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第三十三話 旅の道中

 第三十三話更新しました!


 なんか最近零に自分を重ねていきたいとかいう厨二病的欲求が出てきました。

 やばいです、助けてください。


 それでは第三十三話、どうぞ!

 この森の中の道に入ってから一体何度目だろうか…

 俺達の運のなさには呆れるしかない。


「へっへっへ…金目のものは置いていけ。後馬車に乗ってる女もな。そうすりゃ命だけは助けてやる」


 そしてもうお馴染みの聞き飽きたセリフ。

 最初の頃は初めての経験で少しワクワクしていた自分がいたがもう五回は最低でも襲われてるのでイラついてる。


「…なあ、通してくれないか?」


「何言ってやがる。金目のものと女を置いていけって言ってんだよ!早くしねえとお前を殺してしまうぞ?」


 そして、この会話を聞くと盗賊が狙っている女達がいきなり噴火する。


「誰を…誰を殺すですってぇーーーーーー!!!!!」


「私の…私の勇者様を…殺すなんて許しません!!!!!」


 そうして俺が何をするでもなく盗賊達は二人に討伐されていく。

 一人は剣で盗賊相手に無双し、一人は魔法を駆使してもう一人の援護をしたり盗賊を倒している。


「はあ…こんなんじゃ早々に日が暮れてしまうぞ…」


 盗賊が無残にも散っていく姿を一瞥しながら俺は空を仰いだ。


 拝啓、地球にいる両親へ。

 俺は今、盗賊に襲われています。

 でも何も心配はいりません。

 だって、女の子二人が怖すぎるんだもの…

 鬼の形相で盗賊達をなぎ倒していくのは見てて逆に盗賊がかわいそうになります。

 最後になりましたが俺は元気にやってるのであなた方も元気にやっててください…


 現実逃避をするほど精神が疲労していた俺だった。


 ---------------------------------------


「もう!なんなのよあいつら!何度倒してもまた新しいの出てくるし!」


「そうです!これじゃあラインにいつまで経っても着くことなんて出来るはずがありません!」


「…それより何でこんなに盗賊が多いんだろうか?」


 流石にこの盗賊との遭遇率はおかしい。

 これじゃあこの辺を通る商人なんか襲われて一溜りもないはずだ。


「…そういえば噂で聞いたんだけど近々名のある盗賊達がどこかに集合してとてつもないことを起こすかもしれないって聞いた気がするわね」


「…いつの情報?」


「王都に来る直前にギルドで聞いた話だから…最近ね」


「…これって、もしかしなくともそういう事ですよね?」


「集合場所…この辺なんだろうな…」


「「「…」」」


 俺達のあいだで沈黙が流れる


「アイリス、ラインまであとどれくらいかわかるか?」


「そうね…この馬の脚だと後…半日ってとこかしら」


「てことは野営してるうちにでも襲われないようにしないとな」


「盗賊達を捕まえには行かないの?」


「この人数で行くほど俺も馬鹿じゃないさ。二人を危険に晒さないってのは俺の旅のポリシーなんでね」


「ま、名のある盗賊が集まってるっていうならこんなに襲っては来ないでしょうしね」


「え?どうしてですか?」


「そりゃあこの辺りで集まっていることがバレてしまうからじゃないか?」


「その通りよ。確かにこの辺りを集合にしてる可能性は高いけどそれと同時にこの辺りをカモフラージュとして使っている可能性も高いわ」


「とは言ってもラインに着いたらギルドに報告はしておかなきゃな」


「そうね。本命の場所かどうかはわからないけど調べる価値はあるわ」


「なら尚更急がないといけませんね!」


「ただでさえ盗賊の襲撃が多くて遅れているんだ。少し飛ばすぞ!」


 馬を叩いて拍車をかける。

 それに応えるように馬が高らかに鳴いて勢いよく走り出す。


「日が暮れるまでにこの辺りを抜けたい!頑張ってくれ!」


 結果、流石に森を抜けるまでには至らなかったがほぼ森の終点まで行くことが出来た。

 流石にもう盗賊は襲ってこなかった。

 テントを張り、焚き火を起こして魔法袋から食材を色々取り出して調理する。

 今日は簡単なスープとパンが夜ご飯となる。


「夜は俺が見張ってるから二人とも寝ておいてくれ」


「私も見張りやるわよ?」


「わ、私もやれます!」


「アイリーンはダメだ。今までこういったことに慣れてないんだし、盗賊がいるかもしれない状況でアイリーンを見張らせるわけにはいかない」


「うー…わかりました…大人しく寝ます…でも慣れてる慣れてないという話なら零様も慣れてませんよね!」


「確かにそうね。なら私はこういうのは慣れてるし交代で見張らない?」


 なんかアイリーンの目線が痛い。

 流石にこれを断るとアイリーンに怒られそうだ。


「アイリスにも寝ておいて欲しいが…わかった。じゃあ俺が先に見張ってるから交代で起こしに行くまで寝ておいてくれ」


 と言いつつも俺は起こすつもりは無い。

 俺は地球いた頃から徹夜なんて慣れっこなので平気なのだ。

 こんなふうに盗賊の脅威に晒されながらの徹夜は初めてだが。


「それじゃあ二人だし二時間毎に交代でどう?」


「うーん…二時間ずつ寝るってのは逆にきつくないか?多分完全に半分に割って交代した方がいい気がする」


「それじゃあ今十一時だから七時に起きるとして…四時間で交代ね」


「それでいい。それじゃあ片付けとか俺がやっておくから先に寝てくれ」


「それじゃあお言葉に甘えて、おやすみ」


「零様、おやすみなさい」


「ああ、二人ともおやすみ」


 二人が寝静まった頃、俺は片付けを終えて焚き火の前で見張りをしていた。

 空を見上げると地球にいた頃には見たことがないほど綺麗な星々の輝きがそこにあった。


「…綺麗だな。向こうにいた頃には辺りが明かりで満たされてたし空気も悪かったからあんまり見れないことの方が多かったんだよな…」


 星というのは辺りに光があったり空気が悪いと見にくくなるのだ。


「周りは静かで星は綺麗。こんな光景地球じゃ滅多に見られないだろうしここにきて良かったことがまた一つ増えたな」


 結局、盗賊の襲撃も魔物の襲撃もなく静かな夜が過ぎていった。


 ---------------------------------------


「ねえ…アイリーン」


「はい、何でしょうか?」


「あなたは零のどんなところが好きなの?」


「えっ!?」


「しー!零に聞こえるでしょ。もっと静かに話しましょう」


「そ、そうですね。えーと…零様の好きなところ、でしたっけ?」


「ええ。そろそろ二人のガールズトーク、なんてものもいいかな、と思ってね。この機会だし零も私達がもう寝てると思ってるだろうからゆっくり話し合いましょ」


「そうですね。私が零様を好きになった理由は…ありきたりですが優しかったから、です」


「どんなところが?」


「私と零様が初めて会った時のことは話しましたよね?その時に私がまたお話しましょうと誘った時に何のためらいもなく承諾してくださったんです。それからお話をしていくうちにいつの間にか零様のことを意識するようになって…」


「なるほどね。私はね…零に助けられた時、かな?」


「助けられた?」


「そうなの。ベヒモスと戦った時、私の渾身の一撃でも倒れなくて、もう動けなくなっちゃっててね。もうダメだ!って思った時に零がいきなり私を抱えて安全な場所に移してこう言ったの。『もう大丈夫だ。安心しろ。お前のことは俺が守る』ってね。この状況でそんなこと言われたら惚れるに決まってるじゃない…」


「…私もそんなこと言われてみたいです…」


「いつも言われてるじゃない。二人を危険に晒したくないって。きっと零にとって私達は守るべき存在なんでしょうね」


「守られるだけじゃ嫌です…私も零様の助けになってあげたいです」


「そうね…私もそう思う。だからもっと私達も強くならなきゃね」


「はい…!」


 そうしてガールズ達のトークは寝落ちするまで続いた。


 零達の夜はそうして更けていった。

 ここまで読んで下さり、ありがとうございました!


 後書きとかってあんまり書かなくてもよさげなんですかね?

 なんかいつも書くことを何とかして探し出して書いてるんですが別にそんなに書いてる作品もあまり見かけないしいいのかな?


 とか言いつつ結構いつの間にか書いてしまっていた私です。


 感想、評価、ブクマ等していただけると嬉しいです!


 ミス、アドバイス等も教えていただけるとありがたいです!


 それではまた次回お会いしましょう!

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