キリカの所為?で起こった赤牙の悲劇
俺、舞火赤牙が今、気になっている事が四つある。
一つ目は俺が何故魔人・・・ゴーレムタイプになれるかと言う事だ。
どうやら殺したいと思うほど怒り、一度死ねばゴーレムタイプになれるらしいが、そんな感情なら地球にいた頃にも何度かあった、もしかしたら魔人化は地球には無いマナに関係しているのかもしれない。
だが、何故だ?何故俺は魔人になれるんだ?全く分からない。
チート能力をくれた奴に会った覚えは無いし、勇者として召喚された訳でも無い。
二つ目は何故あの時、魔法をああもあっさり使えたかと言う事だ。
魔法と言う者はマナをいじって作る物だ、マナも魔法属性の数だけ種類があり、それのどれかが体に馴染まなければならない、この世界と地球は色々と違うはずだ、地球人の俺がこの世界のマナにあっさり馴染む?そんな事があったら各属性部活にしか無い魔法発現の道具はいらない。
三つめは何故俺が、特別入学生になれたかと言う事だ。
学園長は俺に才能があるからと言ったがどうもしっくり来ない。
まさか魔人化がばれたのか?いつ、どうやって?
森の中にいたのか?それとも・・・・・?
そして四つ目だが・・・
「どこだ!アカキバ・マイカ!必ず捕まえて強姦の罪を裁いてやる!」
「我らが生徒会長のな!」
「オマケにアイツの机と椅子をぶんどるぞ・・・」
何故俺は大勢の連中から追われているかと言う事だ。
あの生徒会長にぶん殴られ、遅刻ギリギリの時間まで気絶していた俺が後で文句を言おうと考えながら急いで学校に着いたら、玄関に怒った顔をしながら大勢の人が待ち構えていたので・・・
「あの、そんな顔してどうしたんですか?」
「とぼけるつもりか、アカキバ・マイカ。」
「生徒会長が寝ている途中に接吻をし、破廉恥な格好にしておいて・・・」
「は?え?何それ?何の冗談?四月一日はとっくに過ぎて・・・」
「「「「ふざけるな!お前は処刑だ!生きている権利すらない!」」」」
「どうして――――!!!???」
俺は訳も分からず外へ逃げた、先生たちが事態を収拾してくれれば良かったのだが・・・
「アカキバ・マイカを捕まえた奴にはアイツの机と椅子を交換してやるぞ!」
アベル先生がこう生徒達に公言したのでエイルやロイドやイヴァンまで襲って来る始末だ。
あのボケ先生め、今度キリカさんの呪いを百セット三日三晩浴びせてやる。
と言うか接吻とか破廉恥な格好とか強姦とか一体何の話だ?本人がそう何度も繰り返し言ったそうだが俺にはまるで覚えが無い、そもそも俺はアイツの家を知らないし、俺の部屋には姫様がいる、だから俺の家に連れ込む事もアイツの家に忍び込む事も不可能だ。
このままでは覚えが無い強姦罪で本当に処刑されてしまう、そしたらまたあの魔人になってしまう、どうすれば良いんだ・・・
「あの・・・」
こうなったらほとぼりが冷めるまで森の中に隠れるか、俺にモンスターは寄ってこないから野草さえあれば生きていける、もし魔人が出たとしても俺がゴーレムになれば倒せるだろう。
良し、森へ・・・
「あの!」
見つかったか!?こうなったら手を掴んだ奴ごと全員魔人になって・・・
「生徒会長・・・?」
「あの、アカ、アカキバ!」
「テメェ!これは何だ!?復讐か!?幻属性部から俺の部活へ変えられた恨みでやってんのか!?」
「いえ!その・・・違う、違うんだ、あの・・・」
何だコイツ?言い訳があるなら早く言えよ、じれったいなぁ。
「俺がいつ、寝ている時に接吻した!?破廉恥な格好って何だ!?」
「全部夢の話なんだよ!」
「・・・・・・は?」
「私が・・・夢の中でお前に・・・ごにょごにょされて・・・パジャマ姿見られて・・・それを教室で私が・・・繰り返し・・・」
「と言う事は何だ?俺はお前の夢の話で大勢の人から追い掛け回されたと言う事か?オマケに椅子と机を奪われかけたと?」
「そう言う事に・・・」
「いますぐ全員にお前から訂正して来い!!後迷惑を掛けた罰として俺以外の部員とアベル先生に左手で城下町を百周だ!!」
あぁ~やっと地獄の鬼ごっこが終わる・・・
「あぁ、疲れました・・・」
左手をマッサージしながら俺と帰宅している姫様はおばさんみたいな台詞を言った。
「俺の疲れに比べれば左手で城下町を百周なんて可愛いもんですよ、アベル先生とイヴァンなんかケロッとしてましたし。」
「あの二人は体力があり過ぎなんですよ、私とロイドさんとブルーローズ先輩は八十周位で左手が動かなくなって二十周追加と引き換えに右手に変えてようやく完走出来たんですからね。」
それで完走できる奴も相当だな。
「ところで気になってたんですけど、姫様には親衛隊とかいないんですか?」
「あー、私はシガサ王国の姫の中では一番に強いですからね、寮の選別とか親衛隊の免除とかの特権があるんですよ、ちなみに私は第四王女です。」
「なるほど・・・」
疑問に納得がいったな。
「ところで・・・」
「何ですか?」
「本当にアカキバさんは強姦などしていませんよね・・・?」
「姫様まで俺を疑うんですか・・・確かに俺は貴方と一緒の部屋ですけど・・・」
「一緒の部屋なら少し位・・・」
「何ですか?」
「なんでもありません!」
そう言うと姫様は少し歩くスピードを上げた。
訳も分からないまま俺は姫様を追いかけ、部屋に戻った。




