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【完結】流星を放つ鷹【鷹の眼の射手】  作者: まっしゅ@
第三章 出会いと激変

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第二十一射目

「ここが、今日と明日宿泊する宿だ」

「うわぁ……。大きいなぁ…………」


 宿というよりはもう貴族の屋敷みたいな場所だ。

 ていうかこの人達、貴族とその護衛って隠す気ないよね。

 でも、お忍びとはいえ貴族のご令嬢なら護衛の為にはしょうがないんだろうな。

 昔は出歩く為にも護衛が必要だったし。


「さぁ、こっちだ」

「あ、はい」


 立派な門をくぐり、玄関まで歩くが遠いなぁ。

 お、扉を開けてくれる人までいるよ。


「お待ちしておりました。ロビン様とユウリ様。あちらでお連れ様がお待ちです」

「わざわざすまない」

「やっぱり僕も呼ばれていたのですね」

「はい、勿論です」

「ほら、当たっていただろう」


 ロビンさん、そんなドヤ顔されても……。


「こちらで皆様がお待ちです」

「ありがとう」

「ありがとうございます」

「ではこれで」


 案内してくれた人は一礼して去っていった。

 扉に軽くノックをすると返事が帰ってきたので、僕らは扉を開ける。


「失礼します。お待たせいたしました。ユウリのギルドカード作成は無事終了しました」

「ロビン、お疲れ様でした。ユウリ様に付き合ってもらってありがとう」

「いえ。ご命令とあらば、風呂もトイレも付いていく所存です」

「お風呂はまだしもトイレは勘弁してください」


 皆の一笑いが取れたところで話題を移す。


「フラン様、ソーラさん。僕もこの宿と聞いたのですが、本当なんですか?」

「そうですよ。ユウリ様は旅の仲間ですから、同じ宿でないと何かと不便でしょう?」

「……と、お嬢様に押し切られたので事実だ。」

「ソーラさん、お疲れ様です」

「ある意味元凶である君に労ってもらうのは複雑なのだが、ありがとう」

「なんかトゲが凄いんですけど」

「しょうがないよ、ユウリ」

「なんか釈然としない」

「ユウリ様って面白いんですね〜♪」

「それ本当に褒めてますっ!?」


 また一笑起こった後に係の人が入ってきて部屋に案内された。

 急遽だったので男部屋のソファで寝ることになったが、野営と比べれば全然良いし、高級宿のソファは普通のベッドより遥かに気持ち良い。


「楽しんでいるところ悪いけど、もうすぐフラン様達がこっちに来るからね」

「え?何でですか?」

「同行してもらうにあたり、注意点や守って欲しい事があるからな」


 ロビンさんの言葉が終わるのと同時に扉がノックされた。


「失礼する」

「皆さん、そのままで大丈夫ですよ。堅苦しい話ではないですから」

「お嬢様、かなり大事な話なのですが」

「え?そうなの?」

「……はい」


 フラン様って良くも悪くも純粋過ぎて、周りを振り回すタイプなのかな?

 ソーラさんが苦労人に見えてきた。いや、苦労人だろう。


「さて、早速本題に移る。ユウリ君、カノンへ向かうにあたってこれから言う事を必ず守ってほしい」

「フラン様が貴族のご令嬢という事とソーラさん達がその護衛、今回はお忍び旅って事ですか?」

「……………………リック?」

「いやいやいやいや、俺何も話してないですよ?」

「……まさかロビンか?」

「私も剣に誓って話しておりません」


 皆めちゃくちゃ驚いてるけど……あれ?

 え?そんなに隠してるつもりだったの?あれで?

 そしてすぐにリックさんが疑われるのは日頃の行いか。


「やっぱりユウリ様は聡明な方なんですね!流石です!」

「いやー……。普通お嬢様と言ったり、こんな高級宿に泊まったり、命に変えても守るとか言ってたらそりゃあ・・・ねぇ?」


 ソーラさんとロビンさんが目を丸くする。

 そして横ではフラン様がキラキラして目でこちらを見ており、リックさんはお腹を抱えて笑っている。


「あー、腹痛てぇ。副隊長、だから最初に言ったじゃないですか。言葉遣いや服装変えて、宿も普通の宿にしないとって」

「だがお嬢様をお守りするのが我々の使命だ!そんなで危険な事をする訳には…………」


 あれ?突如リックさんが一番まともに見えてきたぞ?

 いや、それは有り得ない。


「ユウリ、今俺に対して凄く失礼な事を考えなかった?」

「そんなまさか。リックさんがまともなんて有り得ないって思っただけですから?」

「それが失礼って思わないところが失礼だよ?」


 軽口を叩き合ってる横で、僕の中でドジっ子認定された二人が頭を抱えている。


「・・・因みにユウリ君。いつから気付いていた?」

「え?最初に出会った時からですけど?」

「そうかぁ……最初からかぁ………」


 ロビンさんはずっと無言のまま立ち尽くしていた。

 そんなに絶望的な話ししたっけ?


「単刀直入に聞こう。ユウリ君、これからはどうしたら良いと思う?」

「え?ボクに聞きます?それにまだ何も聞いてないから何とも言えないですし……」

「あ……」

「ソーラさん、しっかりして下さい」

「息が……。も、持たない……。もう駄目……」

「リックさんは笑い過ぎです」


 ロビンさんは相変わらず立っているだけだし。

 駄目だ、この人達、話が全然進まない。

 こうなったら唯一会話が出来そうな人物に目を向けると、キョトンとした顔で、首を横に傾げる。

 いや、凄く可愛いんだけど、貴女も当事者ですからね?フラン様。




 これ、今夜中に話がまとまるのか?と心配になる僕だった。

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