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ゆめのおちかた~終わりに向かう二つの世界、小説家とアニメーターを目指す何者かになりたい若者と、夢破れたTSダメ親父が紡ぐ英雄のいない物語~  作者: 高山路麒
第四章 悠久のニライカナイ、黄昏の空を飛び続ける天龍【第一部4】

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4-33 クエスト:真実を知るために黄金宮の祠へ

 概ねの議論を尽くし、希典先生は一周回って元の場所に戻りこう告げた。


「全ての真実を知りたければクガニナーの祠に行くんだ。何故ベロヴォーディエ紛争が起きたのか、何故ゾンビが生まれたのか、何故大災厄が起きたのか……そこに全ての真実が存在する」

「やっぱりクガニナーの祠に行けばわかるのか。沖縄ならそれっぽい場所はありそうだけど」


 最終的に俺達は伝説に語られるクガニナーの祠を目的地に定めた。やはり全てはあの場所に辿り着く事から始まる様だ。


「ヒカリさんはその場所について心当たりがあるのですか? この中では一番沖縄に詳しそうですが」


 イスキエルダさんは沖縄に縁があるヒカリに尋ねるが彼女はうんにゃ、と困った顔をしてしまう。


勝連かつれん按司あじっていう偉い人が昔住んでいたクガニナーっていうパワースポットがあるのは知識として知ってますけど、普通に住宅街にあったはずですからねー。ちなみに黄金伝説とか天女伝説もありますね。にわか齧りの知識ですけど」


 ヒカリはそう言いながらもしっかりと情報を提供してくれた。関係はなさそうだが、すらすらと出てくるなんて流石というより他ない。


黄金宮クガニナーかあ。もしもこれも比喩ならキラキラしてる場所って事なのかな」

「あ、なるほど!」


 そこにチクタ君は伝説のパターンから模範解答を導き出す。それはもしかしたら黄金の類ではなく、例の如く負の遺産の類なのかもしれないけれど。


 さらにあまり発言しなかったヨンアが、あくまでもたまたま思い出したかの様にそれとなくヒントを提示した。


「沖縄でキラキラっていうと星桜リュウグウリゾートが真っ先に思い浮かぶね。名前も星桜龍って響きと近いし」

「おお! じゃあ星桜リュウグウリゾートに行けば!」

「流石にホテルにミサイル基地の類はないと思うぞ」


 ヒカリはすぐに反応するも俺はもちろん否定する。しかしその意見は一考の価値があるはずだ。


「ただ星桜グループの系列の龍宮国際大学は宇宙開発の研究をしていたが、軍需産業とズブズブでな。宇宙飛行士で技術者でもあった鍋島竜胆が軍事に協力する対価に莫大な予算や助成金をもぎ取ったんだ」

「ん? アタシ?」

「違うって、母ちゃんと同じ名前なだけだよ」

「リンドウ……ですカ」


 俺が星桜グループについて説明すると、リンドウさんは自分と同じ名前の偉人の名前に反応してしまった。


 伝承に出てくる天龍リンドヴルムの名前の元ネタは北欧の伝承に出てくるドラゴンだろうけど、果たしてそれだけなのだろうか。


 もしかしたら――ううん、話の本筋とは関係ないし掘り下げないでおこう。


「ミサイルと人工衛星のロケットの違いは先っちょに乗せるのが核弾頭か人工衛星かの違いだけだ。星桜グループは沖縄のいろんな場所で事業をしていたし、そのどこかの事を指しているのかもしれない」

「うん、よく出来ました」


 俺がヒントから答えを導き出すと希典先生はどこか舐めた態度で拍手を送り、ニマニマと笑いながらこうも言った。


「さて、ここで良いニュースと悪いニュースがある。どっちから聞きたい?」

「はぁ、んじゃあ良いニュースからで」


 正直面倒くさかったし嫌な予感しかしなかったが、俺は一応海外ドラマでよくあるシーンの再現に付き合った。


「良いニュースはそれっぽい場所が調べればすぐにわかるって事さ。その辺に落ちているパンフレットでも自治体の資料でも見ればね」

「で、悪いニュースは」

「そこに軒並み我那覇反乱軍が陣取っているって事さ」

「そうっすか……」


 どうやら我那覇総督も考えている事は同じなのか、真っ先に候補とされる場所を占拠したらしい。世界を滅ぼしたとされる神代の兵器が眠っているであろう、ニライカナイで最も禁忌とされる場所を。


「全部調べるとなると滅茶苦茶疲れるし、何かしらの行動するにしても情報収集や作戦の支度をしたほうがいいんじゃない。必須じゃないけど観光も兼ねてブラついてみるといいよぉ」

「……………」


 これ以上クガニナーの祠に関われば後戻りが出来なくなる。


 それをようやく理解した俺は内心全てを放り投げこの場所から逃げ出したかった。


 だけど今回ばかりは逃げるわけにはいかない。人類の負の遺産を消し去り、異世界の平和な日々を護るためにも。

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