冤罪には冤罪だ!! 前篇
「なぁイヴァン?」
「何かな?アカキバ。」
「今、どんな状況だろうか?」
「個人的な意見があるんだけど・・・」
「奇遇だな、俺も個人的な意見があるんだけど・・・」
「じゃあ同時に言うか、アカキバ。」
「そうだね、イヴァン。」
そして二人は鼻で笑った後、
「「大勢の生徒に囲まれて危険が危ない!!」」
大声でこう言った。
何故こんな状況になったか、それは数分前・・・
「昨日の合宿は疲れたな、イヴァン。」
廊下を歩いている途中、赤牙がぼやいた。
「そうかな?僕はそんなでも無かったけど・・・」
イヴァンは体力がある、あれ程寒くても全然平気だ。
「あ、生徒会長だ。」
イヴァンがブルーローズを見かけた。
「丁度いい、今日の部活は昨日の合宿の疲れを取るために休みにしよう。」
赤牙は大声で伝える為に息を吸った。
「スゥ―――・・・あれ?」
息を吸っている最中にブルーローズがいなくなっている事に気付いた。
「イヴァン、生徒会長は?」
「アカキバの方を向いてもう一回見たらいなくなってた。」
「・・・何でだろう?」
「さぁ?」
赤牙とイヴァンはチンプンカンプンだ。
「どうでも良いか、教室へ向か・・・」
イヴァンが喋っている最中、前から大勢の生徒が来た。
「・・・外で実習でもあるのかな?アカキバ。」
(あれ・・・?何かデジャブを感じる・・・」
赤牙の予想通りに向かって来る生徒は全員怒りの表情をしている。
すると、前の生徒が全員手を向けた。
「ヤバい!イヴァン逃げるぞ!」
「ハァ?何で?」
「魔法が来るぞ!!」
「えっ!?」
魔法と言う単語にイヴァンが動揺し、赤牙と共に逃げ出した。
後ろから魔法が飛んで来た、火や氷、雷や風とバリエーションは豊富だ。
玄関を出て園庭へ逃げたが、そこには待ち伏せがいた。
「うわっ!前にも!」
「アカキバ!追い付かれたぞ!」
後ろから追い付かれ、赤牙とイヴァンは包囲された。
そして今に至る。
「一年風組の強姦魔とついでの者に告げる!」
「ついでとは何だ!!名前ぐらい呼べ!!」
「ついでの者はアカキバじゃないだろ!!」
「何だよ誤魔化そうとしたのに。」
「誤魔化そうとすんな!て言うかそれだと僕が強姦魔になるわ!」
赤牙とイヴァンはこんな状況でもいつも通りだ。
「一度ならぬ二度までもお前は我が学園の誇りである幻属性部の生徒会長を強姦した!正義の名の元に裁きを受けよ!!」
「良し、イヴァン代わりに受けろ!」
「何でだよ!!・・・と言うか、いつ二度も強姦したんだ?」
イヴァンは一回目の騒動の時、赤牙を捕まえたら赤牙の席と自分の席を交換できると聞いて追いかけた為事情を知らない、二回目は門の中にいた為これまた事情を知らない。
「一度目は夢の中に入り込み強姦した!二度目は先程生徒会長が、アカキバが生徒会長に抱き付き、接吻をした後強姦し、アカキバは逃げ出したと言っていた!!」
「二度目はともかく一度目はこじつけじゃないか!!」
イヴァンが突っ込んだ。
「二度目も後半はこじつけだよ!!」
赤牙も突っ込んだ。
「何と言おうと本人がそう言っているのだからお前は罰せられるのだ!」
(何て酷い奴だ、犯罪者を捕まえて実績を上げる事でしか自分の価値を示せない世の中の人間達の見本の様だ、無論そんな世の中だから痴漢冤罪は無くならない訳なのだが、かと言えそれを否定すれば本物の痴漢の証明は難しくなる、まさに地獄の連鎖だ・・・良し、ここは・・・)
赤牙は何かを思い付き、息を吸った。
「皆さん!聞いてください!今起こっている強姦騒動は全て誤解です!!」
「皆さん!聞いてください!今起こっている強姦騒動は全て誤解です!!」
(良かった・・・誤解だと切り出してくれた・・・)
赤牙とイヴァンが囲まれている時、少し離れた場所に強化部の部員全員とアベルがいた。
「良かったな、これでお前があそこに行って誤解を解けば全て解決だ。」
「はい、アベル先生・・・」
ちなみにブルーローズが赤牙を助けようとする理由は良心とかそう言う物では無い。
(助けなければ確実に私が殺されるからな・・・)
そう、見捨てたら赤牙がゴーレムタイプに変身して確実にブルーローズを殺すからだ。
「と言うか逆です!!」
「「「「「「は?」」」」」」
ブルーローズ、アベル、共にいる強化部部員、赤牙とイヴァンを囲んでいる生徒全員、果てにはイヴァンまでもが赤牙の言葉を理解出来なかった。
更に赤牙は続けて、
「強姦したのは生徒会長の方です!!」
と叫んだ。
その言葉に園庭にいる全員が数秒ほど沈黙し、
「「「「「「え――――!!!!!!」」」」」」
全員が驚愕の声を上げた。




