同じ扱いと考えるのが近そうですね。

 軽く調べただけなので、一概に一緒とは言えないですが。

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