第十一話 店員でもわからない商品は少なからずあります
「ハァハァハァ」
「ハァハァ」
馬を見つけた方角に向かって歩き出して三時間ほど経っていた。
全然いねーじゃん!
まさかこんなに離れているなんて!
そういえば人間は地平線なら約4キロくらいなら見えるみたいな話どこかで聞いたことあるな。
てことは目の身体強化プラスジャンプして見えた位置って何十キロも先ってことなんじゃ…。
しかも身体強化しないと体力は普通のままだから普通にキツい!
「おっ!
ナナコさん馬が見えましたよ!」
「本当ですか?
良かったです!」
てことはまだ4キロは先なのか…。
「ハァやっと馬に近づいてきましたね」
「そうですねかなり疲れました。
鞍も付いてますしあの馬は私たちが乗ってきた馬で間違いないようです。
まずは怖がらせないように私が一人でゆっくり近くのでナナコさんは私が合図をしたらゆっくりと近づいて来てください」
「わかりました」
そういうとアインツはゆっくりと馬の方へ近づいていく。
馬たちもこっちを見て警戒していたがアインツだとわかったのか二頭ともアインツに寄って来た。
「おぉーヨシヨシ元気そうで良かった心配したぞ〜」
アインツは二頭を笑顔で撫でていた。
するとアインツから合図が出たので私も近く。
「お待たせしました。
馬を紹介しますねこちらの黒い馬がベルで隣りの灰色の馬がジルです。
名前を呼びながら首の横辺りを撫でてください」
「わかりました。
初めましてベル、ジル」
人生で初めて馬に触った。
ふわふわな毛並みって感じではないがサラッとしていて手触りは悪くない。
そして体温が少し高めで温かい。
「馬って初めて触りました」
「え!?
ナナコさんの世界では馬はいないのでしょうか?」
「いるにはいますが触れる機会は少ないですね。
元いた場所は馬以外の移動手段が沢山ありましたので馬は徐々に減っていった感じです」
「そ、そうなんですね。
その移動手段とやらはあとで詳しくお聞きしたいのですがとりあえず馬に乗れないとなるとまた歩いて馬車のあるところに戻らないと行けないですね」
「あーそれは嫌ですねー」
「そうだ!
それならアインツさんは馬に乗って移動して私は馬を引いて走れば良いんじゃないかと思うんですがどうですか?」
「はい?
えーと走った方が余計に疲れると思うんですが…」
「それがなぜか身体強化魔法で早く走っている時の方が魔法を使わずに歩いている時より疲れないことがさっきわかったので大丈夫です!」
「そういえばナナコさんは魔力量も豊富な方でしたね。
本来なら魔力量が減っていくのが辛くてあまり長時間は使えないのですがナナコさんなら心配なさそうですね。
それならナナコさんの案で行きましょう。
ただ辛くなってきたらすぐに言ってくださいね」
「わかりました」
ドゥンドゥンドゥン!
シャッシャッシャッ
馬二頭の低く重い足音が鳴っている横で馬の手綱を持ったまま警戒に走っている女性がいた。
馬も最初マジか!?みたいな顔をしていたがある程度走ったら慣れたようだ。
「いやーまさか本当に走るとは…」
馬上から奈々子に話しかけてくる。
「急にこの速さで馬に乗るのは怖いし馬にも迷惑かなと思ったんで何より身体強化中はそこまで疲れないようなので全然大丈夫です」
行きは三時間以上かかったが帰りは一度休憩を入れたが一時間で帰ってこれた。
「今日はもう馬を走らせてしまったので休ませるためにまた一泊し、明日の朝から街へ向けて出発しましょう」
「そうですね時間も中途半端ですしそうしましょう」
こうして今日は終わった。
無事に馬を見つけられて街へと向かうことができそうで良かった。
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