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私を何度も殺してきた人たちと恋愛したら、ヤンデレ化された件  作者: ニアン
文化祭編

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18/62

17.文化祭ー朝の部

ーー文化祭当日。


 まだ朝早いというのに、学園はすでに活気に満ちていた。

 正門には保護者や来賓が次々と訪れ、校舎の前では最後の飾り付けをする生徒たちが忙しなく行き交っている。


 色鮮やかな旗が風に揺れ、どこからか焼き菓子の甘い香りが漂ってきた。


(始まったんだ……。)


 この光景も、何度見ただろう。けれど、生徒会として迎える文化祭は初めてなので少しだけ緊張しながら、生徒会室の扉を開く。


「おはようございます。」


「おはよう。」


 すでに全員が揃っている。


 机の上には巡回表や校内地図が広げられ、文化祭当日の慌ただしさを物語っていた。


「それじゃあ、最終確認をするね。」


 レオンは資料を手に全員を見渡す。


「今日は巡回を中心に動く。迷子や怪我人の対応、魔法事故の確認。それから、各クラスから応援要請が来たらその都度対応。巡回は朝の部はシオンとカイ。昼の部は私とリリア嬢。夜の部はノアとセラ嬢。みんな無理だけはしないように。困ったらすぐ相談して。」


「はい!」


 リリアが元気よく返事をする。


「俺はセラちゃんと一緒がよかったー。」


 カイが欠伸混じりに言うと、


「まあ、カイとセラ嬢が一緒に行動すると、仕事にならなそうだったから。」


 レオンが呆れたように返す。


「え〜。」


 そんなやり取りに思わず笑みが零れる。レオンも苦笑しながら手を叩いた。


「それじゃ、仕事もあるけど、せっかくの文化祭だからね。みんなも楽しんできて!」




♡ ♡ ♡




 生徒会室を出ると、学園はすっかりお祭り一色になっていた。


 あちこちから呼び込みの元気な声が聞こえてくる。


「いらっしゃいませー!」


「限定メニューでーす!」


 楽しそうな笑い声が重なり合い、普段は静かな学園とは思えないほどの賑わいだ。


 その光景を見渡して、セラは小さく息をついた。


(……やっぱり文化祭って好き。)


 何十回も見てきた景色。

 それでも、この日だけは学園全体がきらきらと輝いて見える。


「セラー!」


 聞き慣れた声に振り向くと、人混みをかき分けながらニナが大きく手を振っていた。


「待ってたよー!」


 その隣では先に生徒会室を出ていたリリアも嬉しそうに微笑んでいる。


「お待たせしました!」


「待ちくたびれた〜!早く回りたくてうずうずしてた!」


「ニナ、さっきからずっと『セラおいて早く行きたい!』って言ってたんだよ。」


「リリア!それは冗談じゃん!」


「ふふっ。」


 二人のやり取りに、思わず笑みがこぼれる。


「じゃあ今日はいっぱい楽しもう!」


「もちろん!」


 三人は顔を見合わせると、人で賑わう通りへ歩き出した。




♡ ♡ ♡




 最初に立ち寄ったのは、中庭へ並ぶ屋台だった。甘い綿あめ。色鮮やかな果実飴。魔法で冷やされたジュースは光を反射してきらきらと輝いている。


「うわぁ……。」


 ニナが目を輝かせた。


「全部食べたい。」


「まだ始まったばかりだよ?」


「だから困るの!」


 腕を組んで真剣に悩み始めるニナに、セラは思わず吹き出した。


「そんなに悩む?」


「人生を左右する選択だから。」


「大げさだよ。」


「大げさじゃない!」


 リリアも笑いながらクレープの屋台を指差す。


「ねえ、セラ、ニナ、あれ食べたいです!」


「え、さっき菓子パン食べたよね?」


「デザートは別腹でしょ?」


「私もやっぱりクレープにする!」


「……二人が食べるなら私も」


 二人が買おうとしているのをみて、羨ましくなってきたセラも含め結局三人でクレープを買った。それぞれ違う味を選ぶ。


「一口交換しない?」


 リリアが二人に自分のイチゴのクレープを見せながら言う。


「いいよ!」


「え!リリア天才!セラのラムレーズンも気になってたんだよ!結局チョコにしちゃったけど」


 少しずつ交換しながら歩く時間が、なんだか無性に楽しい。


(……なんだかんだで二人と一緒に文化祭を過ごすのは初めてだな。)


 そんなことを思っていると、


「セラ?」


 リリアが不思議そうに顔を覗き込む。


「なんか今日、よくぼーっとするね?」


「え?」


「文化祭楽しみすぎて魂飛んでる?」


 ニナがニコッと笑いながら冗談混じりに言う。


「そんなわけないでしょ。」


「じゃあ大丈夫!」


「その基準は何?」


 くだらないやり取りに、また笑いがこぼれた。




♡ ♡ ♡




「そういえば、もう少しでリリアの巡回の時間じゃない?」


「あっ!楽しすぎて全然忘れてた!今日は一日がすごい短い気がする!」


 そう言って笑うリリアはとっても楽しそうだ。なんなら、今まで見てきた中でも最高級に可愛いかもしれない。思わず見惚れてしまった。


「え!生徒会って大変だね!ずっと一緒にまわりたかったよ〜」


 大袈裟に落ち込むニナの頭をリリアが撫でる。


「三人でまわれるのは最後だけど、夜はいっしょにまわれるから」


「私は夜一緒にまわれないけどね」


「じゃあセラもってこと!?えーー!なんで生徒会なんて入っちゃったの〜忙しすぎて全然一緒にまわれないじゃん!」


 ニナを宥めながらリリアを送り出す。しばらくすると、ニナも立ち直った。突然いたずらっぽく笑う。


「よし!本当はリリアにも会わせたかったんだけど……お兄ちゃんに会いにいこ!」


セラは目を丸くした。


「え?お兄ちゃん?」


「いるのは知ってたけど、今日来てるの?」


「うん!」


 ニナはセラの手を掴んだ。


「はやく! 絶対紹介したかったんだから!」

ちょっと小話!


実は巡回のペアはノアとレオンが決めました!上級生が一年生をカバーする形になるようにしたらしいです!

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