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【完結】流星を放つ鷹【鷹の眼の射手】  作者: まっしゅ@
第三章 出会いと激変

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第二十五射目

 不沈艦は【イージス】ても【ふちんかん】でもお好きな方でお読みいただいて構いません。

 ルビ振りが面倒とかそ、そんな訳じゃないんだからねっ!

 〜ロビン&リックside【ロビン視点】〜




「ふむ。やはり不沈艦といえど、一般兵となればこんなものですか」


 クウネルは傷どころか汚れ一つなく、返り血すら浴びていない。

 一方、私達は、


「リック、大丈夫か?」

「右腕はもう動かないし、全身血だらけなの以外は大丈夫ですよ」

「ふっ。私も同じ様なものだ。だったらまだいける……なっ!」


 リックは最初に斬られた右腕がはもう力が入らず、自分自身も左脚に深い刺し傷があり、気力のみで立っている状況だ。

 それでも諦めずクウネルとの距離を詰め、剣を振るう。


「無駄です」

「ぐわぁっ!?」

「先輩っ!」


  またもや剣は空を切り、目の前にいた筈のクウネルに後ろからの蹴りを浴びる。


「そろそろ私の部下はディーセス領を出た頃ですかね。時間稼ぎはもう良いでしょう。そろそろ……、死になさい」


 やはりか……。

 先程から感じていたがクウネルは私達を殺そうとはしていなかった。

 しかし、これでこいつの自白は取れた。

 私が死んでもリックだけは生かして帰せば……。


「そうそう、こちらは頂いておきますね。これからの仕事がやりにくくなるもので」

「くっ……、貴様っ!」

「バレてないとでも思いましたか?」


 何かあった時用に予めリックに渡していた音声記録用の魔導具を、クウネルはこちらに見せるように掲げて……砕いた。

 証拠になるものが無くなって、今度こそ万事休すか……。


「先輩、こうなったら俺の・・・」

「いや駄目だ。あれを使えばお前の身体が持たない」

「でも!」

「私が時間を稼ぐ。お前はここから逃げるんだ」

「命令……ですか?」

「いや、これはお願いだ」

「……こういう時ばっかり。狡いですよ」

「すまんな」


 リックを逃がして、こいつを捕らえるための応援を呼ぶか、もしくはお嬢様を連れて早くアリアに向かってもらう。

 そうすれば少なくともお嬢様の身の危険は去るだろう。


「相談は終わりましたか?そろそろ……殺りますよっ」

「舐めるなっ!」


 無駄だと分っていても、動かない脚を無理矢理動かしクウネルに向かって

 駆ける。


 刹那顔のすぐ横を何かが通り抜けた。

 クウネルは即座に回避すると同時に、先程までと違って感情を露わにして叫ぶ。


「誰だっ!?」

「こんにちは。いや、まだギリギリおはようございます。かな?」

「お前は……」


 戦いの最中なのを忘れて私もリックも振り返る。

 そこに居たのは見覚えの黒髪の少年。


「「ユウリ!?」」




【ユウリ視点に戻ります】




 ギリギリ間に合った。

 ロビンさんの心音が明らかに死にに行く感じだったから、慌てて弓を射ったけど避けられた。

 何気に爺ちゃん以外にも避けられたの始めてかもしれない。

 ヤバい、ちょっとワクワクしてきた。

 っと、その前に。


「ロビンさん、リックさん。とりあえずこれ飲んでください」

「すまない」

「助かったよ」


 ユウリ印の回復薬を手渡すと、二人は一気に呷った。


「うわぁ……。これ、引くくらい効果あるよ」

「怖いくらいだな」

「特に副作用はありませんよ?……おっと、危ない」


 二人と話していて目を離していたクウネルが僕に向かって短刀で斬り掛かってきた。


「くっ……。完璧に死角を付いたのに何故避けられる!?」

「死角?僕にはそんなもの無いですよ?ちゃんと()()ましたから」

「貴様も英雄級の職種か!」

「いえ、ただの弓使いです」

「なっ!?」


 後ろから来ているのが分かったソーラさんが驚いていた。

 いや、普通敵が驚く場面なのに味方が驚いてどうするの。


「あ、あれが下級職……?」

「まぁ、その辺も含めて後で話しますので」

「お前ら生きてこの場から帰られると思っているのかぁ!!」

「はい、帰りますよっと。」


 相手の攻撃を避けて、短弓から三連射するもまた避けられる。


「弓職種であるなら近付けば何も出来ないだろう」

「本当にそう思ってるんですか?」

「なぁっ!?」


 鮮血が舞う。

 振るわれた短刀は僕を傷付ける事はなく、その返しで持っている短弓の弦を使ってクウネルの肘から先を斬り飛ばした。



「誤解があるようなので、言っておきます。弓使いは矢を射るだけではありません。弓を巧みに扱う事の出来る職種です」

「そうなのか!?」


 いや、だからソーラさん?


「ぐ……。まさか下級職にここまでやられるとは……。だか、加護を封じているのにも関わらず何故私の攻撃を避けられる!?」

「あぁ、魔封じの魔導具ですか。それ、僕には効果無いですよ?」

「えぇ!?」


 だからソー……もう良いや。


「有り得ない。有り得ない有り得ない有り得ない!」

「実際に有り得るからこうして僕は貴男を倒せるっ」

「かはっ……」


 今度は僕から近付き、先程と同じ斬撃を繰り出す振りをして回避を誘い、逃げた所に矢を放つ。

 今度の矢はクウネルの肩と脚のつけ根部分に深々刺さり、動きが鈍ったところで壁に蹴り飛ばして更に矢を飛ばして壁に縫い付けた。


「これでもう動けませんね。貴男の負けです」

「そう・・・だな。この戦いは私の負けだ。だが、暗殺王の矜持は捨てる事は出来んっ!」

「しまっ……」

「さらばだっ!」


 ガリっと聞こえた咀嚼音と共にクウネルの心臓の音が消えた。

 どうやら口の中に毒を仕込んでいたらしい。

 流石暗殺王、見事に隠し通された。


「すみません、皆さん。犯人を捕えるのに失敗してしまいました」

「こちらこそ、何から何まで全てやらせてしまって……、すまない」

「ユウリ、助かったよー。正直もう駄目かと思ってたし」

「恩に着る」

「大層なことはしていませんよ。とりあえず、上に上がって後は衛兵の方々に任せて僕らは休みましょう。怪我は治りましたけど、血は戻らないですから。それに僕はお腹が減りました」

「ふっ。何だそれは。途端に十五歳に戻ったな」

「戻るも何も変わらず十五歳なんですけど」


 色々と問題点も残ってしまったが、とりあえず今回のフラン様誘拐事件は幕を閉じた。




 この騒動はまだ始まりに過ぎないとも知らない僕は本日の朝食を楽しみにしながら地下室を後にした。

 最初のなんとなくのキャラ設定だと

ソーラ→真面目な苦労人

ロビン→寡黙な堅物

リック→優しいお兄さん

だったのがいつの間にか

ソーラ→苦労人はそのままリアクション担当兼世間知らず

ロビン→堅物に見えてコミュ症のドジっ子

リック→お調子者だけど割と常識人

ってポジションになってきました。


 よく登場人物が勝手に成長すると言いますが、その通りなんですね。

 これを成長と呼ぶかは別として。

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