4-56 VS 『泥棒猫』 リアン・ミャオ
決闘が始まり、こっちは拳で語り合うつもりだったのにリアンは開始早々義手のニードルガンを乱射する。
太い針のニードルガンは銃ほどの威力はなくとも貫通性能は高いので急所に当たれば普通に死ぬ。威力的には小型の弾丸程度だろうか。
何よりも鋭利な針はわかりやすく苦痛を想像させるので恐怖心を抱いてしまう。
恐怖を与えるという意味では原始的な武器のほうが得てして有効だったりするのだ。
「よっほっはっ!」
とにかく飛び道具がある以上間合いを詰めないどうにもならないので、私はジグザグに移動しニードルガンを回避しながら接近した。
「うおりゃー!」
私は攻撃が届く範囲まで近付いて渾身のラリアットを放ったけれど、命中する前に彼女は義手を天井に射出して逃げてしまった。
「そらよ!」
「ッ!?」
リアンは高所から爆弾の様なものを放り投げ私はすぐにその場から離れる。
爆弾は強烈な光と音を放ち、衝撃で私の頭は破裂しそうになってしまった。
「ごほ、ごほっ!」
爆発と共に生じた煙は催涙効果もあったらしく目がやられてしまい、仕方がないので野生の勘で戦う。
第六感でも気配とかでなんとなくわかるし問題は無い!
「ふん!」
風を感じた私は手を伸ばして握りしめる。当てずっぽうだったけど、『目を開けた時』『私は射出された針を掴んでいた』んだ。
「わお!? ミラクル!」
「のお!? なんちゅー事しやがる!?」
そのCG映像の様な奇跡にリアン以上に私の方が驚いてしまう。
同じ事をもう一度やれと言われてもきっと無理だろう。
ダルマオンナと戦った時も似た様な事があったけど、私はどうやら物凄く運がいいらしい。
この強運があればゴリ押しでもきっと勝てるはずだ。
「とおりゃー!」
私は戦いで壊れたバリケードの残骸を高い場所にいたリアンに力任せに放り投げる。
安全地帯にいると思い込んでいた彼女はミサイルの様な机の剛速球に目を丸くしてしまい、すぐに床に降りて退避した。
「チッ!」
「待って!」
着地したリアンはその場から逃げ出し私はすぐに彼女を追いかけ、単純な鬼ごっこ勝負では私の方に軍配が上がりすぐに距離を詰める事が出来た。
彼女はどこに逃げようとしているのだろう。だんだん周囲が明るくなってきたから屋外だろうか。
いや、どこでも関係ない。その前に捕まえて勝負を決めればいい。
「おらよっと!」
けれど眩い光とともに彼女は空を飛び、彼女に気を取られていた私は道が消えている事に気付いてしまう。
「わぁとっとっと!?」
私は急いで急ブレーキをかけて踏ん張ったけれど眼下には樹木が生い茂っていた。
運が良ければ木々のおかげで落ちても助かりそうだけど普通に死ぬレベルの高さだ。




