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赤牙とアベルの最悪の話

 (アカキバ君の言う通り、私はバカだ・・・あの時はグーを出せば良かったのに生徒を気にして出せなかった・・・私、何しにシガサ学園に来たんだっけ・・・)


 アリサは強化部の部室へ向かいながら、頭の中をドロドロにしていた。


 (仕事か家族か、どっちを大事にすれば良いのか・・・私には分からない・・・)


 悩んでいる間に、部室へ着いた。


 (あ、イヴァンにアカキバ君だ。私の知らない子もいる・・・あれ?エイル姫がいない・・・)


 「あ、来ましたか。では願い事を言わせて貰います。」


 「その前に挨拶してくれないか?」


 「誰にですか?アベル先生。」


 「「「「「後ろの人にですよ・・・」」」」」


 「後ろ・・・?」


 アカキバとエイル以外の部員の言葉にアリサが振り向いた。


 「・・・・・」


 アリサは白目をむいて気絶した。


 「姫様、今日も最高ですよ!」


 「それは最高に怖いと言う意味ですか?アカキバさん。」


 「・・・・・テヘッ♪」


 「テヘッ♪じゃありませんよアカキバさん!ちょっと可愛かったですけど!」


 (可愛かったのかい・・・)


 イヴァンが心の中でツッコミを入れた。


 「それでアカキバ君、その人は一体誰なの?」


 「レイン先輩、この人はイヴァンの姉さんのアリサ。」


 「へぇ~イヴァンに姉さんなんていたのか。」


 レインとシヴァは三年生で面識が無いので全く知らない。


 「あぁ~この人がアリサ先生ですか・・・」


 「生徒会長、知ってるんですか?」


 「私は全ての生徒や先生の名前や経歴を覚えていますからね~」


 (どうだアカキバ、まいったか!)


 ブルーローズは心の中で威張った。


 「まぁ、どうでも良いや。アベル先生、得意の雷で起こしてやってください。」


 「分かったぜ、アカキバ。」


 アベルが倒れたアリサの手を握り、


 「ビガゴロっと。」


 電流を流した。


 「ビガゴロ!!!!」


 (うわっ、同じ事叫んだ。)


 イヴァンが心の中で突っ込んだ。


 「大丈夫ですか?」


 エイルが心配して話しかけた。


 「はい、だいじょう・・・ガクッ。」


 まだキリカの格好のままだったのでまたアリサは気絶した。


 「エイル、着替えてきたらどうだ?」


 「フッ、そうさせて貰います・・・」


 エイルが鼻で笑いながら廊下へ行った。


 「・・・ハッ!また気絶してた・・・」


 「あっ、また気絶したー」


 「もう一回電気流して目覚めさるぞー」


 「いえ、私は起きてます。と言うか何で棒読み・・・」


 「ビカビカビカー!」


 「ギャ―――!!!!だから起きてますってー!!!」


 「と言うか二人ともワザとやっているでしょ!!!」


 また強化部のコントが行われた。




 「と言う訳で、姫様の所為で長引きましたが俺の願いを言わせて貰います。」


 「半分はアカキバさんとアベル先生の所為ですよね・・・」


 「と言うかキリカさんの格好させたのはアベル先生・・・」


 「願いはお前に話を聞いて貰う事なんだが・・・」


 ((無視した!!))


 「・・・話?そんな事で良いんですか?」


 「そうです、寧ろそれが本題ですので。」


 「後、シヴァにも関係がある話だぞ。」


 「俺にですか?」


 シヴァは首を傾げた。


 「シヴァ先輩・・・カレン先輩について疑問に思う事があるんです。」


 「・・・カレンに?」


 カレンと言うのは、ゾンビタイプと言う魔人に変えられ、ゴーレムタイプこと赤牙に喉を引き千切られ消え去ったシヴァの許婚の事だ。


 「俺はあの事件の後、森の中を色々と探してみたんですが・・・どこを探しても死体が全く無かったんです。」


 「・・・消え去ったとかじゃ無いのか?」


 「カレン先輩が魔人になった時、俺は目撃していたんですけど・・・カレン先輩が魔人になる時、何かがカレン先輩の体に纏わりついてそのまま巨大化して・・・アレになったんです。」


 「俺の予想では纏わりついた何かと言うのは恐らく大量の魔力だ、それがカレンに纏わりついてゾンビタイプを構築したんだと思う。だからゴーレムタイプが引き裂いたのは魔力で、カレンには傷一つ負ってないんだと思う。」


 「だからカレンが消え去る事はありえないって事ですか、アベル先生・・・でもカレンは既に死んでいて・・・」


 「それは一旦置いて、今度はアリサ先生の旦那さんの話をします。」


 「うん。」


 「アリサ先生は何か月も旦那さんを探したと言ってましたよね?」


 「うん、行方不明が発覚した日から探し回ったり、色々な人に聞いてみたけど見つからなかった。」


 「おかしいと思いませんか?」


 「・・・どこが?」


 「アリサ、もしお前が家出をするとしたらどこに逃げる?」


 「・・・まぁ、実家か見つからない所ですかね?」


 「じゃあ見つからない様に違う所を何度も転々とするか?」


 「まさか!道中で見つかったら最悪ではありませんか、ずっとその場で隠れ・・・あれ?」


 「だったら行方不明が発覚するまでの時間で行ける見つかり難い場所なんて限られているから何か月も探して見つからない訳無いだろう?逃げ続けているとしても誰も顔を見ていないなんて事はあり得ない。」


 「それがどうかしたんですか?アベル先生。」


 「つまり、アリサ先生の旦那と、カレン先輩は・・・」


 そして赤牙とアベルは同時に、


 「「魔人の仲間だ。」」


 「「「「「「・・・・・は?」」」」」」


 赤牙とアベル以外の全員が二人の言葉を理解出来なかった。


 「カレン先輩は死んだ振りをしていた。」


 「アリサの旦那の居場所はその魔人の組織かなんかだ。」


 「いや、ちょっと待て!何でカレンがそんな・・・」


 「私の旦那だって何で魔人の仲間なんかに!?確証は!?」


 「イヴァン、あの杖を手に入れた屋敷・・・覚えているか?」


 「あぁ、覚えているぞ、アカキバ。」


 「あそこにアベル先生と行ってみたんだ、そしたら・・・」




 ある日、俺とアベル先生は屋敷へ向かった。


 「へぇ~ここがその屋敷か。」


 「ここを強化部の合宿に使えないかと思いましてね。」


 「・・・どうせ空き家なんだ、好きに使おうぜ。」


 イヴァンは誰かと一緒に杖を手に入れたと言ったが、俺は全く信じていなかった。


 「まず奥の方の扉から開けてみましょう。」


 「そうしよう、そうしよう。」


 俺とアベル先生は奥の扉の中に入った。


 色々調べて出て行く時・・・


 「今日も激しかったですね、またやりましょうね。」


 「そうだね。」


 話し声が聞こえた。


 気になって扉を静かに開けて覗いてみたら・・・




 「カレン先輩がアリサの旦那と思わしき男と一緒に屋敷を出て行く所を見たんです。」


 「俺も見たから間違いない。」


 「「・・・・・」」


 アリサとシヴァは驚愕した。


 「これで話は終わりです。」


 アカキバとアベルはそれ以上何も話さなかった。


 (姉さんとシヴァ先輩・・・衝撃を受けるのも無理はないか・・・)


 イヴァンの考える通り、二人は衝撃を受けていた・・・


 (激しかった・・・?何をして・・・?)


 違う意味で。

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