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鬼を嫌う理由 セミファイナル

 「それで・・・レンを突き飛ばした奴は誰なんだ?ミナ。」


 「同級生の、アツヤ君だよ。」


 「アツヤか・・・あいつなら俺の名誉に泥を塗る位やりそうだな。」


 アツヤは全教科に家庭教師が付いていて、運動にも教師が付いている為、俺が転校して来て一か月程経つまでは成績と運動は一位だった同級生の男子だ。


 当然俺が来て一か月程経ってからは俺が一位だ。


 何故、俺みたいな奴がそんな凄い奴を抜いたのかと言われれば、一か月間ただ全部を一個ずつ努力して、全部に一回ずつ勝っただけである。


 そうしたらアツヤが負けたと言う感情を生み、アツヤは勉強や運動をもっとやったそうだ、全部一辺に。


 そんな事をしても疲れるし覚えられないし、何よりアツヤに向いていないからその後、何度やっても俺には勝てなかった、どころか焦りで成績をどんどん落とし、レン突き落とし事件が起こった時には成績、運動共に五位以内にも入っていなかった。


 それを妬んでの犯行だと俺は思った。


 「ミナ、俺の親父も母親も仕事で帰って来ないから遠慮せずに寛いでくれよ。」


 「ご飯とかどうするの?」


 「俺が作るに決まってるだろ?たまに店に買いに行く事もあるけど。」


 「さみしくないの?お母さんとお父さんがいなくて・・・」


 「あのな、俺が親が不在だからって寂しがる様な奴に見えるか?大人になったら甘えとしか言われないぞ?それはそうと大人なら出来て当たり前なんて言う奴は大勢いるが、それは致命的な間違いだ。そう言う奴は当たり前に出来ない奴の気持ちは、当たり前に出来ない奴が地獄の苦しみを味わうか、もしくは死ななければその気持ちに気付けない。大体、今出来ない事を恥ずべき事だと思わせたり無理矢理に強要させる事にどんな意味があるんだ?それをするのは大抵何も考えていないか、そいつが他に出来る事を見つけようともしない無能かのどっちかだ。」


 「・・・?」


 俺みたいに捻くれて無いミナには分かる訳も無い。


 「とにかく、晩御飯を作るからちょっと待ってろ。」


 俺は晩御飯を作ったり、風呂に入ったりした後、布団に入り眠った。




 そして俺は目を覚まし、朝ごはんを作りに台所へ向かった。


 作り終えてもミナが起きて来ないので、起こしに向かった。


 「お~いミナ、起きろ~。」


 俺はそう言いながら扉を叩いた。


 「は~い、起きました~」


 ミナが眠そうな声で返事をした。


 「早く来ないと、朝ごはんは無しですからね!」


 俺は母親みたいな口調でふざけてみた。


 「ママ、今行きます。」


 そしてミナは扉を開けた。


 「やっと起きたか、この寝坊助・・・って!何で裸なんだよ!?」


 俺はミナの一糸纏わぬ姿に慌てて目を背けた。


 「何でって・・・家では起きた時いつもこうだし・・・パパもいないから大丈夫・・・」


 「ここはお前の家じゃ無いし!と言うか服を着ろ、ミナ!」


 顔を背けたまま大声で注意した。


 「さっきから大声で何を言っているの?ママ・・・」


 俺は直接見ていないが、ミナはここで眠気から覚めたに違いない。


 「!!!??!?!?」


 直接見てはいないが、ミナは顔を真っ赤したに違いない。


 そしてバタンと言う扉を閉める音と、中から聞こえるドタンと言う音からするに相当恥ずかしがって慌てている事は間違いないだろう。


 しばらくしてミナが着替え終え、顔の赤みが少し引いた顔で出て来た。


 俺とミナは気まずい雰囲気のまま朝ごはんを食べに向かった。




 朝ごはんを食べ終え、俺とミナは学校へ向かう準備をしていた。


 「よう、アカキバ。編集が終わったぞ。」


 準備の最中、親父が戻って来た。


 「犯人はアツヤと言う奴で間違い無さそうなんだが・・・」


 「知ってる、ミナから聞いた。」


 「それで、アツヤ君はどうなるの・・・?」


 ミナが誰にでもする様な優しさでアツヤを心配したが・・・


 「「もちろん、倍返しだ!」」


 俺と親父はそれをバッサリ切り捨てた。


 「そう・・・」


 ミナはそれ以上何も言わなかった。


 「一応言っておくが、アツヤを心配すると言う事は、俺が濡れ衣を着せられたと言う事はどうでも良いと言う事になるぞ。それでもアツヤを心配するか?」


 「・・・・・」


 ミナは答えられなかった。


 「それにしても、危険にされているとは言えミナの母親は良く泊めると言うのを容認したな。」


 「親父、実は・・・」


 俺はミナの母親に迫った交渉材料を、ミナに聞こえないように話した。


 「・・・・・」


 親父は黙り込んでいる。


 「親父、探偵に知り合いいるだろ?やってくれないか?」


 「・・・分かった、アカキバがそう言うならそうしよう。どっちかが苦しむ事になるんならアカキバの苦しませたい方を苦しませた方が良い・・・」


 親父は力無い声でそう言った。


 「じゃあ、アツヤに止めを刺しに行くぞ。」


 そうして俺達は学校に向かった。




 俺達は証拠を持ち、教室へ向かったのだが・・・


 「アツヤが・・・いない?」


 アツヤがいなかった。


 「アカキバ君、レンちゃんもいないよ!」


 更にレンの姿も見えなかった。


 「親父、俺とミナは授業を受けているからアツヤと・・・一応レンも探して来てくれ。」


 「分かった、必ず見つける。」


 親父が教室を後にした。




 そして給食の時間になった頃・・・


 「アカキバ!見つかったぞ!」


 親父が教室に駈け込んで来た。


 「親父、どこだ?どこにいたんだ?」


 「それが・・・」


 親父はまるで、口では説明出来ない様な表情をした。


 「どうした親父?説明出来ないなら俺が直接・・・」


 「ちょっと、付いて来てくれ。」


 俺は親父に言われるまま付いて行った。




 そして俺は信じられない光景を目にした。


 「ミナの家が・・・燃えてる!?」




 「ミナの家が火事?一体どうして・・・」


 「まぁ、俺の交渉の所為だな・・・そろそろ話は終わる。」


 「一向に鬼が出て来ないが・・・」


 「ごめんな、これから話すのはその分鬼が嫌いにならずにはいられないほどの理由だから・・・」


 赤牙の鬼が嫌いな理由がとうとう終わりを迎える・・・

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