95.勉強会スタート
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今日1つだけの投稿になります。かなり長めです!
勉強会をする部屋に入るとすでに農業大臣やその部下らしき方達がいた。しかし椅子に座っているのは2人しかいなかった。
85名と聞いていたので半々でやるのでは?と思っていたみずほは大変混乱した。
すると申し訳無さそうな顔をしながら農業大臣が近づいてきた。後ろの数名の部下もお通夜状態である。
「みずほ様大変申し訳ありません。午前中は55名ほど参加予定でしたが、先程一部の責任者達から参加不参加の連絡がありました。」
当日ドタキャン?しかもその人数っておかしいよね···
すぐに「どうして?」と聞いてみた。
「それが文字を覚える必要はないと思っている人達が徒党を組みまして、、、山側で生計を立てている農民は全て参加しないそうです···」
「ちなみに今来ている2名は?」
「彼らは海側の領地で働いている親子です。」
良くわからないけど海と山では仲が悪いのかな?そもそも海と山があることすら知らなかった。それに海側も2人だけなのか···聞いてみるしかないか···
参加してくれた親子の前に行くと「こんにちは。私の名前はみずほと言います。 今回参加してくださりありがとうございます。どうして参加しようと思ったのですか?」直球で質問をした。
すると父親は緊張で目がキョロキョロだ忙しなく動いていた。自分達2人しかいない事は分かっていたが実際に異世界人を目の前にしたら緊張で言葉が出なかった。そんな父親の様子に子供が親を肘で思いっきりつついた。「ぅぐ、イタッ····」
「すみません。父さんが話さないので僕が説明してもいいですか?」と呆れながら子供がみずほに話しかけた。
「もちろんいいですよ!教えてください。」
「僕たち元々山側で働いていていました。自分達の土地は持っていませんでしたが、借りた土地を利用し作物を育てていたのですが、ここ何百年と領主からの税が増加し家計が圧迫していたことや、父が離婚したことで他の農家の方々から差別され、心機一転するために海側に住居を移動しました。しかし作物が育たないのです···さらに海側は外国の船と直接農家がやり取りすると聞きましたが、僕は読み書き出来ません。作物を作ったとしても売ることが出来ない···そんな状態だった僕達にこの話がもたらされた時、運が味方したと思いました。」ハァハァと一気に話した子供は息切れと突然泣き始めた。
シクシク···ぐぅぅ、、
あまりの急展開にみずほは話についていけなかった···
何故来てくれたのかもっと明るく話してくれるのかと思っていたが、話す内容はドロドロしていた。これが竜人国の闇なのか、それとも当たり前なことなのか···良くわからなかった。
ただ言えることはこの親子がこの勉強会に気合いを入れてきたことだけは分かった。
泣いてしまった子供に声を掛けようとしたところ、
「すみません。すみません。処罰は私1人だけにして下さい。」と今度は父親が土下座をして謝り始めした。
困ったみずほは農業大臣を見つめ「良くわからないのだけど、どこに謝る要素があった?」と質問をした。
すると何故か俯いたまま返事を返さない農業大臣にさらにみずほは困惑した。
どう対応して良いのか困っていると、1人の文官が声を上げた。
「みずほ様、突然失礼します。私は農業大臣の部下の1人ファントムと申します。少しだけ私から説明させて頂いてもよろしいでしょうか?」
うんと頷いたみずほは話をするように促した。
「ありがとうございます。簡単に竜人国の地域の説明をします」
竜人国は大まかに3つの地域に分かれています。
1つが内陸と言われている私達が今いる場所になります。隣国と陸路で接しているため商売が盛んに行われておりとても栄えています。古い考えを持つ竜人国の中では新しい文化、新しい食事の最先端であり、比較的柔軟な考えを持つ者が多いです。
2つ目が海側です。こちらは農作物が育ちにくい土地であるため自分達で食料を賄えるほど農業が盛んではありません。また目立った産業もないため貧困層が多いです。ただ海から船でやって来る隣国との貿易で魚の販売などを行っています。
3つ目は山側です。こちらは農業や採掘が盛んな土地となります。
小麦の収穫量が1番多く、採掘では宝石の発掘量が竜人国で1番多い場所となっております。
また山側は1番安全と言われている住処のため1度は住んでみたい土地と言われております。
そして····前王妃陛下は山側出身となります。
ここまでは大丈夫でしょうか?
うわぁなにそれ···みずほは面倒くさいなと思った。
「うん、そこまではわかったよ!要するに山は農業と宝石採掘で栄えている街で合っているかな?それと前王妃陛下の出身地を非難したから処罰されると思っているの?」
「はい、そうだと思われます。山側は宝石等で儲けているため潤っています。そのため内陸とは違った雰囲気ですがきらびやかに栄えています。また金がかかる街とも言われており、普通の庶民は長生い人生の中で1度は住むことができても長く住むと大体の人が破産します。金持ちのための地域だと思っていただきたいです。そして保守的な人間が多く、新しいものに対して否定的です。」
何となくイメージがついた。富裕層が多く住んでる金持ち都市だよね、、、この都市にカジノとかがあったら大変だっただろうな···
「分かったよ。話してくれてありがとう!文官君詳しいねー?」
「あの、私もこの親子みたいに片親なのです。元々は山側に両親と住んでいましたが、母と父が離婚し内陸に移り住みました。そのためこの親子の気持ちが痛いほどわかります。」
「そうなんだ。わかったよ。ありがとう!!!」
こんな感じの親子が多いのかもしれないな···離婚率が高いって聞いていたし、離婚すると男性側が不利になるって言ってたもんな〜きっとこの親子も大変だったはず···
未だに泣いている子供とその父親に話しかけ
「文官が話していたことを聞いていた?貴方達も色々あって大変だと思うけれど一緒に頑張りましょう!!」と伝え2人に握手を求めると恐る恐る手を握ってくれた。
2人とも手がゴツゴツとしていた。爪には土が入り込みひび割れがあった。後々問題になってきそうな山側は放置して、とりあえず頑張りたい者たちにだけ教えていこうと決意したのだった。
始まるまでにかなりの時間が過ぎてしまった。そのためみずほは「2人とも今日この後は予定入れてる??」と聞いた。
「いえ、入れてません。」とやっと泣き止んだ子供が答えた。
「午後の部にも参加しない??」
「え?いいんですか??僕たち本当は海側の人達と同じように午後に参加する予定だったけれど、早く着いちゃったから午前の部に参加したんだ!でも怖い山側が居なくてよかった。」
「そうだったのね!それじゃあ1日参加してくれる2人には、美味しいご飯をプレゼントしようかしら?」
「いいの???食べたい!!!」
「いいよ!そしたら食べる前にこの数字は分かる?」
1.2.3........100まで書いてある表紙を見せた。
さらに掛け算の表も一緒に見せた。
「僕は10までは分かるよ?父さんは?」
「はははははははい。私は数字は分かります。けれど下の表は分かりません。」
「じゃあ君は100まで数字を覚えよう!お父さんは掛け算が分からないようですね。下の表は1.2の掛け算をご飯が来るまでに覚えましょう?覚えたらすぐにご飯が来ますよ!」
というと2人とも真剣になって勉強を始めるのだった。
その間みずほはエルフに農業大臣達や農民2人、騎士団長、みずほのご飯を作ってもらうように頼んだのだった。
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