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ゆめのおちかた~終わりに向かう二つの世界、小説家とアニメーターを目指す何者かになりたい若者と、夢破れたTSダメ親父が紡ぐ英雄のいない物語~  作者: 高山路麒
第四章 悠久のニライカナイ、黄昏の空を飛び続ける天龍【第一部4】

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4-21 野生化した仲村渠ヒカリの捕獲

「おーい。生き返れッ!」

「はっ!」


 鳳仙と恋愛イベントが始まるかと思いきやまさかの男の娘と判明し、俺は衝撃のあまり口からエクトプラズムを放出してしまったがリアンの闘魂注入ビンタで我に返る。


「あわわ、本当にごめんナサイ!」

「ごめんなさいー」


 勘違いからいきなり襲い掛かった挙句、鳳仙の秘密を暴いてしまったニイノはマタベエと一緒にヘコヘコと平謝りをしていたが、


「いいよ、気にしてないから。でも次から僕のパンツを見る時はお金を払ってね。追加料金を払ってくれれば嫌な顔をして罵倒もしてあげるから」

「はい?」


 と、純粋な青少年には聞かせるべきではない言葉を交えつつ笑って許した。冗談だとしてもヒナによく似た顔でこんなエグイ事を言わないでほしい。


 けれどそのやり取りを苦笑いしながら眺めていたチクタ君は、悩ましげな顔になり口を挟んだ。


「鳳仙、楽しくおしゃべりするのもいいけど手遅れになる前にヒカリを捕まえないと。早くしないと助からなくなっちゃうよ」

「ああ、そうだったね。すっかり忘れてたよ。正直放っておいても何とかなる気はするけど」

「それじゃあ他の罠を調べに行くでござる。そろそろ引っかかっている頃だろうし」

「ヒカリ?」


 どうやら三人はヒカリという人間を探している様だ。俺の友人でそういう名前の奴がいたが流石に偶然の一致だろう。


 もちろん俺達は彼女たちの事情を全く知らないのでニアはああ、と掻い摘んで教えてくれた。


「拙者達のリーダー的な女の子でござる。食糧調達を任せていたんだけど夢中になって食べ物を探しているうちに野生化しちゃってねー。だから罠を仕掛けて捕まえようとしてたんでござる」

「いや野生化って。犬や猫じゃないんだから」


 リアンはたくましいエピソードに呆れていたが、ヒカリという少女は随分とワイルドらしい。きっと筋骨隆々でゴリラみたいな少女なのだろう。


「ウホ、ウホー!?」

「ととっ、引っかかったみたいだね」

「うん?」


 彼女の話をしているとどこからかゴリラの様な悲鳴が聞こえてくる。


 ヒカリという少女がワイルドでも流石にウホウホなんて言うわけがないし、普通に野生動物だと思うけど。


 けれどニアは悲鳴が聞こえるほうに向かって歩いていく。手伝える事があるかもしれないし俺もついていってみるか。危険な野生動物なら睡眠弾を撃てばいいし。


「ウホウホー!?」

「はいはい、暴れなーい」


 そこでは網の中で棍棒を持った原始人が激しく暴れており、黒い影の怪異っぽい女性が必死で押さえつけていた。


「フロンティアスピリットウーマンだ」

「フロンティアスピリットウーマンデス……!」


 リアンとニイノは彼女を見て思わずそう形容した。もしも原始人を言葉狩りに配慮して言い換えたらきっとそんな言葉で呼ばれるのだろう。


 そして――そのフロンティアスピリットウーマンとも言うべき少女は認めたくなかったが、俺の友人でもあるヒカリだった。


「……お前何やってんだ?」

「ウホ?」


 涙目のヒカリは罠に仕掛けられていたバナナを食べながら俺を認識する。続いて彼女はリアンを見て、そのショックによって徐々に人間に戻っていった。


「智樹? それに愛理? なんで……?」


 死んだはずの友人が目の前にいたので彼女はきっとひどく混乱しているはずだ。


 けれど我に返ったヒカリはそれでもバナナを食べ続け、糖分を補給する事で精神を整えようとしたらしい。

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