第七話お客様とのコミュニケーションは難しい
野営準備が終わると完全に日は落ちていた。
時間もあまりなかったのでテントは張らずに幌馬車の中で一人が寝てもう一人が外で火の番をしながら交代で見張りをすることになった。
「お疲れ様ですナナコさん。
携行食しかございませんが夕食にしましょう」
「ありがとうございます」
渡されたのは干し肉と硬いパンのような物そして水とワインだった。
一日食事も水分も摂っていなかったのでありがたかった。
ゴクッゴクッゴク
もらった水を一気に飲み干した。
「よほど喉が渇いていらっしゃったのですね。
おかわりをどうぞ」
「すいません一日何も口にしていなかったものでありがとうございます」
「いえ人数分の携行食は持ってきていたのでまだまだあるので気にせず飲んで食べてください」
とてもありがたいが水はともかく干し肉はけっこう塩気が強くパンのようなものはとても硬くて歯が負けそうでそんなにたくさんは食べれなそうだ。
「ナナコさんは明日からどうしますか?」
「そうですね私は迷子なので特に何か目的があってここに来たわけではないのでどうしようか悩んでます」
「それでしたら私と一緒に街へ行きませんか?
ナナコさんにお礼をしたいですし何より街へはまだまだ道のりがあるので道中護衛をして欲しいのです。
もちろん護衛料はお支払いします」
なるほど確かに元の場所に戻る方法がわからない以上こっちでの生活基盤を整えなくては戻る戻らない以前に死んでしまう。
それにアインツさんは商人だから色々な情報を持っていそうだ。
それならアインツさんに着いて行きこの世界のことを色々聞いた方がいいかもしれない。
護衛料ももらえるし流石に無一文のままはまずい。
「わかりました。
護衛としてアインツさんに着いて行きます」
「ありがとうございます。
それではよろしくお願いします」
アインツは右手を出してきたので右手を握り返す。
「こちらこそよろしくお願いします」
話はひと段落し、私はタバコを吸いたくなった。
「すいませんタバコを吸ってもいいですか?」
「ええもちろん構いませんよ」
「ありがとうございます」
カチッ
すぅ…ふぅー
食後の一服は最高だ。
なんて思っていたらアインツからからの視線が凄い。
「ど、どうかしましたか?」
「すいませんまじまじと見てしまって。
ナナコさんが吸われているタバコに興味がありまして。
あと火を付けられたその道具は何でしょうか?」
あっ…
まずい…。
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