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7度の婚約破棄から幸せにたどりつくまで  作者: 瀬崎遊


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 二週間、毎日シューレの仕事終わりや仕事始めにデートした。

「お疲れではありませんか?一度ゆっくり休まれたほうが・・・」

 毎日の仕事とデートでは体を壊すのではないかと心配した。

「そんなにやわじゃないから大丈夫だよ」

「だといいんですが・・・」


「十日後の夜会の話を聞いているかい?」

「はい。王宮での夜会があると聞いています」

「私のパートナーとして出席してくれる?」

「私でよろしいのですか?」

「アマンダ嬢がいいんだ」

 シューレの笑顔に私の顔も綻んだ。

「喜んで」



 休日にはマーベラスの屋敷でゆっくりした。

 私はゆっくり出来るけどシューレは忙しすぎる。

 勤務体系が朝番や、昼番に遅番まである。

 その合間合間に会える時間を作ってデートである。

 男の人って本当に大変。


 ソファーに並んで話していたらシューレからの返事がなく、顔を覗き込んだら目をつむり寝息を立てていた。

 毛布を頼み、シューレに掛ける。

 顔をゆっくり眺める。まつ毛長いな〜唇はちょっと薄い。

 開いている時は、その強さが現れる目がとても好きだと思った。


 あまりにも見つめすぎたのか、まぶたが震えて目が開かれる。

 ハッとしたシューレがにやりと笑った。

「眺めていたの?」

「はい。綺麗な顔だな〜と思って。目が一番好きだとも・・・」

 シューレの顔にどんどん赤みがさしてきた。

 クスとわざと笑って「恥ずかしくて死にたくなりましたか?」

 そう、問うてみた。


 倍返しされた・・・。恥ずかしくて死にそうです。



 

 夜会の日、早めに来たシューレが話があると言った。

 マーベラス邸の応接室に二人でいた。

「出会ってまだ一ヶ月も経たないけど私は君に側にいて欲しいと思う」


 私の前に跪き、ころりとした箱を取り出しこちらに向けて開く。

「君を誰にも渡さなくていい立場が欲しい」

 私は口元を両手の指先で押さえ、漏れ出る声を抑える。

 涙がポロポロとこぼれ落ちた。


「婚約ではなく、結婚してくれないか?」

 私の事を考えて婚約ではないのだろう。 

 私は一度頭を縦に振り「はい」と答えた。

 シューレが箱の中から指輪を取り出し私の指に婚約指輪と結婚指輪の両方をはめてくれた。

 指輪のサイズがぴったりで驚いていると「寝ている時にヴィーノに測ってもらった」と笑った。

 対になったもう一つの結婚指輪を私に渡しシューレの左手が差し出される。

 私は受け取って一度ギュッと握り、シューレの左手の薬指にゆっくり指輪を差し込んだ。


 シューレが、私の左手を皆に見せ、自分の左手も差し出して見せた。

 全員からおめでとうをもらい、また涙が溢れた。


「きゃぁーーっ!!」とニーカが叫び、メイド達を呼び寄せる。

「早くお化粧を直して!これから夜会なのよっ!!」

 ニーカの叫びに涙が止まり、男性陣が追い出され私の化粧が直されていく。

「本当に良かったわ〜。これで親戚になるわね」

「はい」

「アマンダのお父様に許可を貰いに行かなくてわ」

「お父様、許してくれそうかしら?」

「多分、大丈夫だと思います」

 シュッテがヴィーノを呼び「取り敢えず早馬で今日の出来事送って置いてくれる?互いの都合を合わせて挨拶に伺いたいと言っていることも」

「かしこまりました」


 元通りの綺麗な顔に戻ってシューレが呼ばれ、男性陣が入ってくる。

「綺麗だ・・・」

「シューレも素敵です」


「二人の世界はわかるけど、今から夜会ですからね」ニーカがジト目で私達を見る。

「シューレはこの後の段取りも考えないと」

 マーベラスが真剣な顔でシューレに言う。

「いろいろ助けてください」

「ああ。出来ることなら何でも言ってくれ」


 執事が「お時間でございます」と扉を開ける。


 私達は三台の馬車に分かれて出発する。

 手を繋いで私の婚約指輪と結婚指輪をくるくる回す。

 そこにはまっていることを確認するように。

 さっきのシューレを思い出して涙がこぼれそうになるが、グッとこらえた。

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