怪しいダンジョン
「先ほどできたダンジョンは、もともと市内にある『株式会社オーニキ』の本社があった3.4階建てのビルがもととなっております。難易度はCみたいです」
ギルドセンターの職員さんが丁寧にそう説明してくれた。
「なるほど、こりゃあ裏がありそうだな」
ヒメジが腕組みしてそう言った。
「そうだ、一緒にダンジョン攻略しないか」
俺に向かってヒメジが唐突に提案してきた。
正直、ダンジョン攻略には俺たち初心者二人だけでは心もとないところもあるので、俺はその誘いに乗った。
「よし来た!ならばさっそく、ダンジョン攻略の準備の一環として外の公園に行くぞ!」
「え?」
俺はヒメジの発言に耳を疑った。
しかし、ヒメジはのしのしとギルドセンターから近くの公園へと移動していったので俺たちはついていくしかなかった。
近くの公園に着くと、ヒメジはヒカゲのリュックサックの中からスコップを取り出した。
そして、なんとそれですくった土を食い始めたのだ。
「ちょ、ちょっと何やっているんですかヒメジさん?!」
「これも立派な準備の一つだ。こうやって土を食うことで体を土属性に近づけるんだ」
言っていることが何一つ理解できない。
「あの、コウさん。師匠は吸血鬼が基本なんでも食えるのを利用して、土属性の魔法の威力を高めるために土を食べているのです」
ヒカゲが真相を教えてくれたおかげでなんとかヒメジの行為に納得が持てた。
結局ヒメジは10分ほど人目も気にせずに土を掘っては食べていた。
ヒメジが土を食い終えると、俺たちはダンジョンへ向かっていった。
もちろん、急いでいたのでヒメジが魔法で作った鉱石の竜で現場に向かうことにした。
五分ほどでダンジョンについた。
するとヒメジが今度はダンジョンの入り口付近の壁を削りとって変な機械で調べ始めた。
「あの…何やっているんですか…」
「ダンジョンの地質調査だ。一流冒険者はダンジョンに入る前には必ずこれをやる」
しばらく待っていると、ヒメジが驚きの表情を浮かべた。
「な、なんだこれ。ここはCランクダンジョンのはずなのに、地質の特徴がモロにBランクダンジョンだ!」
「…つまり、どういうことですか」
「このダンジョンは難易度偽装をしている可能性があるってことだ…」
ベニの質問に対し、ヒメジが衝撃の答えを発した。
難易度偽装。
今から一年前、どこかの県のダンジョンクリエイターが人を死なせたくないという善心で難易度を実際よりも高く表記したという事件があった。
その時はダンジョン神が直々にあらわれてそのクリエイターを解雇したことで解決ということになっていた。
なお、このことはニュースで大々的に取り上げられたため、俺がダンジョンにあまり興味がなかったころの話であるにも関わらず知っているのだ。
「周期乱れに難易度偽装…このダンジョン、一筋縄ではいかない可能性が高い…心して挑もう!」
ヒメジがそう言って俺たちを鼓舞した。
次回、明日の22:00以降に更新!
…すみません、11/30日に延期します…




