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ゆめのおちかた~終わりに向かう二つの世界、小説家とアニメーターを目指す何者かになりたい若者と、夢破れたTSダメ親父が紡ぐ英雄のいない物語~  作者: 高山路麒
第四章 悠久のニライカナイ、黄昏の空を飛び続ける天龍【第一部4】

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4-34 ニライカナイで村人から情報収集をしようとしたら方言がツラ過ぎる~なお意味は『暑い中よく来たね、何もないけどサーターアンダギーを食べなよ』でございます~

 会議を終えて自由時間になり、俺はショッピングモールの駐車場エリアをうろつきながら悶々と思い悩んでしまう。


 全てが始まったゾンビハザードと大災厄の真実を知るため、そして人類の負の遺産を消し去るためにクガニナーの祠に向かう――話し合いはまとまりかけたが、俺は土壇場で決心がつかなかった。


「つってもクガニナーの祠ってどこなのかねぇ。それっぽい候補はいろいろあるみたいだけど」

「どこなんでしょうネェ」

「あとなんでニイノが隣にいるんだろうなぁ」

「トモキさんと恋人以上友達未満の一番甘酸っぱい関係だからデス!」

「そうだったのかー。そういう関係だったのかー」


 ニイノは自信を持ってそう主張するが、申し訳ないけど俺は彼女に対してその様な感情は一切抱いていない。


 もちろんいい奴だっていう事はわかってるんだけど、やっぱり魚類だからなあ。


「というのは冗談でシテ、ちょっとアレコレ調べて見たいと思ったんデス。天龍リンドヴルムやニライカナイの事について」

「どのみち様子を見て回るつもりだったから情報収集自体は賛成だけど。やっぱりあの龍が気になるのか?」

「はい」


 ここに来る前に天龍リンドヴルムと遭遇したニイノは龍の寂しげな瞳を思い出し、切なそうな顔になってしまう。


「うちはあの龍ともう一度会わないといけマセン。きっとそうしないといけないんデス」

「そっか」


 決意を伝えた彼女に俺は何も言わなかった。


 天龍リンドヴルムの正体について推測は出来るが、確度の高い情報が集まっていない今は不用意に伝えるべきではなかったと考えたからだ。


「ただどうする? 情報収集してもいいけど誰に聞けばいいのやら」


 ショッピングモールの集落には人やマジムンが大勢おり、全員に話を聞くとなると少々骨が折れる。


「もっと言えば我那覇総督はここの人達にとって恩人みたいなものだし、正直に話してくれるとは思えないんだよなあ」

「天龍リンドヴルムも同じ様に守り神ですカラネ。なのでそれとなく聞いてみようと思いマス」

「どんなふうに?」


 俺が情報収集の作戦を尋ねると、ニイノは妙案があったらしく自慢げにアイデアを語った。


「クルガネザーシーとかミミキリボンズとか、ニライカナイにはそういう昔話があるんですヨネ。お年寄りとか子供に聞けばそこから話を膨らませる事は出来るかもデス」

「成程、それなら同じ民話カテゴリーの天龍リンドヴルムの情報は手に入りそうだな」

「はい。というかぶっちゃけよく知らないガナハさんの事はあんまり興味ないデス」


 ニイノは正直に本音を伝えたが、角を立たせないためにも妥協して我那覇総督の話題は避けるべきだろう。


 無理に聞いたせいで嫌われて密林地帯に追い出される、なんて事になったら死活問題になりかねない。


 武器を持った俺を叱った二人組のマジムンの話から察するに、クルガネザーシーもミミキリボンズもおそらく戦争関係っぽいし、かつて沖縄ニライカナイで何が起こったのかもわかるかもしれない。


 それはきっと人類が消え去り、何もかもが忘れ去られてしまう前に知らなければいけない歴史のはずだ。


「なので調べるとするならこの辺がいいと思いマス!」

「ふむ、確かにRPGなら情報をくれそうなおじいやおばあがたくさんいるけど」


 かつては駐車場として用いていたエリアには子供やお年寄りが多く、警戒されずに昔話を聞く事が出来そうだ。


 ここでもやはり純金のメダルをおもちゃにして遊んでいるマジムンがいて、本物の現金よりずっと価値のあるメダルを使いお店屋さんごっこをしていた。


 上手く言いくるめたら小遣い稼ぎが出来そうだけど、そんな事をしたら追放されるし止めておこう。


「じゃ、行ってきマス! たのもー」

「ん、おう」


 ニイノはタッタと駆け出し元気よくおばあに話しかける。するとおばあは、


「あちさぬ、よーきやしたねー。ぬーんとぅんねーんくとぅ、サーターアンダギーあがやー」


 と、笑顔でニイノに挨拶を返してくれた。


 うん、取りあえずうんたらかんたらサーターアンダギーがなんかって言ったのはわかったけども。


「はい?」

「かめーかめー」

「はい!」


 ニイノもまったく意味がわからなかった様子だったが、優しい沖縄おばあからサーターアンダギーを貰い、とててと戻ってくる。


「よくわかりませんケドなんか貰いマシタ! あとで皆で食べマショウ!」

「そっか、良かったな」


 ニイノはカリカリに揚げられた美味しそうな戦利品を自慢げに見せ、沖縄名物かめーかめー攻撃を食らった俺は歓迎されている事を知りひとまず安堵した。


 ただこれじゃあ情報を聞き出すのは無理っぽい。今からでも遅くないし、ほぼ外国語の沖縄の方言が理解出来るヒカリに助けを求めるべきだろうか。


 だけどなあ、喧嘩したってわけじゃないけどヒカリと会うのは気まずいしなあ……。

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