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私を何度も殺してきた人たちと恋愛したら、ヤンデレ化された件  作者: ニアン
文化祭編

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18.文化祭ー昼の部

評価してくださった方、ありがとうございます!

 ニナに手を引かれ、人混みの中を歩く。


「ちょ、ちょっとニナ!引っ張りすぎ!」


「だって早く会わせたいんだもん!」


 模擬店の間を縫うように進み、噴水広場へ出る。

 噴水の縁に腰掛けていた一人の青年が、こちらに気づいてぱっと顔を上げた。


(……え…?……うそ……先生…?)


「あっ!ニナー!やっと来た!遅いぞー!」


 青年は大きく手を振り返すと、そのまま駆け寄ってくる。


「お兄ちゃん!」


 勢いよく駆け寄ったニナは、セラの手を離し、そのまま兄の腕に抱きついた。


「元気だった?」


「元気元気!ニナこそ楽しんでる?」


「もちろん!」


 二人は顔を見合わせて笑う。一方セラはニナに放された手を差し出したまま固まる。


「でね!紹介したかった子がいるの!」


 ニナはそんなセラの背中をぽんっと押した。


「この子!セラっていうの!」


「は、初めま、して…」


 カチコチとぎこちなく頭を下げると、青年は目を丸くしたあと、にこっと笑った。


「あー!君がセラちゃんか!俺はエミル・アスターそんな緊張しなくても、取って食ったりはしないから!笑って、笑って!」


(…やっぱりエミル先生だ……でもなんか違う?)


ーーエミル・アスター


 伯爵家長男。髪は少しくるくるとした明るめの茶髪。目はペリドットのような緑色。……私の二周目の家庭教師…



「ニナから話は聞いてるよ! 『すっごく優しくて、綺麗で、でもたまに天然』って!」


「ちょっとお兄ちゃん!?」


「あはは。」


「いや、『あはは。』じゃなくて!なんで言っちゃうの!」


 兄妹そろって笑い出すが、ボーッとしているセラに気づいたエミルが声をかけてくる。


「どうした?」


(まだ理解が追いついてないんだけど…一言も妹がいるなんて言ってなかったし…あ、ファミリーネームは?)


「……えーっとファミリーネームが違うんですね…」


「あー、それ?」


エミルはあっけらかんと笑う。


「事情があって名字だけ違うんだ。でもちゃんと兄妹だから安心して!」


(え!?なにも安心できない!私デリカシーのなさすぎる質問しちゃったじゃん!……じゃあ本当にエミル先生ニナのお兄さんだったんだ…でももっとおとなしい性格だったというか)


 さらに顔を曇らせると、何かを感じ取ってニナがエミルに怒る。


「お兄ちゃん!言い方!セラ、多分思ってるようなこととは違うから安心して!両親も一緒だし、一緒に育ってるから!」


「あっ!ごめんごめん!そういうことだから!セラちゃん改めてよろしく」


 そう言って、気持ちいいくらい爽やかに手を差し出してくる。一瞬戸惑ったものの、あれは過去のことだとセラもその手を握り返した。


「……よろしくお願いします。」


「敬語!?いやいや、ニナの友達なら気軽に話してよ!身分もセラちゃんの方が何百倍も偉いし!」


「そうそう!ほら、お兄ちゃんもこう言ってるし!」


 二人に一斉に言われ、考えていたことが馬鹿らしくなり始めて、セラは思わず吹き出す。


「じゃあ、お言葉に甘えて。」


「それでよし!」


 エミルは満足そうに笑い、和やかな雰囲気になる。


「あ、そうだ!」


 そこで突然エミルがぱんっと手を叩く。


「せっかくだし、一緒に回ろう!一人で寂しかったんだよねー」


「賛成!」


 ニナが真っ先に手を挙げる。


「セラもいい?」


「え?もちろん……でも、たまには兄弟水要らずで話したくない?」


「全然大丈夫だよ!一週間に一回は手紙のやり取りしてるし。」


「寧ろ俺が二人でお楽しみのところお邪魔しますって感じだから!」


 エミルが笑う。


「一人増えたほうが楽しいじゃん!」


「じゃあ決まり!」


 ニナはセラの腕を抱き寄せた。


「じゃあ、しゅっぱーつ!」


 そう言って笑うニナにつられ、三人は人で賑わう通りへ歩き出した。




♡ ♡ ♡




ーー数時間後


 射的したり、魔法薬の調合体験だったり、いろいろ兄妹たちと遊んだ。遊べば遊ぶほど、()()()()()()()()が同一人物だとは思えなくなってきた。


(……ものすごい分厚い猫被ってたのかな…)


 その時、突然声をかけられた。


「エミル?」


 聞き慣れた男性の声。


「おーい!エミルじゃないか!」


 その声に振り向いたエミルは驚いたような顔をする。


「エリアス?おお!憧れてた教師職につけたんだな!」


(え?エリアス先生とエミル先生って友達なの?)


 戸惑っているとニナが説明してくれる。


私たちの実家(クローヴィル子爵家)ヴァインベルク子爵家(エリアスの実家)は領地が隣同士だから代々仲がいいの。今はアスター伯爵家(エミルとニナの実家)の後継だけど、クローヴィル領でお兄ちゃんは育ってるから私たち兄妹はエリアスと幼馴染ってわけ!特にエリアスとお兄ちゃんは同い年だし!」


「え!そうなの!初耳なんだけど!」


「えへへ、ごめん」


 セラはエリアスとエミルの会話に耳を傾けた。


「最近、エミルが領地経営で忙しそうだから寂しかったよ」


「すまんすまん!でもエリアスも教師になったこと教えてくれなかったじゃん!お互いさまだって!」


「私は、まだ授業を持ててないから、それがひと段落ついたら話そうと思ったんだよ」


「えー?言い訳?」


(ふふ。エミルさんニナに少し性格が似てる気がする………あれ?そういえばエリアス先生の方が()()()()()っぽい…?)


 セラの疑問が形になりそうなところで、


「セラ!そろそろ交代!」


「あっ!リリア!やった!リリアも紹介できるじゃん!」


 エミルとエリアスの会話も止まる。


「ああ、そういえばセラさんは生徒会に所属してましたね。」


「ん?そうなのか!?すごいな!優秀なんだな!」


「うわーん!せっかくリリアが帰ってきたのにー」


 ニナがめんどくさくなりそうだったので、颯爽とお別れの挨拶をする。


「エミルさんありがとう!楽しかった!じゃ、ニナもまた寮で」

ちょっと小話!


実はニナとエミルの両親は、どちらとも跡取りだったため、ちょっとややこしいことになっています!恋愛結婚だそうです!

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