第十一話 ルーナちゃん!なんでそんな男(の子)の隣に…!
・・・デート=最悪。わたくし、ルーナちゃんと2人きりがよかったですわ・・・。あんな男、いらないですわ・・・。・・・お父様もお義母様も
「よかったね、ルミナス。いいご縁が見つかって」
「・・・うむ」
としか言わないし・・・。・・・お父様、もっと何か言わないんですか、本当に!
「今日の服は青と水色のワンピースがいいわ。ルーナちゃんと同じものを着ようと言っていたの」
そうよ、お揃い!初めてお揃いの服を着て手を繋いで歩いた時、わたくしは意識が飛びかけて、お義母様は感動で泣いていらしたわね。
「こんなに大きくなって・・・」
とおっしゃっていたけれど・・・。わたくし、前世と合わせてもう28歳ですわ!
少し、感慨深いものがあったけれど、それらはメアリーによって打ち砕かれた。
「お嬢様、王太子殿下より今日のお洋服が届いております。ルーナお嬢様へも同じ意匠の服が・・・」
なんですって?!王太子殿下から服が?・・・わたくし、そんなもの着たくないわよ!
反対の意志を込めて、上目遣いにメアリーを見つめると
「・・・ルーナお嬢様は大層喜ばれ、着るのが楽しみだとおっしゃっていました」
「・・・着るわ」
ルーナちゃん!ねぇねを裏切ったの?!
青色の涼しげなワンピースの裾に金色の刺繍が細かく施されたものは、確かに趣味は良意ですわ。でも。なんで金色を使うんですの?!金色は王族特有の髪色!気持ち悪いですわ!こんな色をルーナちゃんに纏わせてたまりますか!
「・・・メアリー。もしかしてこの金の刺繍はルーナちゃんのものにも?」
「いいえ。ルーナお嬢様のものは銀色の刺繍でございました」
・・・良かったぁ〜。まだ見直したわ。
そうこうしているうちに王太子が迎えにきた。わたくしの、大嫌いな人を引き連れて。
「やあ、ルミナス嬢。いや、ルミナス。婚約者になったんだから、名前で呼ばないとね。君も、セオドアと呼んでくれて構わないよ」
誰が呼びますの?!死んでも呼びませんわよ!それより・・・
「そして、紹介するね。彼が私の護衛のパトリックだ」
「・・・ええ。もちろん、存じ上げておりますわ。カンディド侯爵家の」
そしてわたくしを殺したあの、パトリック様ですわ!こんな危険人物とルーナちゃんを一緒にしてたまるもんですか!さっさとあのキャロラインとか言う女のとこにでも行きなさい!この浮気男が!
「よろしくお願いいたします、ルミナス様。あ、あの。僕はお邪魔でしょうから、その。御者席に座りますので・・・。お構いなく・・・」
・・・あれ?こんな方だったかしら?ちょっと、気弱すぎない?わたくしを「愛するものを守るために騎士になったんだ!」とか言って殺した阿呆はどこへ消えたんですの?可愛ささえ見えてきますわよ?
「・・・パトリック。そんな気遣いしないでいいぞ」
「・・・いえ。セオドア様はこの日を待ち望んでいましたよね。大丈夫です、僕は貴方様の恋を応援しますので」
「・・・そんなんじゃないから」
ちょっと!そこのお二方!何を喋ってるんですの!このわたくしも混ぜなさい!
「・・・とりあえず、馬車に乗ろうか、ルミナス」
すっと手を差し伸べてきましたわよ、こいつ。エスコートなんてまっぴらごめんですわ!でも断ったらルーナちゃんに何されるか・・・。しょうがないですわ。
「ありがとうございます、王太子殿下。ほらルーナちゃん」
「ありがと、ねぇね!」
「だから、名前で・・・」
「どういたしまして、ルーナちゃん。あーもう!かわいいわね〜。で、何かおっしゃいましたか、殿下」
ちょ!さりげなーくこいつわたくしの隣に!わたくしの隣はルーナちゃん限定ですのよ!
「ルーナここ!」
あああああああああ!ルーナちゃんダメー!
なんでルーナちゃんがわたくしと王太子殿下の間に座るんですのぉぉぉ?
「私は私の婚約者の隣に座りたいんだが。譲ってもらえないかな、ルーナ嬢」
「やだ!ルーナはルーナのねぇねのとなりにすわりたいの!」
「なら、ルミナスに真ん中に座ってもらおうか」
「やだ!だめ!ぜぇーったいだめ!」
「・・・ルーナ嬢はわがままだな〜。・・・かわいいが」
なんですって?!わたくしのルーナちゃんがわがまま?!この王太子の目は節穴なんですの?!




