第十話 食べっこ◯◯は結局美味い
翌日
「おはようございます。
見張りありがとうございます」
「おはようございますアインツさん。
私の方が先におやすみを頂いたので全然大丈夫です」
挨拶をして朝食の干し肉と硬いパンを食べる。
「今日はどうしますか?
街へ向かいますか?」
「そうですね…街に向かいたいのですが幌馬車はあっても馬がいませんのでどうしたものかせめて逃げた馬の一頭でも戻って来てくれたらどうにかなるんですが…」
確かにここは国境近くと言っていたし街までは遠いのかもしれない。
「ここから街まで歩くとどれくらいかかるのですか?」
「馬車で三日ほどで歩きだと四〜五日ほどです」
歩きだと一日に進めるのは30キロくらいだから大体100〜150キロくらい離れているのか。
東京から群馬くらいうん遠いね。
「馬を探しますか?」
「そうですね…本来なら馬が戻って来るのを待つか歩くかなんですがナナコさんがいらっしゃいますし見つけられるかもしれません」
「私ですか?」
「はい。
ナナコさんは凄い身体強化魔法を使うことができます。
逃げている時は主に足の部分に集中して魔法がかかっていたと思います。
それを今度は目や耳に集中すれば遠くを見たり小さな音を聞き取れたりするはずです。
初めてやることだとは思いますがチャレンジしてみましょう!」
まさか身体強化魔法にそんな使い方があったとは!
これはけっこう便利なんじゃないか?
まぁできたらだけど…。
「わかりましたやってみます」
逃げていた時は必死すぎてどうやったかなんてわかんないからとりあえず遠くを見るようにやってみようか。
「んー…ん〜…ふん〜」
ダメだできない。
集中力を高めよう。
目を閉じて深呼吸をする。
「スゥゥ…ハァーーー」
慣れている空手の呼吸方で集中力を高める。
「ヨシ!」
目に集中してゆっくりと目を開けるとさっきと視界が変わりかなり遠くまで見えるようになった。
「アインツさん!
できるようになりました!
けっこう遠くまで見ることができます!」
「流石ナナコさんです。
逃げる時といい身体強化魔法は普通もっと練習しないとできないはずなんですが何かコツでもあるんですか?」
「んー私なりにですが元の場所では元々武術をやっていたので身体の使い方がわかるからそれでなんでしょうか?
まぁ全然違う可能性もありますが。
しかし、遠くまで見えると言っても限度がありますね。
ちょっとジャンプして見てみますね。
ヨッと」
ダッーン!
「うぇ〜!?」
「……。
これはジャンプと呼べる高さなのだろうか?」
アインツが引き気味で奈々子を見ているが見られている本人は気づいていない。
奈々子の掛け声とは裏腹にとんでもない勢いで空中に跳び上がった。
二階建ての屋根に登れるくらいだ。
いや高すぎだろ〜。
「ナナコさん大丈夫ですか!?」
「大丈夫です!」
おっとせっかく高く跳んだんだから周囲を見ないと。
キョロキョロ。
ん?あれは?
スタッ!
降りる時も足を強化しておけば痛みは全然なかった。
「アインツさんここをまっすぐ行ったところに馬が二頭ほどいました!」
「そうですか!
良かったです!
それなら馬の元まで行きましょう!」
二人で馬の見えた方まで草原を進んで行った。
最後まで読んで頂きありがとうございます!
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