赤牙の肝試し 3
今日で肝試し編は終わりです。
「ギャ――――――!!!!!」
ブルーローズは追われている。
今まで出会った中で一番怖くて、一番巨大な生物・・・
そう、ゴーレムタイプに追われている。
どこで追われているかと言えば、夢の中だ。
夢の中とは言え、怖い物は怖い。
(夢の中ならゴーレムタイプを倒せるかもと思って戦ってみたら、魔法も武器も出て来ないと来たもんだ、こりゃ現実でいくら強くなっても一生勝てないかもな・・・て言うか早くこの夢覚めてくれ!)
逃げながらブルーローズは情けない事を思った。
すると、向こうから誰かが走ってくる。
(・・・アカキバ!?)
その正体はブルーローズがゴーレムタイプの正体なんじゃ無いかと疑っている一歳年下の少年だった。
(何で・・・?だってアイツはゴーレム・・・そうか、これは夢だった。)
「大丈夫ですか?生徒会長様。」
赤牙が話しかけて来た。
「呑気に話している場合か!アレが!すぐそこまで来て・・・」
「大丈夫ですよ、ここは夢の中です、魔法とか武器とか出せば・・・」
「さっき試したけど出来なかったよ!」
「・・・え。」
赤牙が汗をたらし、そして・・・
「「逃げろ――――!!!!!」」
赤牙とブルーローズがこう叫んだ。
「お前何しに来たんだよ!役立たず!」
「役立たずな夢見るアンタに言われたくねぇよ!」
逃げる途中でも口喧嘩をしている辺り、仲が良いと呼べるのかどうかは分からない。
「ん?何このゴーレムとは違う足音・・・」
すると前から、白い服を着た、顔が血まみれの、斧を持っていて、おまけにゴーレムタイプと同じ位の大きさの生物がやって来た。
「「ギャ―――――!!!!!」」
その正体は肝試しに出て来た幽霊だった。
「キリカさんだ――――!!!!」
(あれキリカさんって言うのか。)
幽霊・・・キリカが斧を振り上げた。
「生徒会長危ない!左へ走って!」
赤牙の言う通りにブルーローズは左へ走った。
キリカの振り上げられた斧は、ゴーレムタイプに命中した。
「おぉ、丈夫!さすがゴーレムタイプだ!」
(感心してる場合か?)
当然ゴーレムタイプは怒り、キリカの顔に強烈なパンチを浴びせた。
キリカの首が思いっきり飛んだ。
だが、キリカの体はまた斧を振り上げる。
「頭が飛んでも体は動けるとは・・・キリカさんはやっぱり不死身なんだな。」
(キリカさんスゲエな。)
その斧をゴーレムタイプは軽く避け体に回し蹴りをお見舞いする。
「こっちに体が飛んで来た!生徒会長逃げますよ!」
「分かってる!」
二人は魔人同士?の戦いから思いっきり離れた場所へ走った。
向こうからは戦いの音が聞こえて来る。
「この間に夢から覚める方法を考えましょう!どっちかがどっちかを倒して再び俺達を襲って来る前に!」
「そりゃ大変だ!早く考えないと・・・」
二人は頭を絞らせた、向こうではボロボロになったキリカと、無傷なゴーレムタイプがまだ戦っている。
そして、ゴーレムタイプがキリカの斧を奪い、キリカに振り下ろした。
キリカの体が真っ二つになり、動かなくなった。
ゴーレムタイプが斧を持って再び襲って来た。
その時、赤牙が夢から覚める方法を思い付いた。
「そうだ!夢の中で寝れば現実で目が覚めるかもしれません!」
「小さすぎる希望だが、それに賭けるしか無い様だな。」
僅かな希望に縋り、ブルーローズは目を瞑った。
ゴーレムタイプの足音が聞こえる。
(うるさくて眠れな・・・んむっ!!?)
ブルーローズは、口に柔らかい物を感じた。
目を開けると、赤牙の顔が目の前にあった。
(!!!???!???!!??!)
ブルーローズはパニックを起こしている。
次に、赤牙の舌が入って来た。
(・・・・・・)
口の中で舌が暴れ回る様な感覚に、ブルーローズは意識を奪われていく。
やがてアカキバの口が離れた。
「夢の中だから言っておきますけどね。」
意識が薄れる中、赤牙の声が聞こえる。
「初めて会った時、貴方の顔が俺の好みど真ん中だったんですよね~」
そして意識が無くなった。
「ひゃひ――――!!!!!」
悲鳴になっていない悲鳴を上げてブルーローズは目を覚ました。
顔を真っ赤にしながら頭を掻き毟り、朝ごはんも食べずに家の外へ出た。
目的も無く歩いていると、向こうに誰かがいた。
見覚えがある姿だと思い、ブルーローズは立ち止まると、突如その人物はブルーローズの方を向いた。
「あ、あ・・あ・・・」
正体は、赤牙だった。
「おー生徒会長様・・・何でパジャマ?」
「!!?」
ブルーローズがその言葉に驚き、自分の服装を見ると、確かにパジャマだった。
顔を赤くし、赤牙に近づく。
「どうでも良いけど、今日の午後に部活の説明を・・・ブベハッ!!!」
突然ブルーローズが赤牙の顔をぶん殴った。
ゴーレムタイプがキリカにやった様に殴った。
さすがに首は飛ばなかったが赤牙の体は思いっきり吹っ飛んだ。
(キリカさんのバ―――カ!!!!!)
心の中でそう思いながら自分の部屋に全速力で戻った。
「俺が・・・一体・・・何をやっ・・・グフ。」
そして赤牙は、こう呟いた後に遅刻ギリギリまで気絶してたと言う・・・




