第十二話 お客様と外で会うと気まずさしかない
「おはようございますアインツさん」
「ナナコさんおはようございます。
よく眠れましたか?」
「はいぐっすりでした!」
昨日は戻った後に馬に水をあげたり簡易ブラシをしたりあと少しだけ乗馬を習ったりで慣れないことをしたから疲れてたのかもしれない。
「それでは朝食にしましょう。
食べ終えたら街へと出発します」
「わかりました」
朝食を食べ終え出発の準備をする。
野営で使った物を片付けて焚き火はしっかり消して土を被せる。
馬を幌馬車に繋いで準備は終わった。
「それでは街へ向けて出発しましょうか。
ベル、ジルよろしく頼むよ」
「お願いね」
ヒヒーン!
ベルとジルは大きく嘶き出発した。
ガラガラガラ
「馬車って初めて乗りましたけど意外とゆっくり進むんですね」
「そうですね速さは人間の小走りくらいでしょうかねあまり速度を出すと馬もすぐに疲れてしまいますから長距離進むのならこのくらいになりますね」
「そうなんですね!
でもこのくらいの速さだとゆっくり旅してる感じがしていいですね!
あ、もちろん周囲の警戒もちゃんとしますから安心してください!」
「ハハハ張り切ってますね。
よろしくお願いします」
しばらく馬車は進んだ。
大体二時間くらいだろうが今のところは順調に進んでいる。
私のお尻以外。
「お尻痛い…」
馬車ってこんなにお尻にダメージがくる物なのか。
そりゃクッションとか敷かれてないから当たり前だけど振動をもろにくらって痛すぎる。
「ハハハ最初はみんなそうなります。
これは慣れるしかありませんね。
短距離ならまだ良いですが長距離を進むとなるとお尻と腰は甚大な被害を被ります」
いや全然笑い事じゃないんだが…。
仕方ないから身体強化魔法でお尻を守れるか試してみよう。
うん。普通にできた。
なんか夜の見張り番のときに練習しているからかかなりスムーズにできるようになってきた。
これで私のお尻は大丈夫。
「そろそろ休憩にしようと思いますが良いですか?」
「はいお願いします」
出発してから最初の休憩だ。
休憩と言っても乗っている私たちのではなく馬車を引いてくれる馬たちの休憩だ。
馬に水をあげて近くの草むらまで手綱を引いてご飯を食べさせる。
一時間ほどしたらまた出発。
これを繰り返して目的地を目指す。
馬にご飯と水を与え一息ついていた時何かの足音が聞こえた。
こんなところに人はいないはず。
とりあえずアインツさんに報告する。
「…アインツさん何かの足音が聞こえました」
「本当ですか!?
私には何も聞こえませんがナナコさんがそういうならそうなのでしょう」
「どうしますか?」
「馬をまだ馬車につけていないのでもし逃げるのであれば馬車を捨てなければなりませんね。
ちなみに足音は複数聞こえますか?」
「いえ今のところ足音は一つです」
「そうですか…足音一つということは群れないモンスターですね。
足音という点でも渡りのオークかオーガかもしれません」
「オーク?オーガ?」
「オークはゴブリン種の上位でオーガはその最上位になります。
どちらも人間に対して好戦的で見つけ次第攻撃を仕掛けてきます」
「そうなんですね。
ちなみに強いんですか?」
「強いです。
オークは単体の強さはDランクですが大抵はゴブリンを従えているので初級の冒険者パーティーなら倒すのに二組以上は必要です。
そしてオーガですがBランクのモンスターですので出会ったら終わりすぐ逃げろが常識です」
ランクはよくわかんないけどオーガってやつはマジでヤバそうだ。
「それなら私が遠くから見てオーガだったら即逃げるっていうのでどうですか?」
「オークだった場合は?」
「私はまだドラゴンから逃げただけの護衛ですのでここら辺で一度実践をした方が良いと思うんです。
この先またモンスターと遭遇する可能性だってありますし、幸い一体だけですのでなんとかなると思います。
最悪無理そうなら逃げることになりますのでその準備だけはしておきましょう」
「わかりました。
では私はいざというときの為に逃げる準備をしておきます。
オークとオーガの特徴を伝えますのでくれぐれも無茶はしないでください」
「わかりましたそれでは行ってきます」
最後まで読んで頂きありがとうございます!




