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ゆめのおちかた~終わりに向かう二つの世界、小説家とアニメーターを目指す何者かになりたい若者と、夢破れたTSダメ親父が紡ぐ英雄のいない物語~  作者: 高山路麒
第四章 悠久のニライカナイ、黄昏の空を飛び続ける天龍【第一部4】

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4-97 ニイノの妄想ラブコメ劇場(ギャル×ショタ)

 スミ汁を飲みながら情報交換をしていると、ヒカリはほったらかしにしていたイルマに話題を振った。


「所でイルマは何でここにいるの? ゼンとかクスノキさんも」

「今更だね」

「遅くなったけどニーハオ、成り行きで異世界転移しちゃったゼンダヨ」

「えーと、闇医者のクスノキです」

「あ、ドモ」

「どうも」


 挨拶をするタイミングを逃したゼンとクスノキは自己紹介をし、現代軍と異世界軍入り乱れての挨拶合戦が始まる。


 イルマは少しツンデレっぽいけど、他の二人は見るからに友好的なのですぐに仲良くなれそうだ。


「そうそう、これお土産だヨ。長崎のカステラと、ついでに熊本モッコスで復興支援のイベントみたいなのをやってたからいろいろ買ってきたヨ。バラマキに良さそうだったからこれを選んだけど、マタンゴさん謹製のミナモト茶もあるヨ」

「ご丁寧にありがとうございますポ~」


 ゼンは律儀に手土産を用意しており、モリンさんは恭しくクマのゆるいキャラが包装紙に描かれた熊本銘菓を受け取る。


 中国人なのに日本の文化を理解しているなんて日本人よりも日本人らしいかもしれない。


「じぃぃいい」

「えと? 私の顔に何かついてる?」


 ただ彼女はすぐに仲良くなれるとして、ニイノは何故かクスノキさんを凝視していた。


「さっきからアマビコをチラチラと見てますケド、クスノキさんはうちの弟とはどういう関係デス? まさかピチピチショタを狙ってマス?」

「どういう関係、って」


 どうやらニイノは不審な挙動をしていたクスノキさんを怪しんでいた様だ。


 だけどクスノキさんも答えに窮していたので何かしらの理由はあるかもしれない。


「もう、姉ちゃんったら失礼だよ。どういう関係も何もさっき出会ったばかりだし」

「う、うん。気のせいだよ」

「むー」


 そこにアマビコが助け舟を出し、ニイノは不服そうだったけど弟の顔に免じてそれ以上の追及を止めた。


「……うん。クスノキさんとはさっき出会ったばかりだから」


 でもやっぱりこの反応は何かありそうだよなあ。アマビコの反応もなんか含みが感じられるし。


「でも気を付けるんダヨ、アマビコ。この人見るからにギャルっぽいカラ。ウブなショタとからかうギャルの組み合わせは鉄板ダカラ!」

「いや元ギャルじゃないよ!? 何言ってるのかな!?」


 ただやはりニイノも納得はしなかった様で警戒しながら愛する弟に忠告した。


 元ギャルって事は黒歴史っぽいし、あまりしつこく言わないほうがいいと思うけどなあ。


「それでからかいギャルはゲスな元カレとよりを戻しそうになって、でもショタは悪い男と思いつつもなかなか想いを伝える勇気を出せなくテ、だけど元カレはやっぱりゲスなままでギャルにひどい事をしそうになっテ、助けてショタ……! ってなっテ、僕のギャルに何をするんダーッ! って元カレをやっつけて、お互いの想いに気付いてハッピーエンドになったりするんダカラ! そうなったら駄目だヨ、アマビコ!」


 興奮したニイノは毎度お馴染みラブコメ妄想劇場を炸裂させて意味不明な事を語った。


 でもラストでハッピーエンドになるのなら別にいい気もするけど。


「ごめんちょっと何言ってるのかわかんないんだけど」

「あはは、すみません、クスノキさん。姉ちゃんはいつもこんな感じなんで慣れてください。エラは綺麗な魚類ですから」

「エラ? 根はいい子的な意味合いなのかな」


 困惑するクスノキにアマビコは独特な言い回しで姉のフォローをした。


 だけどこういう事が続けば自然と話す機会も増え、ニイノの想いに反して仲良くなってしまいそうだ。

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