試練なのに漫才が多いとはこれ如何に
「165、166、167、168、169、170、171・・・」
レインは下り階段を降りていた。
だがいつまでも終わらない、階段の先は暗くて見えない。
「303、304、305、306、307・・・あぁ!もう疲れた!戻る!」
レインは戻るために振り返った。
「・・・あれ?」
300段以上あると思ったが、すぐ目の前に階段の区切りの部屋があった。
どういう事かと思いながら今度は昇り階段を後ろを向きながら上った。
「え?え?」
確かに階段を上ってはいるが、区切りの部屋が遠くならない。
「どういう事・・・?」
レインは少しの間悩んだがさっぱり分からず、外にいる赤牙達に助けを求め、叫んだ。
「おーい!アカキバ君!アベル先生!」
「おーい!アカキバ君!アベル先生!」
扉の向こうから大声が聞こえた。
「何ですか!?」
赤牙も大声で返事をした。
「昇り階段と下り階段が左右にあるんだけど!どっちを上っても下っても区切りの部屋が遠くならなくて!」
「・・・訳が分かんない。」
ロイドは状況を理解していない様だ。
「要するに無限に続く階段って訳か。」
アベルは理解していた。
「階段じゃ無く壁とか天井とか床とか調べてみたらどうですか!?」
赤牙は助言をした。
「分かった!そうしてみる!」
レインは返事をした。
「しかしロイドの場合は蜘蛛、レイン先輩の場合は無限の階段・・・意味はなにかあるんでしょうかね、アベル先生?」
イヴァンが疑問に思った事を言ってみた。
「さぁね、トラウマかなんかじゃないか?」
「俺、蜘蛛は苦手じゃないんですけど・・・」
「私は一年の頃からレイン先輩を知っていますが、無限の階段に迷い込むほどのトラウマを抱えてる様子なんてありませんでした。」
(寧ろ悩みなんか無さそうだったな・・・)
結局意味は分からなかった。
「壁には特に何もなし、床にも特になし、後は・・・天井か。」
レインは壁をよじ登り、天井に手を伸ばしてみた。
「え!?手が天井をすり抜けた!?」
すり抜けた先に地面があったので、レインは昇りあがった。
そこには王の間の様な場所が広がっていた。
「オォ―――ン・・・」
唸るような声が聞こえた後に、地面から泥の魔物が出て来た。
「マッドタイプか・・・」
レインはすぐに戦闘態勢をとった。
「オォ―――ン・・・」
マッドタイプが地面を進みながら近づいて来る。
すると突然、太陽で照らされている様な熱が発した。
「オォ――――ン!!!」
マッドタイプは苦しんでいる。
「へへへ、泥にとって太陽は天敵だろう、そのまま干からびな。」
「オォ・・・」
マッドタイプは完全に乾き、跡形もなく消えた。
「さて、これで試練は終わりだな、戻るか・・・」
「ただいま、アカキバ君。」
「おかえり、レイン先輩。」
他愛も無いやり取りだ。
「さて、次は誰が行くか?」
アベルが質問した。
「・・・では私が。」
名乗り出たのはブルーローズだ。
「大丈夫ですか生徒会長?トラウマと言う位ですからキリカさんとか出て来るかもしれませんよ。」
「・・・確かにそうかもしれませんね、アカキバさん。」
(一度夢に出て来たもんな・・・うっ、あのキスが蘇ってくる・・・)
ある意味トラウマだ。
「では、私も一緒に行きます。」
エイルがそう言った。
「なるほど、同じキリカがいれば怖くないな。」
ロイドがそう言った。
「仲間がいれば戦うことなく試練を終えれそうだね。」
赤牙がそう言った。
「でも、ブルーローズが気絶しないか不安だな~」
アベルがそう言った。
「三人とも一国の王女に毒吐きすぎじゃないか!?」
イヴァンがそう突っ込んだ。
「そんな事はどうでも良いから二人でとっとと行けよ。」
「アベル先生、鬼ですね・・・」
「鬼!?」
「何故そこで反応するんだアカキバ!?」
シヴァとレインを置き去りにした強化部の漫才が終わり、ブルーローズとエイルが扉に入った。
そこには案の定キリカがいた、しかも大量に、更に大きさが違うのも混じっている。
「キリカが一匹、キリカが二匹、キリカが三匹、キリカが四匹・・・」
「生徒会長!正気に戻ってください!後、私まで数に入れないでくださいよ!」
説得も虚しくブルーローズはキリカを数えている。
「「「「ワ タ シ ノ ク ビ ヲ カ エ シ テ」」」」
「ア・・・・・」
ついにブルーローズは気絶した。
「しょうがありませんね、一気に終わらせましょう。」
そう言うとエイルは地面に手を当てた。
すると、天井が降りて来て、エイルとブルーローズ以外のキリカ全員が潰されてしまった。
「さて、戻りますよ。」
「・・・・・」
「目を覚ましてくださ~い!!」
キリカ・・・いや、エイルがブルーローズを引きずりながら扉を開けた。
「やぁお帰りなさい、キリ・・・いや、姫様!」
赤牙の一言だ。
「意外と早く終わったな、キリじゃ無くてエイル。」
アベルの一言だ。
「これで残りはアカキバとエイルとイヴァンか・・・ところでお前が気絶させた生徒会長は大丈夫か?エイル・・・じゃ無くてキリカ。」
ロイドの一言だ。
「だから毒吐くなと言ってんだろうが!特にロイド酷過ぎ!」
イヴァンがまた突っ込んだ。
「・・・次は誰が行きますか?アベル先生。」
シヴァが聞いて来た。
「良し、次は俺が行ってみよう。」
「俺も付いて行って良いですか?」
赤牙がそう言った。
「まぁお前は一番弱いからな、バランスは取れていると言って良い。」
「ロイドうるさい。」
こうして、気絶しているブルーローズと泣いているエイルを置き去りにして赤牙とアベルが扉を開け、中に入った。
((・・・なるほど、コイツが相手か。))
そこにはゴーレムタイプが待ち構えていた。




