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鬼を嫌う理由 捜索、交渉編

 「まずは生徒全員に話を聞くぞ!」


 「骨が折れる作業になるぞ、親父。」


 「骨が折れようと肉が裂けようと体が砕け散ろうとアカキバに濡れ衣を着せた犯人を見つけるんだ!」


 親父は俺に濡れ衣を着せた犯人を本気で見つけるつもりだった。


 そして俺と親父は別々に聞き込みを開始した。


 「一昨日、レンと言う子が誰かと歩いている所とか見なかったか?」


 「すいません、レンとは住むところが違いますので分かりません。」


 「一昨日の事を聞きたいんだけど・・・」


 「一昨日確かにレンは見たけど溺れてた所を救出された後だったな・・・」


 「レンを救出した奴は誰だ?」


 「・・・・・」


 「あの、もしもし?」


 「黙秘権だ、警察の息子だったら知ってるだろ?それともお前は悪徳警察か?」


 「いや、黙秘するのは勝手だけど・・・難しい事知ってるなお前。」


 同級生の俺が言えた事では無いが。


 他にも色々な奴に聞いてみたが、大体は住むところが別だから分からない、レンを救出した奴を聞くと黙秘するの二通りの答えしか帰ってこなかった。


 数時間後、一通りの生徒から聞き終わった。


 「えっと、欠席者以外は大体聞き終わったな。」


 「親父、欠席者の家にも質問しに行くか?」


 「もちろんだ、同時に大人にも質問する。」


 「なるほど、大人なら黙秘する事はあんまり・・・」


 「あ、あの・・・」


 すると突然、女子の声が聞こえた。


 「お前はさっき質問したら黙秘した奴か、何の用・・・」


 「おぉ、ミナじゃないか。どうした?」


 俺はその女子に見覚えがあった。


 「アカキバ、知り合いか?」


 「こいつは虐めを受けていて、その対策として俺が録音機を貸してあげたんだ。どうだ?虐めの証拠は取れたか?」


 「その録音機の事なんだけど・・・」


 話を聞くと、ミナはレンを突き飛ばした犯人に証拠作りの為に連れて来られたらしい。


 その一部始終を録音したそうだ。


 「良くやったぞミナ!親父、編集して持って来てくれ。失敗すんなよ。」


 「もちろんだ!絶対に失敗しないぞ!」


 そして親父は編集をする為に仕事場に向かった。


 「じゃあアカキバ君、また明日。」


 「ミナ。」


 「何?」


 「今日から俺の家に泊まっていけ。」


 「・・・え!?何で!?」


 俺にやましい気持ちは全く無かったが、ミナが驚くのも無理はないだろう。


 「いや、お前が証拠を渡したのが犯人に気付かれるとお前が復讐される恐れがある。何とか復讐されない方法を考え付くか、或いは犯人が引っ越しをするまで俺と一緒にいた方が良い。」


 今になってもあの時の判断は正しかったと思う。


 「分かった・・・泊まっていく。」


 少々俯きながら答えた。


 「ありがとう、着替えとかいるよな?一度お前の家へ行こう。」


 そして俺はミナの家へ向かった。




 「と言う訳でミナのお母さん、今日からミナを俺の家に泊める事にしました。」


 「・・・は?」


 俺は何故泊める事にしたかを説明した。


 すると母親が笑い出し、


 「その犯人に一言注意すれば大丈夫よ、そんな大げさな事をしなくても・・・」


 こんな事を言い出した。


 「大げさ?一言注意すれば大丈夫?あなた母親なのに本気で言ってるんですか?」


 「アカキバ君、少し落ち着いて、ね?」


 全く話にならない。仕方が無いので俺は、


 「殺人未遂が起きたんですよ?ミナが同じ目にあって溺れて、誰も助けが来なかったらどうなりますか?二度と自分の娘に会えなくなるんですよ?そんな事が起こるかもしれないのに一言注意すれば大丈夫だの大げさな事だの言い出すんですか?」


 辛辣な言葉を浴びせた。


 「・・・・・」


 当然、ミナの母親は何も言い返せなかった。


 「後・・・ここでミナを俺に預けてくれたら、貴方の手伝いをしますよ。」


 「・・・何の?」


 「夫の浮気の慰謝料請求の。」


 ミナの母親は驚愕した。


 「俺の父親がですね、授業参観で見かけたミナの父親が女を連れてホテルへ入ったのを見かけたんです。当然、あのホテルで出て来る瞬間の写真もありますので慰謝料は高く取れますよ。」


 「あのホテル?」


 「「ミナは知らなくて良いんだよ。」」


 俺も知っていちゃ駄目だが、そこはご愛嬌。


 「でも・・・調査もしていないのに・・・」


 「大丈夫ですよ、俺の親父の知り合いの探偵ですから調査依頼なんていくらでも偽造出来ます。それに調査依頼開始の日付なんて誰も確かめる訳ありません。皆不貞行為の証拠しか確かめませんから。」


 「・・・・・ミナは?ミナはどうするの・・・?」


 「それでしたら・・・」


 俺はミナの母親に耳を貸してもらい、


 「裁判の期間中ずっと俺の家に預けて、裁判が終わったら俺が返します。ミナがお父さんは?と言ったら俺とお母さんと二人で、「黙っててごめんな、実はお前のお父さんはレンを突き飛ばした犯人に復讐で川に突き飛ばされて死んでしまって・・・」と言うんです、そうすれば解決しますよ。」


 残酷な解決法を話した。


 「そんな・・・そんなのって・・・」


 「預けなかったら夫にこのまま不倫をされ続けて、ミナが復讐されますがそれでも良いのなら好きにしてください。」


 それを聞いたミナの母親は、力なく了承した。


 そして着替えとか歯ブラシとか色々用意をして、俺の家へ向かった。




 「そしていよいよ犯人を突き止める訳だが・・・」


 「なぁ、アカキバに聞きたい事がある。」


 「何だ?」


 「ミナの母親への交渉だが・・・やりたくてやったのか?」


 「・・・そんな訳無いだろ、俺はミナを危険に晒したく無かっただけだ。だけど本気で心配しないもんだから残酷に交渉した、今でもあれが正しいかどうかは分からない・・・」


 「・・・・・」

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