表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私を何度も殺してきた人たちと恋愛したら、ヤンデレ化された件  作者: ニアン
生徒会編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/62

10.生徒会始動!

ーー放課後。


 セラは生徒会室の前に立ち、小さく深呼吸をした。


(……よし。)


 コンコン、と扉を叩く。


「失礼します。」


「いらっしゃい。」


 扉を開けると、レオンがいつもの柔らかな笑顔で迎えてくれた。


 最初は、昔のお見合いのことを思い出してレオンに少し気まずさを感じていたけど、生徒会に入り、毎日顔を合わせていたら、いつの間にか慣れてしまった。


 部屋の中にはすでに何人か集まっている。


 ノアは窓際の席で帳簿をぱらぱらと眺め、シオンは机に広げた資料に目を通していた。


 そして。


「セラちゃーん。」


(…またか。)


 視線を向けると、カイが嬉しそうに手を振っている。


「こっち座ろ。」


「全然間に合ってます。」


「返事になってないって〜」


 大袈裟に肩を落とすカイ。


「こないだはっきり振ったじゃないですか。」


「『まず仲良くなる』って言ったじゃん」


「……はい。聞きました。だったら、まず適切な距離感を覚えてください!」


「距離感って縮めるためにあるんじゃない?」


(そうじゃない!)


 最近は何回も同じようなやり取りをしているけど、ここまで継続されると不気味なものがある。


(……この告白を受けたら断罪はどうなるのかしら…もしかしたら……)


 セラは希望を見出し始めたが、すぐに考えを打ち消す。


(……いや、ないわ。今までだって最後にはみんなリリアのことを好きになってた。少し関わっただけで変わるなんて、そんな都合のいいことあるわけない。何十回も見てきたんだから知ってる。今は違っても、最後にはちゃんと元に戻る。)


 セラが思わず遠い目をすると、小さな笑い声が聞こえた。


「ふふっ。」


 レオンが肩を震わせながら笑っている。


「ごめんごめん。なんだか面白くて。」


「笑い事じゃないです!」


「まあ、確かにカイの距離の詰めかたは異常だね。」


「そうだよ〜。」


 ノアが帳簿から目を離さないまま口を挟む。


「初対面であそこまで距離詰めないし〜。」


「ノアパイセンがのんびりすぎるんすよ!」


 部屋中がくすくすと笑いに包まれる。


(なんか今までのループでは見れなかった攻略対象者たちの一面が一気に見えるようになったなぁ……まあ今までは関わってこなかったってのもあるけど。)


 そんなことを考えていると、レオンがパン、と軽く手を叩いた。


「それじゃあ、始めようか。」


 一瞬で空気が切り替わる。


 さすが生徒会長だ。


「一週間経ったから、本格的に生徒会業務を始めようと思う。難しい仕事は任せないよ。まずは、生徒会でどんな仕事をしているのか知ってもらうところからかな。」


 そう言って机の上に積まれた書類を示す。


(……思ったより多い。)


 思わず固まるセラを見て、レオンは苦笑した。


「そんな顔しなくても大丈夫。全部今日終わらせるわけじゃないから。」


「安心した……。」


「それでも今回は結構あるけどー。」


 カイが笑いながら肩をすくめる。


「生徒会って意外と地味な仕事ばっかなんだよー。」


「だからこそ大事なんだけどね。」


 レオンはそう言って、手元の紙を見た。


「じゃあ、役割を割り振るね。」


「ノアは会計帳簿の確認。」


「は〜い。」


「カイは備品管理。」


「え〜。」


「去年、書類整理を任せたら途中で紙飛行機作って遊んだから。」


「一回だけじゃないすか!」


「十分です。」


 レオンがにこやかに却下する。


 部屋に笑いが広がる。


「シオンくんとセラさんとリリアさんは、この書類を年度ごとに仕分けしてくれる?」


「わかりました!」


「終わったら私が確認するから、わからないことがあったら聞いてね。」


「ありがとうございます。」




♡ ♡ ♡




 書類を受け取り、シオンの向かい側へ座る。


 二人で黙々と紙を分け始めた。


 思ったよりも集中できる。


 部屋の中には紙をめくる音だけが響いていた。


ーー三十分後。


「セラちゃん。」


(来た。)


 これで四回目だ。いい加減にしてほしい。


「暇。」


「カイ先輩、備品管理は終わったんですか?」


「まだ。」


 セラは平然と言い切るカイに驚愕する。


「じゃあ終わらせてください。」


「冷たー」


「次来たら普通に怒りますよ!?業務妨害です!」


 すると。


「……先輩。」


 シオンが顔を上げる。


「なにー?」


「生徒会役員としてそれはどうなんですか?セラも迷惑しているじゃないですか。だいたいーーーー」


 シオンの長ったらしい説教が始まったのを感じ、セラはセカセカと仕事に戻る。


「うわ、なげー。」


「ーーだから、終わってないなら戻ってください。」


「えぇ〜。」


 不満そうに口を尖らせるカイ。


「シオン君さぁ、俺にだけ厳しくない?」


 二人のやり取りを見て、リリアが吹き出した。


「ふふっ……。」


「リリア?」


「いや、ごめん。」


 笑いを堪えながら言う。


「シオンくん、さっきからカイがセラさんに話しかけるたびに気にしてるなって」


 ピシリと聞こえるくらい、突然シオンの体が固まった。


「え?」


 カイがにやりと笑う。


「ほんとだ。」


「……。」


「俺、なんだかんだシオンに全部追い返されてるー」


「仕事をしてもらってるだけです。」


「へぇ〜。」


「本当ですよ。」


「必死ー。」


 カイが笑う。


 シオンの耳が少しだけ赤くなった。


(うわっ、怒ってる。)


 しかし、周りを見ると、リリアはどこか面白そうに笑い、レオンは穏やかな笑みを浮かべたまま静かにこちらを眺めていた。ノアはそんな空気には興味がないと言わんばかりに帳簿へ視線を戻している。


(……?なんか変な悪寒が……気のせい?)


 不思議に思いつつも、この和やかな雰囲気に身を任せる。


(……まあ、今だけだよね。)


そう自分に言い聞かせながら、セラは目の前の書類へ視線を落とした。


――その”今だけ”が、少しずつ当たり前になり始めていることに、本人だけがまだ気付いていなかった。

ちょっと小話!


実は二年生の他の上位二人と三年のもう一人は生徒会入りを断っています!

……まあそこはゲームのご都合主義的な理由ですよね…


シオンとセラが入らなければ、一年生はリリアの恋愛お助けキャラが入る予定でした!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ