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ゆめのおちかた~終わりに向かう二つの世界、小説家とアニメーターを目指す何者かになりたい若者と、夢破れたTSダメ親父が紡ぐ英雄のいない物語~  作者: 高山路麒
第四章 悠久のニライカナイ、黄昏の空を飛び続ける天龍【第一部4】

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4-42 クエスト:チートスキル『マーラの渇愛』の実験

 敵も味方も可能な限り死人を出さずに穏便に済ませる――そんな無理難題が求められる戦いで、やはり鍵となるのは俺のバステ武器だろうか。


 俺は頼れる相棒の同田貫とM9をジッと眺める。


(殺さない様にするには……やっぱこれだよな)


 特に催淫弾は『マーラの渇愛』なる怪しげなスキル名になって強化されたし、平和的に解決するにはこれらの非殺傷性の武器が重要となるだろう。


「ん? ちょい貸しな」

「え?」


 M9を見ていると希典先生はやや険しい顔をして強引に奪い取って凝視する。先生には珍しくガチっぽい表情だけど当然付与された謎のスキルに気が付いたらしい。


「こいつは……なるほどねぇ、余計な事を。まあいい」

「あ、ああ……?」


 希典先生は何かに納得して俺に銃を返却する。どうやらこの銃は先生にとっても脅威となり得るものだった様だ。


 この催淫弾を希典先生に向けて撃ったらどうなるのだろう。ひょっとしたらこの世界に存在する全ての問題が一瞬で解決出来るかもしれない。


 けれど果たして実際に弾を撃ったとしてそんなに上手くいくのだろうか。


 そんな事をしたとしてもこのオッサンの場合自力で解除し、その後滅茶苦茶えげつない方法で復讐されそうだ。


 せめてどのくらい効くか程々のレベルの相手で効果を確かめられたらいいんだけど。


「智樹ちゃん、こいつの試し撃ちをしたいのかい?」

「え!? いや俺ノンケなんで!」


 だが希典先生は俺の考えを見抜いていたらしく不敵な笑みを浮かべてそう提案した。


 なんだかこれからエロ同人みたいな事が始まりそうだが、どういう展開にしろいろんな意味でそんな恐ろしい事はしたくない。


「はは、心配しなくても俺っちもノンケだから。異世界軍の斥候部隊がいる。お前さんのマップ機能のレベルじゃわかんないみたいだけど」

「っ」


 しかし先生は笑いながらゾッとする事を言った。俺は急いでマップを開くが、もちろん彼の言うとおりどこにいるのかはわからなかった。


「うげ、マジか。アシュラッドの奴らか?」


 リアンがすぐに思いついた候補を述べると希典先生はああ、と肯定した。


 異世界の軍勢でニライカナイの遺産を狙っている勢力は複数存在するが、最も可能性が高いのは考えるまでもなくアシュラッドに住む人間アンジョの支配者だろう。


「カルラ族の百合コンビが率いる兵隊だ。ラフランとウタって言えばわかる?」

「アシュラッドのカルラ族部隊の隊長と副隊長の方ですか。私も面識がありますが、かなりの手練れです」


 関係者のカムナは名前を聞いてすぐに分かったが俺はピンと来なかった。そんな俺にザキラはボソッと伝える。


「ほら、ネメシアと戦った時にいたあいつらだ。お前が催淫弾を撃って逃げていったほうがラフランだ。アタシはそこまであいつらと絡みがあるわけじゃないけど」

「ああ、あいつらか」


 俺はうろ覚えだったがそういえばそんな奴がいたのを思い出した。


 確か元気そうな後輩はクーデレお姉さま的なポジションの先輩にぞっこんで、戦闘そっちのけで色ボケをしていたっけ。


 台詞は少なかったけど、キャラが強かったので俺はなんとなく覚えていた。


 あの時の会話の内容を照らし合わせると、おそらくクーデレ系の先輩が隊長のラフランで、元気っ娘な後輩が副隊長のウタなのだろう。


「ちなみにラフランは元々貴族だったけど権力闘争で追い出されてアシュラッドにやってきたんだ。ウタはそうなる前からずっと従者としてラフランに仕えてきたからかなり強い絆で結ばれている」

「なるほどねぇ」


 催淫弾を撃たれたラフランは根性で撤退したが、『マーラの渇愛』が付与されてレベルアップした今の催淫弾ならば効果があるかもしれない。


「どの道迎撃したほうがいいし、こいつの威力を試してみるのもいいかもしれないな」


 意志が強そうなラフランは初期の催淫バステではあまり効果がなかった。


 彼女はまさしく俺が求めていたちょうどいいランクの敵であり、強化された催淫バステの効果を確かめるには最適だろう。


「そうだねぇ。上手くいけば戦いを避ける以上のオイシイ思いも出来るかもしれないからねぇ」

「そうだな。味方にして指示を出すとか情報を聞き出すとか戦う以外の使い道もありそうだ」


 ニマニマと含みのある下品な笑みを浮かべていた希典先生は、おそらく俺の考えた活用方法とは異なる事を考えていたのだろう。


 もちろんエロ同人みたいな事をするのは人としてアウトだし、そんな悪用の仕方をするつもりは一切無い。


「むう、そういうわけじゃないんだけど。そんなんだからお前さんは童貞なんだよぉ」

「青少年が青少年健全育成条例を護って何が悪い。つーわけだ、試したいから他の皆はなるべく手出ししないでくれ」

「はい、気を付けてくださいでヤンス。でもこっそりサポートはするでヤンス!」

「アタシも一応行くか」


 俺は変態教師を適当にあしらいわずかな手勢を引き連れ拠点を後にした。リスクはあるが目立たないように行動するため名乗り出たサスケとザキラだけでいいか。


「気を付けてくださいね。僕達には何も出来ませんが……」

「トモキさん、無茶はしないでくださいポ」

「わかってます」


 ただここにはアマビコやモリンさんといった戦えないメンツも多い。


 目的を達成するのは大事だが欲をかいて失敗してしまえば皆の身も危険にさらしてしまうし、無理のない範囲で実験をするとしよう。

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