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ゆめのおちかた~終わりに向かう二つの世界、小説家とアニメーターを目指す何者かになりたい若者と、夢破れたTSダメ親父が紡ぐ英雄のいない物語~  作者: 高山路麒
第四章 悠久のニライカナイ、黄昏の空を飛び続ける天龍【第一部4】

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4-64 怒れるゴリラのぬー!

 ドタドタドタ。


「ん? 何だこの音」


 が、ミトラへの尋問を続行しようとしたその時遠くから何か大きなものが動く音が聞こえてきた。


 なんだろう、生存本能を刺激する恐怖感を煽る不気味な音だけど。


「ゴリラじゃないのか?」

「そっかー。でも沖縄ってゴリラいたっけ。ゴリラ女房ならいるけど」


 リアンにもその正体がわからなかったが彼女はゴリラだと考えた様だ。これだけ大きな音を出すという事はきっと狂暴な魔獣なのだろう。


 ドタドタドタ!


 けれど足音は次第に大きくなり、はっきりとこちらに接近してくるのがわかってしまった。


「ん、なんかこれすぐ近く、」

「っ!」


 リアンはまだ脅威を認識していなかったが、ハナが疼いた俺は身の危険を察知しその場から離れた。


 間違いない、奴はすぐそこにいる!


「ウッホーッ!」

「ぶもー!」

「ぷひー!」

「ぷー!」

「ぴぎー!」

「「ギャー!?」」


 そしてイノシシに跨った豪雪アマゾネスは頑丈な壁を木っ端みじんに破壊し、俺達も人質のミトラも気にせず力任せに突入、リアンは反撃も出来ずに吹っ飛ばされてしまった。


「ミ、ミトラさん!」

「はぁ、はぁ、はぁ……ヒカリさん……」


 ヒカリはすぐに息も絶え絶えなミトラを認識、さらに艶めかしい吐息を吐く彼女の様子に何が起こったのかあらぬ誤解をしてしまったらしい。


「そんな……ミトラさんのポリコレがッ! ぬーんッ!」


 怒り狂った彼女は手錠を力任せに引きちぎりミトラさんの拘束を解除する。


 道具も使わず素手で破壊するってゴリラってレベルじゃねぇ!?


「ぬー! ぬーちらちかりんどーッ!」

「何言ってんの!? よくわかんないけど多分違うから!」


 おそらく沖縄の方言でキレたのだろうが、意味は理解出来なくともニュアンスはわかる。


 ヒカリはほとんど葉瀬帆で過ごしたらしいが、避難してきた地元民とのやりとりで沖縄弁うちなーぐちを覚える機会があったのかもしれない。


「くッ! ミトラ、俺を護れッ!」

「ッ!」

「ぐぇ!? ミ、ミトラさん!?」


 俺はやむを得ず催淫状態のミトラに指示を出す。


 彼女は戸惑いつつもヒカリを投げ飛ばし、助けた相手に攻撃された彼女は予想外の攻撃に受け身を取る事も出来なかった。


「大きな音がしたでヤンスが一体何が、って姐さーん!?」

「皆も逃げるぞ! 敵襲だ!」

「は、はい!」


 当然休憩していたメンツもすぐに駆け付け、サスケは急いで目を回して倒れていたリアンを担いで避難する。


 時間を空けずに拠点を突き止めすぐに追いかけてくるなんてNAROの追跡能力は化け物というより他ない。


 けれど感心している場合じゃない、このままでは全滅してしまう。どうすればこの状況を打開出来るんだ。


 だが救世主は俺が全く予想していなかった意外な人物だった。


「わー! うちが皆を護るんダー!」

「のおおん!?」

「ぶもー!?」

「ぷひー!?」


 ニイノは咄嗟に釣竿ランスでヒカリを一本釣りして吹雪にぶつけ、互いに頭をぶつけた両者は昏倒、うりぼうトリオは急いでぷひぷひと助けようとした。


「ニイノ!」

「今のうちに早ク!」


 無茶な事をしでかしたニイノに言いたい事はあったがおかげで時間は稼げた。


 消耗も激しくてもうまともに戦えないし、とにかく増援がやってくる前に急いでこの場を離れなければ。


 結局俺達は再び密林地帯に戻り、十分な休息を取れないまま満身創痍の状態で死のサバイバルを再開する羽目になってしまった。

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