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第十八話 アイリスとのケジメ

 第十八話更新しました!


 ちょっと早めに更新した分、最近3000文字をオーバーしてましたが今回はちょっと少なめです。


 ですが、楽しんでいただけるよう精一杯で書かせてもらいましたので楽しんでいただければ幸いです!


 では、第十八話、どうぞ!

 アイリスが武器を貰いに行くあいだ、俺は訓練場にて武器の使い心地を確かめていた。


「ふむ…この刀のおかげで、大分魔力による刀の形成が楽になったか」


 貰った刀は刀身が半分しかなかったので今まで通り魔力による刀の形成を試みていたが刀の元があるおかげか、集中力をそれほど維持しなくとも刀の形を保っていられるようになった。


「それにこの夫婦双剣とも言うべきだろうこの二振り…魔力を流すと闇と光の属性を纏って攻撃できるようになるのか」


 黒と白の舞踏(ヴァイスシュヴァルツ)の元の持ち主である英雄フィオネルはまだ憑依させたことがないのでこの双剣の本来の使い方はいまいちよく分かっていないがこれだけでも充分戦える。


「貰ったこの二つの武器…大事にしないとな。これから共に戦っていくんだ。よろしく頼むよ、相棒達」


 “任せろ”


 実際には聞こえていないが何となく、武器が答えてくれた気がした。


「さあ、そろそろアイリスも武器を選び終えた頃かな?」


 俺は訓練場を後にし、アイリスを探し出す。

 アイリスとはきちんと話しておかないといけない。

 俺のこれから、そして俺達のこれからを。


「おーい!れーーーい!」


「ん?おおっ、アイリスか。いい武器を貰えたようだな」


「そうだね!私はこの魔剣グラムズを貰ったよ」


 そう言って見せてきた剣は禍々しいオーラを放ちつつもどこか力をアイリスに与え続けているようなそんな感じがしていた。


「どう?いい剣でしょ?」


「剣に関して素人な俺でも何となくだが凄いのは分かるくらいには凄いな」


「でしょでしょ?」


「ああ」


「「…」」


 二人のあいだに沈黙が流れる。


「「あ、あのさ!」」


「えっ、あ、その、先にどうぞ?」


「い、いや、俺の方こそ先にどうぞ」


「いやいや、零の方が言いたいことある顔してるし、先にどうぞ?」


「いやいやアイリスの方こそ」


「「…」」


「「ぷっ、アハハハハ!!!」」


「あー、もう!考えてたのがアホらしくなっちゃうじゃない!」


「俺もそう思ってたところだ」


「ねえ、零。あっちで話さない?」


「ああ、そうだな」


 アイリスが指さしたのは花畑になっている中庭だった。

 俺達はそこに行き、色々咲いている花を見ていた。

 そんな時、アイリスが立ち止まってしゃがみこむ。


「零。さっきはごめんね?」


「何がだ?」


「零が私のだー!なんて言っちゃって」


「ああ、そんなことか。全然気にしてないさ」


「私ね、あの時なんであんなこと言ったのか実はまだちょっとよく分かってなくてさ」


 花を愛でながらアイリスは恥ずかしそうに頬をかく。


「でもあの時思ってたことは鮮明に覚えてる。王女様に零を取られたくない!零の強さのことを知ってるのは私の方だ!ってね」


「…」


「だからさ、私が零について行くことが邪魔なら遠慮なく言ってね?王女様との恋を邪魔したくなんかないしさ」


「なあ、アイリス」


「私は大丈夫だよ?なんたってAランクの冒険者で、Sランクになる試験を受けれるくらい強いんだから!」


「アイリス!」


「な、なによ、零。そんな大声で私のこと呼ばなくったって…」


「…お前、気づいてるか?」


「…何が?」


「お前、泣いてるんだぞ?」


「えっ…うそ、なん、で…」


 やはり、自分でも気づかないうちに泣いていたらしい。

 俺のことでアイリスはいっぱいいっぱいになっていたのだろう。

 俺はそんなアイリスを邪魔などとは思わなく、むしろ愛おしさまで感じているのだった。


「…俺はお前のことを邪魔などとは思わない。むしろついてきて欲しいとすら思っている」


「や、やめ、て…今、そんなこと、言わない、で…」


「いいや、言わせてもらう。俺はお前が欲しい。お前の強さも、弱さも、全部欲しい。お前が嫌と言っても聞いてやらん。俺は無理矢理にでも連れて行く」


「だって、王女様との、婚約が…」


「それがどうした?確かにアイリーン王女だって俺の大切な存在だ。だけどもアイリス。お前も数日間しか過ごせていないが俺の中では大切な存在であることには変わりない。だからアイリス、一緒に来てくれないか?」


「…嫌って言っても連れていくんでしょ?なら、ついて行きたい。零と離れ離れになるのは嫌。私のこと、助けてくれるって言った。私の責任も取ってよね!」


「そ、そこまでとは考えていなかったが…了解した。王女様共々大事にするよ」


「…うん!」


 まるで枯れていた花がたちまち元気になるような、そんな満面の笑みでアイリスは笑ったのだった。


「さあ、この王都を出発する準備、計画諸々を立てないとな!アイリス、これから忙しくなるぞ!」


「あなたとならどこまでも一緒に行くわよ?」


「…そうか、なんか、言われてみると大分恥ずかしいものだな」


「ふふっ…じゃあ、リーダー!行きましょ!まずは王女様のところに行かなくちゃね!…とそういえば王女様は結局付いてこれるの?」


「ああ、王様から直々に頼まれたよ。娘をよろしく頼むってな」


「むー…私も負けないんだから!」


「うわっ!ア、アイリス?」


 アイリスがいきなり腕に抱きついてくる。


「このまま王女様のところにレッツゴー!」


「ま、待て!このままだと何言われるか分からないじゃないか!」


「私のことを不安にさせた罰とでも思いなさい!」


「そ、そんな〜…まあ、でもこんな生活もいいのかもな」


 俺はこの今起きている現状に満足感を得ている。

 大切なものが出来るってことがここまで充足感を満たしてくれるとは思ってもみなかった。


 (二人のことは必ず俺が守り抜く。フレイヤ様、どうか見守っててくださいね)


 フレイヤ様に届けと念を送る。


 すると


 (むー!私だって零君の元にいつか参上するんだからね!ポジション開けておきなさいよ!)


「…えっ!?」


「ん?どうかした、零?」


「い、いや…ナンデモナイヨ…アハハ…」


「…何かありそうね。よし!アイリーン王女と問い詰めてあげるからね!」


「だ、だからほんとに何でもないってー!!!!」


 (…ほんとに何でもないよな?)


 一抹の不安を覚える俺はアイリスに引っ張られ王女様の元に連れていかれる。

 案の定、このことについて言及され、なんとか二人を誤魔化して事なきを得た。


「…やっぱり、こんな生活、あんまり嬉しくないのかも?」


「「零(様)???」」


「い、いやナンデモナイデス…アハハ…」


 もしかすると俺は一生この二人には勝てないのかもしれない…

 嫁さんに尻に敷かれる夫の気持ちが今、ようやくわかった気がする…


 一歩、大人の階段を登った気がした零なのであった。

 ここまで読んで下さりありがとうございました!


 アイリスと零の関係。

 上手く書けているのか不安ですが、何とか冒険準備パートに入れそうです!


 これから更に躍進していく零達の活躍を楽しみにしていてください!


 感想、評価、ブクマ等して頂けると凄く嬉しいです!


 ミス等のご指摘もどしどし受け付けております!


 アドバイスもして頂けるとありがたいです!


 それではまた次回、お会いしましょう!

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