第十三話 ルーナちゃん!手!てぇ!
テーマパークに着くとあの気弱な可愛らしいパトリック様が馬車のドアを開け、王太子殿下が先に降りました。そして、手を一丁前に伸ばしてきてエスコートをしようとしてきますわ!
「ありがとう存じます、殿下。ルーナちゃんも、おいで」
ルーナちゃんにはまだ段差が大きかと思って下ろしてあげようと思って手を伸ばすと・・・
「や!じぶんでおりる!」
そう言ってルーナちゃんがぴょん!っと飛び降りて胸を張ってる・・・!
ルーナちゃんが!成長した・・・!ねぇね、嬉しいですわ・・・!
思わず泣きそうになっていると、王太子殿下が私の肩をぽんっと叩いて
「行こうか、ルミナス」
触らないでいただけます?今回のメインはルーナちゃんですのよ!ルーナちゃんが楽しむためにきてるんですわ!
「しゅごーい!みてみて!なんか大きいのある!」
あれは、なんですの?ぐるぐると大きい水車?籠がついていますわね?あれはどのようにして動かしているのかしら?
「ああ、あれは観覧車、というものだ。筆頭魔導士殿に作ってもらったもので、籠に乗って高いところから景色を見下ろせる」
「ルーナ、あれ乗りたい!」
「確かに、上から見る景色、というのは素晴らしいものでしょうね。じゃあ、最初にあれに乗りましょう」
「エスコートさせてくれるかな、ルミナス」
ご遠慮致しますわ!と大きな声で叫びたい。近くにパトリック様をはじめとした護衛の方がいる中で叫ぶわけにもいかず、とりあえず手を払おうかな、と見つめていると・・・
「だめ!おーたいしでんかとねぇね、おててつないじゃ、め!」
助かりましたわ、ルーナちゃん!やっぱり、わたくしはルーナちゃんとしか手は繋ぎませんわ!
「え?いや、私の婚約者・・・」
「ルーナが、まんなかなるの!」
え?え?だ、だめですわ!ルーナちゃん、そんな腹黒王太子と手を繋ぐだなんて!危険ですわ!
ぎゅっとルーナちゃんの手を王太子殿下とわたくしで握り込むとルーナちゃんが嬉しそうに笑いますわ・・・。ルーナちゃんが嬉しいなら・・・。仕方ありませんわ・・・。
「からんしゃ!いく!」
観覧車を「からんしゃ」!可愛い!可愛いですわ!
「そうですわね、早く行きましょう」
「楽しみだなぁ」
ルーナちゃんと歩幅を合わせてゆっくりと歩き出す、わたくしの耳に護衛たちの言葉は届きませんでした。
「ルミナス様とセオドア様がルーナ様とお手をつないでいると、まるで仲の良い家族ですね」
「なんというか、尊い!」




