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私を何度も殺してきた人たちと恋愛したら、ヤンデレ化された件  作者: ニアン
夏休み編

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34.夏休み最終日

 夏休み最後の日。青く澄み渡った空の下、セラは廊下を歩いていた。


(今日で夏休みも終わりか……。)


 長かったようで、振り返ればあっという間だった。


 王都へ出掛けたり。


 孤児院を訪れたり。


 エリアスの講義を受けたり。


 ノアと光魔法の練習(?)をしたり。


 思い返すだけでも、本当に色々なことがあった。


(……研究室で倒れたのは、さすがに反省。)


 あの日以来、ノアの様子が少し変だ。


 挨拶はしてくれるし、話しかけても返事はしてくれる。


 でも以前みたいに「一緒になにかしよ〜」とか誘ってくることはなくなってしまった。


(やっぱり怒ってるのかな……。)


 迷惑を掛けたのは事実だ。


 謝りたいと思うのに、なぜか話そうとすると、するりとどこかへ行ってしまう。


 避けられているような気がして、少しだけ胸がもやもやした。


「セラー!」


 元気な声が聞こえて振り返る。リリアが手を大きく振りながら駆け寄ってきた。


「よかったー!会えた!今日は楽しみだね!」


 今日、セラが寮外へ出かけている理由。


 それは、レオンが提案した、生徒会初めての食事会。『一学期・文化祭お疲れ様会』をするからだ。


 学園近くのレストランを貸し切り、仕事抜きでみんなで食事をする、気軽な集まりらしい。


「こういうの初めてだよね!」


 リリアは嬉しそうに笑う。


「会議じゃなくて遊びで集まるなんて!」


「そうだね。」


 私も自然と笑みが零れた。


 文化祭の準備も夏休みも、みんななにかと忙しかった。だからこそ、こういう時間は少し新鮮だった。


 店へ着くと、入口ではカイとシオン、それからノアが待っていた。


「おっ、来た来た。」


 カイが手を振る。


「レオンさんは?」


「中で店員さんと話してる。」


 カイが短く答えた。


「席の確認らしい。」


 シオンが補足してくれる。


 リリアと話していると、レオンの確認が終わったようで、外へ出てきた。そのまま六人で店内へ入り、一番奥の特別席みたいなところへ案内された。


「お好きな席へどうぞ。」


 店員さんがそう言って離れていく。セラは一番手前の席に座った。


「俺セラちゃんの隣いいー?」


 そう言ってカイがセラの隣の椅子へ手を掛けたが、リリアがそれを見て文句を言う。


「カイさん!こういう時は婚約者に遠慮するもんですよ!」


「えぇー。」


 大げさに肩を落とす。カイは何かを請うようにセラを見ていたが、セラが首を振ると渋々と言った様子でノアに譲る。


 私は思わず苦笑した。


「ノアパイセン。ここどうぞー。」


 カイが芝居が勝ったように声を掛けると、


「……。」


 ぴたり、とノアの動きが止まった。


「ノア先輩?」


 リリアが不思議そうに呼ぶ。


「あ、うん!」


 慌てたように返事をすると、ノアはセラから一番遠い席へ座った。


(え。)


 思わず瞬きをする。


(そこ座るんだ。)


 前だったら「隣いい〜?」なんて笑いながら来ていたのに、今日は目もあまり合わせてくれない。


(……やっぱり怒ってるのかな。研究の時、本当に心配を掛けちゃったから。)


 そう思うと少しだけ胸が痛んだ。


「え!?あのノアさんが遠慮した!?」


「じゃあここもらうねー」


 リリアが驚く。カイはここぞとばかりに椅子に手をかけた時。


『ガタン』


 ノアが突然台パンして、部屋の空気が固まる。 ノア先輩は自分でも驚いたように手を見つめ、慌てて引っ込めた。


「……どうしたんだい?珍しいね。ノアが取り乱すなんて。」


 さすが王子というべきか、持ち直したレオンの言葉にノアは瞬時に耳を赤くした。


「ノア先輩?」


 私が声を掛けると、


「な、なんでもないよ〜。」


 いつもの調子で笑うけれど、少しだけ笑顔が引きつっているように見えた。カイは何かに気づき、一瞬表情をなくす。


 リリアはそんなノアとカイを見比べた。リリアは何かを察したように目を丸くすると、顔を明るくしたが、他のメンバーは心配そうにノアを伺う。


(……本当に?なんでもないの?)


 そう思った、その時。


「じゃあ俺、座るねー。」


 慌てるようにカイが再び私の隣の椅子へ手を掛けるがリリアが急いで手を上げた。


「はい!私、セラの隣がいいです!」


「えぇ〜?」


 カイが不満そうな声を上げる。


「さっきも言ったじゃないですか。」


 リリアは胸を張る。


「婚約者がいるんですから、ちゃんと遠慮してください!」


「……。」


 カイはわざとらしく肩を落とした。そのままリリアは私の隣へ座る。


「ありがとう、リリア。」


「えへへ。」


 嬉しそうに笑うリリア。ノアは安心したように小さく息を吐いた。


(?やっぱり婚約者には貞操(?)を求めてるってこと?……?)


「……じゃあいい?」


 レオンが静かに口を開く。


「今日は夏休みお疲れ様ということで、気楽に楽しもう。」


 その一言で食事会が始まった。変な空気ではあったものの、料理が運ばれてくると、自然と会話も弾み始める。


「セラ、このリピエノ美味しい!」


「本当だ!」


 リリアが嬉しそうにスプーンを差し出してくる。そんなやり取りをしていると、ふと視線を感じた。


 顔を上げる。ノアと目が合った。


「……!」


 その瞬間、ノアはびくっと肩を震わせ、慌てて料理へ視線を落とした。


(やっぱり私、他にも何かしたのかな?)


 理由が分からず首を傾げる。


「シオン。私ノアさんに何かしたかな?」


 セラは目の前にいたシオンに話しかける。


「……さあな。」


 シオンの回答にセラはまた首を傾げる。


 以前みたいに距離が近くない。どこか一歩引いて接しているような、不思議な感覚があったからだ。


(シオンまで……?いつもなら『お前が何かしたんじゃないか』くらい言いそうなのに……)


 夏休み前と何か違う。


 うまく言葉にはできないけれど、みんな少しずつ様子が変わっている気がした。


 波瀾万丈な夏休みが終わった。

ちょっと小話!


席順!


シオン カイ ノア

 テ ー ブ ル

セラ リリア レオン



これみるとカイが一番偉そうですが、ここはゲームの世界なんで、あんまりそういうのないです、

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