ねぇ
「いやいやいや!自分が勝手に付いて来てるだけですし!」
全力で否定しても、ソウマさんはまだ不安そうな顔をしていた。
「……ありがとう」
「……なぁ、」
「?、」
「俺はソウマさんが好きだから付いて来てんだけど……恋愛的な意味じゃなく、尊敬で」
「そう、なの?」
「あぁ」
敬語も忘れて、ソウマさんを見つめる。
「……これから嫌いになるかもよ?」
「……ほんっと、ソウマさんは腰が低いよな」
「……実際、みんなに迷惑かけてるし」
「みんな迷惑だなんて思ってないだろ」
「それは、……僕も色々手伝ってるし、」
なんで自分じゃ気付かないんだ。
こんなにボロボロでも立って歩いて前に進んで誰かの為に頑張ってんだから、
少しぐらい、我儘になったってバチなんて当たらないだろうに。
「とりあえず!俺は貸し借りとか無しでソウマさんの為に動くからな!」
「ありがとう、」
ソウマさんの声が心なしか揺れた。と同時に、妖気が変わった。
「……貴様は何者だ。ここは何処だ。答えろ」
気を取り直して、
「俺はコウ。その体のソウマさんの仲間で、ここはイルカの国だ」
俺の姿をじっくり見た後、湖で自分の姿を確認する。
「……なんだ、子狐か。通りで目線は低いし非力な訳だ」
いやソウマさんは成人してるんだけど、と言いかけてやめた。それにしても、なんか皮肉だな。こいつは随分と偉そうだ。
「おい、狐」
「コウだ」
「知らん。どうでもいい。貴様らまさかこの俺に協力して欲しいとでも頼むつもりか?」
「はぁ?……そうだけど」
うっかり敬語が外れてるけど、こいつにはこれくらいで良いだろ。
「なんと傲慢な事か。そもそも、何故跪かんのだ」
「はぁ?しねぇよそんな事」
「この妖気を感じて尚か?とち狂った奴だ」
「今更なんだが?こちとら伊達に戦士やってねーよ」
「ほざけ!戦士の分際で何を言ってるんだ!」
「そもそも誰とも分からん奴に跪く奴があるか!」
本当に誰だこいつ。貴族かなんかなのか?だとしたら嫌すぎるんだけど。
「まぁ、確かに自己紹介が遅れたな。俺はライオンの国で軍に入っていた者だ」
「……確かに強そうだな」
「だろう?今までの言動を反省するが良い!」
出来る方の偉そうな奴だったか。余計嫌なんだけど。
「やーだね、今役職とか関係ねーだろ」
「あ?貴様如き片手で葬り去ってくれる!」
軍にいたにしては随分と子供っぽいな。
「いいのかー?折角復活できたのに二度と出して貰えなくなるぞー?」
「ぐっ……小癪な」
こんな感じで話すのも、なんだか久しぶりだ。




