↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
2/4

二.祝、ドラゴン祭り開催!

 写真には、砂浜の上に横たわる謎の骨。

 添えられた文章は――


《これ、どう見ても……ドラゴンの頭蓋骨だろ》


 ――と、これだけだった。


 ところが、SNS界隈(かいわい)というものは恐ろしい。

 インターネットの海に、突如現れた巨大な幻獣を前にして一斉に牙を剥いた。


《キタキタキタ、キターッ!  ドラゴン、キターーーッ!》

《鼻先の形が完全にドラゴンのそれだーーっ!》

《いや待て、角の生え際が完全に古代種だぞ》

《古代のドラゴンがイギリスにいた証拠だ!》

《イギリス政府が隠蔽する前に、大英博物館に知らせろ!》

《これは、政府というより王室が……》

《MI6に消される前に、世界中に拡散するんだ! 》


 気づけば骨は世界中を駆け巡り、陰謀論まで出る始末。

 「#リアルドラゴン発見」「#イギリスの竜」といったハッシュタグは、

 数時間でトレンドのトップへと躍り出た。


 誰かが「ドラゴンの頭蓋骨」と題して画像を加工し、

 炎を吐くドラゴンのイラストと並べれば、

 別の誰かは、骨の輪郭を赤線でなぞって――


《ここが角! ここが顎! 間違いない!》


 ――と断言した。

 

 さらに誰かが――


《ついにドラゴンが見つかった!》


 ――と投稿したすれば、

 それを見た別の誰かが――


《ドラゴン祭り絶賛開催中!》


 ――と書いた。


 ネットの住人たちは、古代のロマンに脳を焼き尽くされ、

 夜を徹して想像上の翼を羽ばたかせた。

 誰もがそのトゲトゲした骨片に、強大な翼竜の面影を重ねて熱狂していたのだ。


 こうして、砂浜に打ち上げられた奇妙な形をした骨片は、

 いつの間にか世界規模の祭りの御神体に祀(まつ)り上げられていった。 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。