新人の新人教育!? 3
「と言う訳で、今からアリサ・ユーと、アリサ・ユーが担任をしている一年光組は俺が担任をやっている一年風組のアカキバ・マイカと戦って貰う。」
「「「「「ちょっと待て!それ色々おかしいから!!」」」」」
イヴァンの姉こと新任教師のアリサ・ユーが、同じく新任教師ながら前年度まで実力が一番と二番だったフレイ・ファストラ、バゼラード・ファストラを何から何まで軽く超える実力を持つアベル・ロードの過酷な新人教育を受けた翌日、園庭に呼び出され今に至っている。
「相手を全員戦闘不能にしたら勝ちだから、頑張ってくれ。」
「何でこんな事をやんないといけないんですかアベル先生!?」
「アリサ、これは新人教育卒業の試験なんだ。これを乗り越えた時、晴れて一人前になれる。」
「だからって何で相手がアカキバ君一人でこっちは大勢いるんですか!?」
「アベル先生や姫様やロイドでは強すぎて相手になりませんし、他の人では弱いですし俺一人で相手をするのが丁度いい計算になる訳なんですよね。」
「アカキバ君も納得すんな!!」
「ギャーギャーうるさいなぁ・・・それでも元兵士か?」
「・・・・・」
アリサがアベルの言葉に黙り込んだ。
「お前は魔法が使えなかったが、お前の夫より地位が上で旦那より強かったんだよな?それが切っ掛けかは知らないが、夫は行方不明になった。当然お前は何か月も散々探したが見つからない。会いたい、会いたくてしょうがない、だけどお前は諦めた。ファストラ夫婦に憧れたとかイヴァンの為だとか理由を付けて・・・」
「違う!違う!私は諦めて無い!全部アベル先生の思い付きで・・・」
アリサは耳を塞いでいる。
全部その通りだからだ。アリサは自分の強さに後悔している。自分の強さの所為で大事な人が逃げた。だから新任教師になって、ありもしないファストラ夫婦の憧れを抱き、弟のイヴァンの為と言う理由を掲げ、学園に通っているのだ。
「だが・・・そこのアカキバがお前の夫の行方に感づいた、と言ったらどうだ?」
「え!?」
アリサが驚愕するのも無理はない。
何か月も探して見つからなかった夫の情報があると言われたのだから。
「本当?アカキバ君。」
「本当ですし、生きています。ただ・・・」
「ただ?」
「その先はアリサが勝ってから言ってやれ。」
アベルが言葉を止めた。
「でも、この人数をアカキバ君一人で・・・」
「公平さを求める必要なんかあるのか?」
アベルが質問した。
「お前の愛しい夫の情報を、この人数で一人を戦闘不能にすれば手に入るなんて機会は早々手に入らないぞ?それをクソみたいな公平さでドブに捨てるほどお前は馬鹿なのか?」
「確かに・・・こんな機会は早々手に入りませんね・・・」
「後、光組生徒の何名かは自分達に得は無いと思っているかもしれないが、そんな事は無い。アカキバが戦闘不能になった時、生き残っていた者の椅子と机はアカキバと同じにしてやる!」
光組はその言葉に歓喜した。
アリサを始め、光組はやる気十分だ。
「前から気になってたんですけど、あの椅子と机って何が凄いんですか?」
赤牙が質問して来た。
「知らないのか?あの椅子と机は言うならば、優待券みたいな物だ。あの椅子と机が自分の席なら、学園長によってギルドで受けられる依頼の数や制限時間や報酬が増えたり、限定商品とかだって並ばずに手に入るし、保持した日数が多ければ兵士団の出世だって容易になるんだぞ!」
「え~!!そんなに凄かったんですか!?道理で採取依頼がかなり美味しいと思った・・・ちなみ俺が勝ったら何か得はありますか?」
「お前が勝ったらお前が無駄だと思っている・・・まぁハッキリ言って無駄な教科の点数を全部満点にしてやる!!」
「絶対勝つ!!」
赤牙もやる気になった。
「それじゃ・・・始め!!」
そして、戦いが始まった。
(急に突風が!?)
始まった直後に突風が来た、アリサは何とも無かったが複数の生徒は全く動けない。
その時、動けなかった複数の生徒が誰かに斬られた。
ダメージは魔力に還元されるので、怪我は無い。
複数の生徒を斬った者は・・・
「まずは数名撃破・・・次行ってみましょうか。」
赤牙だった。
生徒の全員は、今の赤牙が、自分は弱いと言う言葉を入学式で言った者と同一人物とは思えないほど強い事を感じ取っていた。
(これは予想外だった・・・でも、まだ現役中の現役である優秀な元兵士の私に勝てるかな?)
アリサもこの戦闘を楽しみ始めた。
新人の新人教育はまだ続く・・・




