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鬼を嫌う理由 潔白証明編

 俺と俺の親父と母親は忙しい中、校長に呼び出された。


 「と言う訳で、ですね・・・その、レンさんはアカキバ君に突き飛ばされて・・・心を痛んでしまってですね・・・あの、大変迷惑とは存じますが・・・」


 あ、レンと言うのは俺が考えた溺れた同級生の仮名だ。


 「申し訳ありません、私の息子が取り返しのつかない事を・・・」


 「私の娘は成績優秀で、今回の一件で成績を落とすと私としても・・・」


 「まぁあなたも、アカキバさんのお母さんも落ち着いて、今後について冷静に・・・」


 俺の母親とレンの父親と母親はめんどくさそうにしていて何も考えて無く、ただ俺に罪を被せたいだけにしか見えなかった。


 「あのですね皆さん、俺はレンを突き飛ばしたのではなく溺れてた所を助けて・・・」


 「アカキバは黙ってなさい!」


 「そうだ!私の娘は川で泳ぐなんてそんな危険な事はしない!」


 「大体なんなの!?その口の利き方は!もっと大人に対する態度と言う者を・・・」


 「まぁまぁ、アカキバ君のお母さんもレンさんのお母様とお父様も落ち着いてください、まだ小学生で上下関係と言う者が・・・」


 俺が反論しようとすれば聞いて貰えず、散々だった。このまま俺どうなるのかなとか思っていたら・・・


 「ハァ~もう呆れたよ・・・」


 俺の親父が喋り始めた。


 その場の全員が親父に注目した。


 「俺の息子が反論しようとしているのに、黙ってろだの娘がそんな危険な事はしないだの態度が悪いだの・・・こんな茶番反吐が出るから止めてくれませんか?」


 「あなた!何て事言うの!?」


 「私たちが真剣に悩んでいるのに貴方は何なんですか!?私の娘が・・・」


 「あなた!大丈夫!?」


 「アカキバ君のお父さん!ここはその、落ち着いて私達の話を・・・」


 この場合どう見ても落ち着いた方が良いのは俺と俺の親父以外の全員だろう。


 「落ち着いて欲しかったら俺の息子の反論を聞いてからにしてもらえますか?」


 「だから私の娘が!突き飛ばされて!」


 「突き飛ばされたから?だから突き飛ばした奴の証言はいらないんですか?だったらこれから貴方を逮捕しますよ?」


 「は?どうしてですか!?」


 「罪を犯したから。」


 「どんなですか!?」


 「はい、罪を犯した人の意見なんかいりません。貴方は罪を犯したから逮捕します。こんな事があり得たら裁判も法律もいらないんだと言ってるんだよ!!」


 俺の親父は大声を上げた。


 「お前ら学校はいつもそうだよな、口では生徒の事を考えているとか言っておきながら生徒が事件に巻き込まれた時には世の中が賛成するような解決法をしたり今回の様に加害者の意見を聞こうとしなかったり!!レンの両親とキリカもそうだ!!先入観だけで自分の子供は正しいと思い込んだり悪いと決めつけたり!!」


 あ、キリカと言うのは俺の母親の仮名だから。


 「貴方だってそうじゃないか!!」


 レンの父親が反論したが、


 「貴方は話を良く聞いてましたか?俺はコイツの味方をしている訳じゃ無く、反論があるから聞けと言ってるんですよ?言い忘れていたけど、俺は息子が溺れている奴を助けようとしているかの様に長い物を川に伸ばしているのを目撃しているから味方をしているのだとしても先入観だけで味方している訳じゃ無いから。」


 「でも・・・でも・・・この子が・・・この子が・・・」


 「お前!しっかりしろ!」


 「申し訳ありません!家の主人が大変失礼な事を・・・」


 「まず俺の息子の反論を聞け!!!」


 また起こった茶番を親父は一蹴した。


 全員は今度こそ黙り込んだ。


 「アカキバ、反論を。」


 だが、俺は何も喋らなかった。


 「どうした?言うのが怖いのか?」


 「まさか、茶番で俺の反論を揉み消すクソみたいな大人達を、俺の最高の親父が黙らしてくれたから内心すっきりしていただけだ。」


 「黙らした事は否定しないけど、最高の親父と言うのは否定したいな。」


 「どうして?」


 「世の中が加害をしたと言う証拠は必死になって見つけようとする癖に、加害をやっていないと言う証拠は一つも見つけないんだもんな、俺如きが最高なんて否定するに決まってる、寧ろ俺は最低だと思うぞ。」


 「ハハハハ・・・最高は言い過ぎたか、それよりも反論だな。」


 そして俺はその場で突き飛ばしに対する反論をした。


 「以上、反論は終わりです。何か質問は?」


 質問は無かった。


 「と言う訳で、俺の息子がレンを突き飛ばしたと言う言葉と逆に助けようとしていたと言う言葉がある。助けようとしていた言葉の証拠は目撃者の俺がいるから証明できる。突き飛ばしたと言う言葉の証拠は?」


 レンとレンの両親はしばらく黙り込んだ。


 「黙ると言う事は証拠が無いと言う訳ですね?」


 するとレンの父親が何かを思い付いた顔をした。


 「親の証言は証拠として認められない!だからその証拠は無効・・・」


 「「「そんなのは刑法のどこにもありません。」」」


 俺、親父、母親から同時に突っ込まれた。


 「校長先生、これらの事から俺の息子は突き飛ばしをやっていないと結論に至った。」


 「え・・・?あぁ、そうです。私たちの早とちりでした。」


 「そう言えば家の娘はしょっちゅう川で遊んでいました!間違いありません!」


 「全く、この子ったら・・・早とちりしちゃ駄目じゃない。」


 校長、レンの父親、母親ともに態度を180度変えた。


 「違うもん!」


 突然レンが大声を上げた。


 「私は確かに突き飛ばされたもん!溺れそうになったもん!その子が突き飛ばしたんだもん!」


 レンはそう訴えたが、誰も味方はしてくれない。


 「突き飛ばされたのも溺れそうになったのも事実だろうな、じゃあ聞くが、お前は誰に助けられたんだ?」


 と思ったが、俺の親父がレンの訴えを一部だけ信じてこんな質問をした。


 「俺もそれが聞きたかった。」


 当然俺も一部だけ信じてその質問をした。


 「・・・・・」


 だが、レンは黙り込んだ。


 「黙り込むと言う事は、助けた奴から口止めをされている。」


 親父の言葉にレンは驚愕した。


 「そして、助けた奴と突き飛ばした奴は多分同一人物だ。」


 俺の言葉にレンはさらに驚愕した。


 「俺達は今からそいつを必ず見つけ出す。」


 「ちょっと待ってください!」


 親父の言葉に校長が待ったをかけた。


 「何ですか?校長先生。」


 「そんな大ごとにしないでください!学校の事は学校側に任せて・・・」


 「これは立派な殺人未遂です。私達に任せて下さい。」


 「しかし・・・」


 「アカキバ君のお父さん、お願いします。」


 レンの親父が話しかけて来た。


 「何をですか?レンのお父さん。」


 親父はわざとらしく聞いた。


 「私の娘を突き落した真犯人を見つけて罰を与えてください!」


 「お願いします!お願いします!」


 レンの母親も一緒になり、親父に頼み込んだ。


 「分かりました、任せて下さい。」


 「と言う訳でお母さん、話は終わったから仕事に戻って良いよ。かなり地位が高いんだから。」


 「え!?あ・・・うん。」


 こうして俺の母親は仕事場に戻った。




 「そして今から捜索が始まるんだけど・・・そろそろ飽きたか?」


 「全然!!是非続きを聞かせて欲しい!!」


 赤牙の昔話はまだまだ続く・・・

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