第十六話 え?ルーナちゃんと離れ離れに?!
「そういえば!11歳になると学園に通わなければいけなくなるだろう。そこで友人を作るといい!」
空気を変えるように学園の話題を出してきた王太子殿下に、わたくしは思わず笑ってしまいましたわ。
「学園って。ふふ。そうですわね。学園・・・。懐かしいですわ・・・。王太子殿下、ご存知ないかもしれませんが、学園でも友人ができない可能性はあるんですのよ?」
「そうかな?君は私の、つまり王太子の婚約者だ。擦り寄ってくるものだっているだろう」
「擦り寄ってくる方は本当の友人と言えますの?」
わたくしは、伯爵家の中でもトップクラスの広大で資源も豊富な領地を持つカエルム伯爵家の娘ですわ。もちろん、擦り寄ってくるものは少なくありませんでしたわよ!
でも、わたくしがキャロラインをいじめ始めると、みんな離れて行きましたわ!
「それなら、エルリックやパトリックだって私の友人だと、言えないんじゃないかな。本人たちがどう思っているかは別として、少なくとも彼らの親である侯爵たちは思惑を持って息子を送り込んでいるんだ」
「・・・それは、そうですわね」
わたくしの考えが浅はかでしたわ・・・。く、悔しい!ん?ちょっとお持ちくださいませ。確か、学園は寮制だったはず・・・。それは王都在住の貴族も同じで・・・。
「も、もしかしてわたくし、ルーナちゃんとあと一年で離れ離れに?!」
「・・・そう言えばそうだね。私も寮に入らなければいけないのか。弟たちが心配だな」
「そ、そんなぁ〜。やだぁ、ルーナちゃんと離れ離れになるの、やだぁ〜」
「ルミナス?なんだか精神年齢が一気に三歳児のようになったけど、大丈夫?」
失礼ですわね!わたくしの精神年齢は28歳ですわよ!
「うぅ、残りの一年を大事に過ごしますわ・・・」
「余命一年だと宣告された人みたいなこと言わないで!」
「そうですわ、これは余命宣告ですわ!わたくし、ルーナちゃんと離れると死ぬんですの・・・。そう、これは呪い・・・」
「そんな呪い、聞いたことない!」
あ、ルーナちゃんのまつ毛がピクピクしてますわ・・・!起きちゃう!
「王太子殿下、静かにしてくださいませ。ルーナちゃんが起きてしまいますわ!」
「急に冷静になったな!君は本当にツッコミどころしかない」
「この世において、ルーナちゃん以上に優先されるべきものはございませんのよ」
「それなら、ルーナ嬢の次席に入れるくらいにはなりたいものだね」
ちなみに、その次席には今、わたくしの命がありますのよ?わたくしの命を簡単に越えれるわけありませんわ!ふふん!
「あ、そういえば。ルミナス、君は王太子妃になったんだ。そうだよね」
「・・・仕方なしに」
「・・・まあ、それは、ね。で、王太子日になった君には、妃教育が待っている。多分、半年後には始まるんじゃないか、な?」
わたくしの貴重な半年が!こいつの妃になるために消えるんですの?!
「婚約破棄致しましょう」
「絶対嫌」
「いじっぱり」
「そうだよ」
「強欲」
「そうかもね」
「意固地」
「なんとでもいうがいい」
「頑固」
「そうでもないよ?」
「腹黒」
「もっと腹黒なやつ、知ってるよ」
え?
「誰ですの?」
腹黒はわたくしの敵ですわ!
「母上。つまり、王妃だ」
そ、そうなんですの?!あの、優しそうな王妃様が?いやでも、腹黒な人は優しそうに見えるものですものね。
「で、その母上は君をお茶会に招待したいそうだよ」
は?




