4-192 機神リュウグウノワダツミ
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深い場所から現実に戻った私は水底から飛び出し空高く舞い上がり――驚愕して天を見上げる黒鉄の機神兵目掛けて落下した。
「スターダストプレスゥ!」
『ッ!?』
超重量級のカメさん機神兵はのしかかるだけで破壊的な威力を発揮し、耐久型のクルガネザーシーも流石に無傷では済まず押し潰される様に転倒してしまった。
「ただのボディプレスゥ」
「言わないでよ、ノミコちゃん。カメさんにはこれで精いっぱいなんだから」
しかし私が繰り出したのはくるんと空中で一回転するスターダストプレスではなかったので、背後から見守るノミコちゃんは泥臭い攻撃に半笑いでツッコんだ。
「からの愛のハイフライフローッ!」
「だからボディプレスゥッ!」
「グオオオオ!?」
私はカメさん機神兵を走らせ地上で暴れていた天龍リンドヴルムにものしかかり、泥臭い絵面はともかくこちらにも大ダメージを与える。
「とどめに怒りのプランチャ・スイシーダッッ!!」
「やっぱりボディプレスゥッッ!!」
『ちょ、待っぬぎゃああッ!?』
最後に私は社長プレイでドローン兵器を飛ばして高みの見物をしていたサタナエルに突撃、全体重をかけて力任せに押し潰した。
「あーあ、こんなしょっぱい戦い方をして。プロレスなら空気読めってひんしゅくを買うよ」
「私は見栄えより実力が第一だから。棚〇より矢〇通派ですから!」
「怒られるよ? つーか矢〇通派ならもうちょっと知性を持って戦いなって。あれも搦め手オンリーで実力で戦うタイプじゃないと思うけど」
「細けぇ事はいいんだよ!」
堕天使や天龍や魔王が見てくれの悪いカメさんにワンパターン戦法で力任せに沈められる、それは例えるなら人気だけしか取り柄がない選手が悪役レスラーに一方的にボコられる感じだろうか。
実力はともかくあの人のおかげで人気が低迷した日本のプロレスは持ち直したわけだから、私も本音では社長さんを嫌ってはいないけどね。
「また一緒に戦えて嬉しいよ、カメさん」
いつの間にかコックピットに座っていた私は助けに来てくれたカメさん機神兵に感謝の想いを伝える。
ダルマオンナ事件の際に原初の泥に取り込まれた作業用機神兵が変化し、その後回収されたカメさん機神兵はNAROの研究施設でお留守番をしていたはずだけどどうしてここにいるのだろう。
もしも超常的な力で瞬間移動したのならきっと今頃職員の人はてんやわんやの大騒ぎだろう。でもその辺は後で謝っておけばいいか。
『新手……いや違う!?』
「一応リュウグウノワダツミっていう名前はあるよ。裏設定みたいなものだけど」
「この子そういう名前だったんだ」
ノミコちゃんは驚愕する智樹へそう返答し、私はその時初めてカメさんの本当の名前を知った。この子ってこんな強そうな名前があったんだね。
「説明は後! 私も戦うから!」
『こりゃまた随分とずんぐりむっくりした機神兵だなあ。けど助かった!』
『へへっ、これで三対三だな!』
ダウンしていた智樹はどうにか立ち上がり、天の助けにリアンは歓喜する。
少なくともこれで数の上では互角になったし後は全力を尽くすだけだ!




