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【完結】流星を放つ鷹【鷹の眼の射手】  作者: まっしゅ@
第三章 出会いと激変

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第二十ニ射目

「コホンッ。では改めて、ユウリに話を聞いてもらおう」


 やっと立ち直ったドジっ子二人と笑い転げていたゲラの人。


「説明するにあたって、まず我々の自己紹介をしておこう。お嬢様」

「はい。改めてまして、ユウリ様。私はシンフォニア王国東部、ディーセス領を統治しております、ノイ=ディーセス辺境伯の次女フラン=ディーセスでございます」


 スッと立ち上がり、最初に出会った時と同じ様に可憐なカテーシーを見せてくれた。


「そして私はディーセス辺境伯の騎士団【不沈艦イージス】」第三部隊副隊長のソーラ=カガミ。この二人は私の部下、ロビン=スピソンとリックだ」

「よろしく」

「改めてよろしくね」


 貴族のご令嬢とは分かっていたけど、まさか辺境伯家だったとは・・・

 そしてまたまた予想通り、


「ソーラさんとロビンさんも貴族だったんですね」

「あぁ。私はカガミ子爵家長女、ロビンはスピソン男爵家三男だ」

「で、リックさんは平民出身。と」

「そうそう、うちの騎士団平民も結構いるんだよ」


 辺境伯程の方が平民を採用する辺り、不沈艦は実力主義なのか人が足りないのかってところかな?


「そして今回、フラン様は学園の御学友でもあるシンフォニア王国第二王女、継承権第三位ルナマリア=フォン=シンフォニア様に会いに行く為に王都へ向かった帰りというわけだ」

「何故お忍びで?」

「それは言えないんだよ。国単位の話だからね」


 いや、リックさん。ほぼそれ言ったも同然・・・。

 多分、王位継承権についての話だろう。

 ルナマリア王女に就く、もしくはルナマリア王女が就いている第一か第二継承権の方を支援するという話。

 もし、会っていたのがバレても、学友に会いに行った。それを大事にしたくなかった。で押し通すつもりだったんだろう。

 だから、割とバレても問題ない形としていた。ていうのが辺境伯の考えかな?

 護衛の人はバレないと思ってた辺りはどうかと思うけど。


「とりあえず、納得しました。それで、僕はこれからどうすれば?」

「今話した事は内密に。誰かに他言した場合は、それ相応の罰を受けてもらう。それと予定通り、カノンまでの道中の見張り役として同行をお願いしたい」

「閣下にはどうお話されるんですか?」

「お館様には私からお伝えするので安心してほしい。護衛を引き受けてくれた者を蔑ろにしたりはしないだろう」

「分かりました。道中の見張りはお任せ下さい」

「待て待て。まだ報酬の話をしていないぞ?聞かないのか?」

「報酬目的ではないですし、そもそも右も左も分からない土地で案内していただけるだけでも有り難い話ですから」

「欲が無いねぇ。損するよ?」

「知らない土地で皆さんに優しくしてもらっただけで、充分お釣りがきますよ」

「しかし、褒美も何も無しとなれば、辺境伯家の名誉に傷が付く。何かしらの報酬は受け取ってもらう」

「その辺りはお任せします。既に入場料を払っていただいてるし、そもそも僕は吹聴したりはしませんよ」

「ふっ。本当に無欲なのだな」


 こうして、カノンまでのを道中を同行することが決まった。

 元々何となく理由は分かっていたので、聞いて今更辞めますとは思わないし、せっかく旅をするなら人と話してたほうが楽しいしね。


「ところで、ここは何時出発するんですか?予定より遅れているんですよね?」

「トラブルにより予定が遅れていることは既に早馬で手紙を出している。元々急ぐ旅ではないから、現状とお嬢様の無事を伝えれば日程は特に問題ない。なので、明日は食料や物資の補充に回そうと思っている」

「では明日僕は何をすれば?買い出しの手伝いですか?」

「いや、買い出しに関してはロビンとリックに行ってもらう」

「俺が基本的に調理全般やってるし、平民だから相場の変動を見る役目も兼ねてるって訳だよ」

「私はただの荷物持ちだ」


 確かに、この中では唯一平民のリックさんが一番適任かな。

 貴族になるとどうしても生活用品の相場はあまり気にしないだろうし、味の良し悪しは分っても食材の目利きは経験と知識も必要だ。


「でしたら、ユウリ様は明日私と街を見て回りませんか!?」

「え?僕とですか?」

「はいっ!この目で我が領地を見て回りたいですし、案内も出来ます」

「でも、危ないのでは?」 

「それに関しては私も同行するので問題ない」

「え〜。ユウリ様と二人で街を歩きたかったのに〜……」

「成人したての交際前の男女が二人っきりで街を歩くなんて言語道断です。まして貴族と平み……」

「ロビン。それ以上はディーセス辺境伯家としていた看過出来ません。お父様が掲げる理想に泥を塗る気ですか?私も悪ふざけが過ぎた事を謝罪いたします。が、貴男が本気でそう思うのであれば容赦は出来ません」


 先程までの年相応の女の子の空気から一変。

 辺境伯家のご令嬢として、毅然とした態度でロビンさんを窘める。

 ロビンさんはハッとした表情で慌てて片膝を付き、頭を深々と下げる。


「礼を失した発言お許し下さい、お嬢様」

「謝るのは私にではありませんよ」

「ユウリ、無礼な事を言ってすまない」


 フラン様に言われ立ち上がるも、またも深々と頭を下げて僕に謝罪をする。


「いえ、ロビンさんの言っている事は間違っていないと思います。閣下がどうお考えなのかは別として、僕は気にしてないですよ」

「恩情、感謝する」

「だからフラン様もそんなに怒らないで下さい」

「はい……。お見苦しいところをお見せして申し訳ございません」

「そんな事ありません。毅然もした態度で部下を注意するフラン様はとても素敵でした。僕としては普段の可愛いフラン様が好きですが」

「か、可愛い……?そ、それにすすす、好きって……。わ、わわ私は、まだ、そんな…………」

「お嬢様!?落ち付いて下さい!ユウリ君!君というやつはー!」


 何気なしに発した僕の発言で場は混沌を極めた。

 フラン様は暴走しているし、ソーラさんはフラン様を落ち着かせながら僕を怒り、リックさんは「ユウリってモテるだろー」と僕を誂い、ロビンさんは諌めるのを諦めて部屋に帰ろうとしている。




 いや、発言には気をつけなきゃなー。

 明日はどうなることやら。

全然戦闘シーンに辿り着かない・・・

せめて、せめて次の次には・・・

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